連載
インディーズゲームの小部屋:Room#79「QUALIA2〜evolve〜」
セル・オートマトンで表現されたメッシュ状の海を舞台に,圧縮トラップと拡散ボムで波を起こして敵対生物にぶつけるというゲームの基本は変わらないが,サブタイトルに“evolve”とあるように,本作では“進化”という要素が大きなウェイトを占めている。
本作でプレイヤーが操作するのは,クリオネのような姿の生物だ。実はこの姿は進化の途中段階にあるもので,進化もしくは退化することで外見や能力が変化するのだが,これについては後述する。ゲームの基本部分については,上述した第15回の記事を併せて参照していただきたいが,前作をプレイしていない人のために,まずはプレイムービーを紹介すると共に,ゲームの概要を簡単におさらいしておこう。
そして本作では,雑魚を倒したときなどに,赤と緑の2種類のアイテムが出現し,どちらを取るかで自機の進化の方向性が決定される。これが本作で追加された新要素で,進化の方向によってゲーム性が大きく変化する。どのように進化(もしくは退化)していくのかは,下図を参照してほしい。
自機が進化すると見た目がガラリと変化し,一度に大量のトラップやボムを仕掛けられるようになるなど,能力も一変する。中には,トラップやボムを設置できない代わりに,自分自身の体でセルを吸収/拡散させるものや,目の前に渦を発生させて波を作り出すものなど,かなり癖が強い能力を持った形態もあって,一筋縄にはいかない。うっかり使い慣れない形態に進化させるとかなりの苦戦を強いられてしまうので,ゲームに慣れないうちは,クリオネから使い勝手のいいドラゴン,バハムートへと進化させるのがオススメだ。
前作で完成された,波をぶつけて攻撃するというシンプルなルールに,進化による形態や能力の変化が加わったことで,本作ではゲームとしての幅や深みがさらに増している。中盤以降,敵の攻撃はかなり激しくなり難度は若干高めだが,メッシュで表現された水の動きや独特なゲームシステムは本作ならではの魅力。神奈川電子技術研究所の公式サイトでは,本作の体験版が公開されているので,興味を持った人はぜひ一度お試しあれ。また製品版は,1575円(税込)にて発売中だ。
■神奈川電子技術研究所公式サイト
http://www.shindenken.org/- この記事のURL:
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