インディーズゲームの小部屋：Room＃99「ARCANUM ECHO 〜空色のエレクシア〜」

　「インディーズゲームの小部屋」の第99回は，ゲーム制作サークルAlouette-Cielの「ARCANUM ECHO 〜空色のエレクシア〜」を紹介しよう。本作は，光の神様が残した魔法のかけら“アルカナ”をめぐるストーリーが繰り広げられる，ファンタジー横スクロールシューティングだ。

　主人公となるのは，“正義”のアルカナを持つエレクシア，“魔術師”のアルカナを持つラピス，“死神”のアルカナを持つトレーズの三人。エレクシアは三人のうちで最速の移動スピードと強力なクロスレンジ攻撃（近接攻撃）を持つキャラクターで，初心者にも扱いやすい。どうみても制服の丈が短すぎるため，おヘソ丸出しという点からもお勧めしたい。


　ラピスは広範囲をカバーするノーマルショットが強力である反面，移動スピードが最も遅く，クロスレンジ攻撃の範囲が非常に狭いのが特徴。話し方がたどたどしく，一見すると無口なキャラクターのようだが，意外と友達思いだったりするのがグッとくる。戦闘中の姿は，三人の中で一番正統派の魔女っ子なのも見逃せない。ちゃんと箒に座ってるし。

　三人めのトレーズは，そこそこの威力のノーマルショットとクロスレンジ攻撃を持つ万能型だが，防御力が最も低い（＝体力が少ない）など，ちょっとテクニカルな上級者向けキャラクターだ。なぜかディーラー姿のナイスバディなエルフのおねーさんで，ただ巻き込まれてしまっただけの上述の二人とは異なり，何らかの目的を持って今回のストーリーに加わっているようだ。


　それぞれのキャラクターは固有の大魔法“アルスマグナ”を2種類ずつ持っており，ゲーム開始時にどちらかを選択できるので，都合6タイプのキャラクターの中から自分のスタイルに合ったものを選んでプレイできる。

　キャラクターの操作は，方向キーでの移動に加え，ノーマルショット，クロスレンジ攻撃，アルスマグナ攻撃，振り向きの4ボタンで行う。画面左上には体力ゲージが表示されており，敵の攻撃を受けてこれがゼロになってしまうとゲームオーバーだ。

　ノーマルショットはボタン押しっぱなしで連射が可能で，その間はサブショットのチャージが行われる。チャージが完了した段階でボタンを離すと，キャラクター固有のサブショットを発射できる。また，アルスマグナ攻撃は，アルスマグナゲージが満タンのときのみ可能で，一度使用したあとも敵を倒したときに出現するゲージ回復アイテムで回復させられる。


　本作の特徴となっているのは，ショットがほとんど通じない敵に対するクロスレンジ攻撃と，振り向きボタンでショット方向を前後に切り替えられる点。敵は右からも左からも出現するので，画面端に長時間とどまるのは危険だ。
　また，ショットが効かない敵にクロスレンジ攻撃を当てるとカウンター状態が発生し，敵が一定時間行動不能になって防御力が大幅に下がる。そのすきに再度クロスレンジ攻撃を当てたり，ショットで攻撃したりして撃破していこう。クロスレンジ攻撃は一部の敵の攻撃やオブジェクトなども破壊できるが，空振りした際の隙が大きいため，慎重に間合いを見極めたい。

　さらに，プレイ中にさまざまな条件を達成することで取得できる“小アルカナ”のコレクション要素（いわゆる実績システムのようなもの）など，やり込み派のプレイヤーにも嬉しい仕掛けが用意されているのも特徴の一つ。ノリのよい音楽や丁寧なグラフィックスを含めたゲームとしての完成度も高く，横スクロールシューティングが好きな人に，ぜひお勧めしたい作品だ。


　そんな本作は，東京ビッグサイトで8月14日から16日まで開催されるコミックマーケット76の2日め，8月15日に，Alouette-Cielのサークルスペースにて販売される予定だ。スペース番号は「東 Q 43a」で，価格は1000円。コミケに参加予定の人は同サークルのスペースにも足を運んでみよう。また本作は，ショップでの委託販売も予定されているとのことなので，コミケに行けない人も公式サイトを小まめにチェックしておくといいだろう。本作に興味を持った人は，公式サイトで公開中の2種類の体験版も要チェックだ。

■Alouette-Ciel公式サイト

http://alouetteciel.web.fc2.com/index.html

ちびキャラ＆ラピスのラフ画