トリプル・キャノピーの魔女

−STORY

東南アジアのとある小さな国、バンナン人民共和国において、紛争が発生した。
自治が認められてから平穏だった少数民族のパナン族自治区に突如人民政府の部隊が進駐し、自治権を剥奪すると宣言した。

自治評議会はこれを受けて長老会議を開き、満場一致で徹底抗戦を決定した。
だが、貧しい国力に似合わずRaidersなどの近代兵器を保有する政府軍に対し、パナン族は地の利を生かしたゲリラ戦でしか対抗できず、追い払う事は難しかった。

反対に政府軍は、町や幹線道路を確保できても広大なジャングルとそこに点在する集落全てを掌握することはできず、絶えず脅かされる補給線の維持などに忙殺され評議会のある自治区の中心都市であるダ・エン・ルーまで進撃できずにいた。

この均衡状態を好機と見て、評議会は発動の機会を窺っていた作戦を実行する。
対ゲリラ戦用にジャングルの各所に多数設置された簡易飛行場に分散して配備されている政府軍のRaidersを強奪するというものだった。

一方その頃日本では−

内戦の傷跡も癒えたものの、軍の情報部と公安はMF社に加担し事件後に行方をくらませた者を互いに競って捜索するのに忙しかった。
そんな中、軍情報部に発見された一人の男はその経歴を買われ、事件の事を不問にするかわりにある目的のためにバンナン人民共和国へ行けと軍に命じられた。