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これが日本と欧米の壁か…海外絶賛の弾幕シューティング『オペレーションドラキュラ』レビュー

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今や、洋ゲーは日本を超えた。なんて誰が言ったのか。
欧米と日本の感性には大きな差があり、洋ゲーはやっぱりつまらない意味での洋ゲーになるのだ。
少なくとも、シューティングの世界では。
日本風の弾幕シューティング『オペレーションドラキュラ』は、それを教えてくれる。

海外で作られた日本系弾幕シューティングの代表作となるかもしれない」- Touch Arcade
今週のベストアプリ。ゲームセンターで遊んだ世代はこのゲームをやるべきだ」- Pocket Gamer

など、海外のサイトが軒並み高評価を下しているが、遊んでみてびっくり。
超劣化『怒首領蜂』じゃねぇか!

そもそも、「海外発の日本風弾幕シューティング」に対する期待は、オープニングその期待感は即座に吹っ飛ぶ。
ストーリーからして適当すぎる。
強大なドラキュラに対し、4カ国が同盟を結び、ドラキュラスピアを作って退治した過去から……。
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▲なんだか日本語の崩壊が始まってる。

ドラキュラスピアをもってくれば想像を絶する報酬が手に入る」というメッセージだけで仲間割れをし、人間たちは戦争を始める。
メッセージ1つで、疑いも何もなく戦争が始まる……この脱力感。
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そして本編に入ると、操作は移動に相対タッチ、オートショットを採用し、画面の見た目的にも日本的な弾幕シューティングのように見える。
開発者も「海外から日本のような弾幕シューティングを出したい」ということを語っていたが、正直上っ面しか学んでいない。
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上っ面とは、たとえばキャラクターデザイン。
雑魚キャラクターや中ボスのデザインは、ほぼ怒首領蜂。
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▲さすがに完コピではなく、少し形状が変わっているようだ

ボスは完全オリジナルのデザインだが、それがまたC級感を加速している。
『怒首領蜂』の精密なデザインを元にしたと思われる雑魚キャラに対して、ボスは突然に塗りがアニメっぽくなり、デザインもバタ臭くなる。
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▲自機とボスは致命的にださい

もう1つの劣化コピーは攻撃パターン。
姿は異なれど攻撃方法はどこかで見たパターン……の劣化コピー。
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それに加えて、ボスの耐久力がとても高く、ひたすら同じ攻撃パターンを避け続けるテンポの悪さも付加されている。

また、ゲームの作りもよろしくない。
日本(というか、ケイブ)の弾幕シューティングは画面中に弾があふれているが速度は遅く、プレイヤーを狙うというよりもただばらまかれる弾が多い。
そのため、見た目と裏腹に避けるのは比較的たやすく、「すっごい弾幕を避けたぞ!」という楽しさにつながっている。
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▲怒首領蜂代復活HDより。弾は多いが、プレイヤーを狙っている物は少ない

対して『オペレーションドラキュラ』の弾は早く、プレイヤーを直に狙ってくるので避けづらい。
その代わり、ライフ制を採用しているので避けられなくても多少生き延びられるし、短時間でチャージされるスペシャルショットやボムで弾を消して進むようにできている。
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▲スペシャルアタック。すぐたまるので何度も使える。

さらに言えば、ボスキャラクターなどは予兆なくレーザーを撃つなど「初見回避不能」の攻撃を持っており、「避けて楽しんでね」というおもてなしを全く感じない。
避けられなければ、避けないでもいいようにする……これでは、弾幕の意味がない。
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▲彩京シューより予備動作のないレーザー

これでも、海外では大絶賛。
同時に彼らは『怒首領蜂』も絶賛している。
つまり、欧米のゲーマーは『怒首領蜂』も、敵がやたら硬いシューティングも、同時に楽しめるのだろう。

洋ゲーはそれを望むプレイヤーがいて、それに向けて作られているのだ。
一方で、日本のプレイヤーはおそらく『オペレーションドラキュラ』を楽しめない。
そこに、日本と欧米のゲーム観の溝を感じる。
少なくとも、『オペレーションドラキュラ』を見る限り、そう思わざるを得ない。

このゲームは、その溝を実感できるという点で価値がある。
もし遊ぶなら、海外のレビューと自分の感想を比較して欲しい。よりカルチャーギャップを感じて楽しめるはずだ。

評価:2.0(良くはない)

おすすめポイント
欧米の人から見た間違った弾幕シューを楽しめる

気になるポイント
ゲームの演出や見た目が劣化怒首領蜂
弾幕を避ける楽しさがない

課金
なし

(バージョン1.0.1 ゲームキャストトシ)

アプリリンク:
オペレーションドラキュラ (itunes 720円 iPhone/iPad対応)

動画: