岩谷徹氏がパックマンに感じた“成長”とは!?
2015年9月19日に日本公開を控える映画『ピクセル』ついて、本編に登場するキャラクターの誕生秘話などが語られた鼎談が行われた。
『ピクセル』は、ゲームオタクたちと80年代のゲームキャラが熾烈な争いをするSFアクション映画。パックマン、ギャラガ、スペースインベーダー、ドンキーコングなどのキャラクターが、昔懐かしの8ビット音とともに3Dになって暴れまくるという、往年のゲームファンにはたまらない内容となっている。
鼎談には、『スペースインベーダー』の西角友宏氏、『パックマン』の岩谷徹氏、『ギャラガ』の横山茂氏という、名作ゲームの“生みの親”たちが集結。映画の魅力についてもたっぷりと語られたので、その模様をお届けしよう。
――まずは、映画『ピクセル』をご覧になった感想をお願いいたします。
横山茂氏(以下、横山) 単純におもしろかったです! 私たちは映画に登場するゲームについて詳しく知っているのですが、映像や物語もとても楽しく仕上がっているので、ゲームをご存知でない方でも問題なく楽しめますよ。
岩谷徹氏(以下、岩谷) 最初はセリフの多いシーンが続くのですが、それが後半の映画のストーリーを盛り上げるためのものになっているのがよかったです。起承転結がありますし、映像としても素晴らしい作品に仕上がっていました。ゲームファンだけでなく、ファミリー層にも楽しめるはずです。
西角友宏氏(以下、西角) 私は内容を知らずに映画を観たので、思っていた内容とまったく違っていて驚きました。
――自分の作ったキャラが映画の中で大暴れするのを観て、どう思われましたか。
西角 映画のインベーダーはとてもかわいかったです(笑)。少なくとも怖いものではかったですね。むしろ、私はパックマンが味方だと勘違いしていましたので、あの暴れっぷりは想定外でした。
岩谷 パックマンはかわいいというよりも怖い役ですよね。また、パックマンがニューヨーク市街の角を曲がるときに見事なドリフトを決めたのを観て、彼も35年経って成長したんだなと思いました(笑)。
この映画のパックマンは悪役のように登場するのですが、宇宙人に操られているという設定になっていたのもよかったです。“パックマンの無敵時間をうまく利用する”というゲームの設定に忠実なシーンもあって、生みの親としてうれしい気持ちでいっぱいになりました。
また、ギャラガが空に浮かんでいるシーンも格好よかったですね! ゲームのキャラが立体的になり、ドンっと画面に現れることに感動しました。
横山 正直に申し上げると、私はギャラガが単なる“蛾”であり、キャラというほどのものだとは思っていなかったんです。でも、こうして自分で作ったものが3Dで表現されたのは非常にうれしかったですね。
――最初にパックマンが映画に出演するという話を聞いたとき、どのような印象を持たれましたか。
岩谷 『ピクセル』制作のきっかけになった、パトリック・ジーンという方が作った映像があります。これを映画にするのだったらかなりおもしろいものができるという予感がありましたし、パックマンを使ってくださるのであれば、もう大歓迎という感じでした。
――岩谷さんは冒頭にカメオ出演をされているということですが、それはどのようなシーンなのでしょうか。
岩谷 実際は2秒くらいしか出演していないので、見逃してしまうかもしれませんね。私は、子どもたちがゲームセンターでゲームを探すというシーンで、『パックマン』のゲーム機を直す修理工として登場しています。わずかな出演ではありますが、ちゃんとナムコのエンブレムがついたつなぎのスーツを着ていますよ。
また、実際の撮影現場では、ありがたいことにたくさんのサインや記念撮影を求められました。身に余る思いでしたね。
なお、映画本編では私にそっくりな“プロフェッサーイワタニ”というキャラが活躍しています。日系俳優のデニス・アキヤマさんに見事に演じていただきましたので、そちらも楽しみにしてみてください。
――横山さんと西角さんは、『ピクセル』の次回作がありましたら、岩谷さんのように本人役で出演してみたいですか。
横山 私が出演したら映画を壊しちゃうんじゃないでしょうか(笑)。でも、オファーがあったら、ぜひ受けたいです。
西角 私もオファーがあったらやってみたいです。通行人の役で十分ですよ(笑)