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TravelShooting JP レビュー - スペースハリアー好きが作った愛にあふれるスペハリ系ゲーム

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今からちょうど30年前の1985年、『スペースハリアー(スペハリ)』という疑似3Dシューティングがゲームセンターに登場した。
超能力戦士「ハリアー」でかい画面を高速で飛び回る爽快感と、ゲームに合わせてコックピットが揺れ動く仕掛けは人気となり、当時のゲーマーたちは熱狂したという。

そして、時は流れて現代。
スペハリを愛しすぎたゲーマーが、PS版のスペースハリアーを研究し、1年をかけて製作したスペハリ系の疑似3Dシューティングが『TravelShooting JP (トラベルシューティング ジェイピー) 』だ。

TravelShooting JP は、女子高生が空を飛んで、日本各地で敵を撃ち倒す擬似3Dシューティングだ。
題材こそ変わっているものの、そのゲーム内容は完全にスペハリ。
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格子模様の床が高速で流れるあのスピード感をきっちり再現している。
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弾や障害物が手前に近づくにつれて大きくなり、グッと近づいてくる感じも懐かしい。
ギリギリで攻撃を回避するスリリングな感触は、まさにスペハリだ。
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高速アクションでは処理落ちやフレームレート(画面の滑らかさ)が問題となるが、本作は秒間60フレームで滑らかに動き、処理落ちもないので存分にスピード感を味わえる。
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▲どちらかというと、処理落ちしないので難しい…要所では処理落ちして欲しい(笑)

ゲーム内容だけでなく、演出から敵の動きまでスペハリをヘビーにオマージュ。
BGMにも、スペハリを感じさせるメロディも混ぜ込んでいる徹底ぶりだ。
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もちろん、完全にスペハリのコピーではない。
神奈川ではカモメの群れを撃墜したり、京都では連続する鳥居を避けるなど、スペハリにない展開や散りを活かした演出もある。
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北海道の障害物が鹿注意の看板や巻藁だったり、建物だらけの繁華街があったりとステージによってガラリと雰囲気が変わるので、新たなステージに到達する楽しさもある。
タイトル通り「トラベルシューティング(旅するシューティング)」というわけだ。

操作は iPhone 本体を傾けてキャラクターが移動し、敵を正面に捉える自動で敵を撃つ仕組みとなっている。
移動操作の傾けの感度は3段階に調整でき、反転も可能なので慣れればかなり快適。
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▲タッチ操作もあるが、使いづらいのでおすすめしない。

初見で避けられない攻撃があったり、難易度が高かったりするのは昔のゲームのオマージュなのでまだいい。
一番辛いのはコンティニューがないことだ。
難易度が高い上に、毎回最初からプレイするのはスマホゲームとしては辛い。
せめて、特定ステージをひたすら練習するモードがあれば良かったのだが…。
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また、細かいことを言うと画面の両サイドにあるボリューム調整ボタンや青枠(iPhoneプレイ時のみ)があるのも気になる。
使わないボタンが大量にあるなら、フルサイズで画面を表示させて欲しかった。
作者のページを見ると左右のボタンの存在はポリシーのようだが、オプションで非表示にできてもいいと思う。
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▲iPad版のスクリーンショット。

今風のゲームではないので、スペハリ経験者以外にはおすすめしない。
だから、評価は2.5とする。
だが、スペハリが好きなら楽しめるはずだ。
スペハリの面白さを再現するために作られたゲームを、ぜひ遊んで見て欲しい。

最後になるが、このレビューはiPadで遊ぶことを前提の評価している。
iPhone でも遊べるが、敵や障害物の登場した際のサイズが小さいほか、キャラや障害物がのっぺりしていて距離感が掴みづらいためだ。
iPhone アプリとしてリリースされているが、できれば iPad で拡大して遊んで欲しい。

評価:2.5(価格通りに楽しめる)

おすすめポイント
スペースハリアーのような擬似3Dを再現
高速で移動しているようなスピード感
慣れれば問題なく動かせる傾け操作

気になるポイント
スペースハリアーを知っている人以外には辛い
途中セーブがない

課金
ライフ(残機)の数を増やす、10ライフ300円。広告の除去(300円)

(バージョン1.0.0、GCドラゴン)

アプリリンク:
TravelShooting JP (トラベルシューティング ジェイピー) (itunes 基本無料)

動画: