ドラゴンに乗り込み、大空を滑空して戦うVRシューティング『The Gunner of Dragoon』プレイレポート


かつてセガサターンにて、ドラゴンに乗り込み空を滑空して戦う3DCGシューティングゲーム『パンツァードラグーン』シリーズが高い評価を得ていた。初代の発売からおよそ20年がたった現在、そのゲームデザインをVRに落とし込み、なおかつドラゴンに乗る躍動感も追体験させるようにデザインされた作品がある。それが『The Gunner of Dragoon』だ。 今回はそのプレイレポートをお届けする。

「デジゲー博2016」ではVRの作品も多数出展されていたのだが、その中でもヘッドマウントディスプレイとモーションコントローラーを握りしめ、ロデオマシーンに乗り扇風機の風を浴びながら来場者が試遊しているブースは異彩を放っていた。『The Gunner of Dragoon』にてプレイヤーはドラゴンの背に乗り、大空を見渡しながら迫りくる敵を見つけ、銃で撃ち落としていく。今回はその手触りを確認することができた。

夕暮れの中、ドラゴンに乗り、風を切って激闘を繰り広げる筆者
夕暮れの中、ドラゴンに乗り、風を切って激闘を繰り広げる筆者

ロデオマシーンに乗り込み、右手にモーションコントローラーを握りしめ、左手でマシーンの手綱を持つ。ヘッドマウントディスプレイの中でそれらはドラゴンの背中に乗り込んでいることに変わり、目の前には夕暮れの大空が広がっていた。ロデオマシーンが動き出した時にはちょっとよろめいてしまったが、手綱を握りしめてバランスを取ることも含めてドラゴンに乗ることのVR体験だと感じた。周囲を見渡し、ドラゴンの様子や銃を確認していると、敵がどんどん集まってくる。慌てて引き金を引くが、敵は動き回ったりはしないため、銃弾は当てやすかった。

遊ぶ前には、ロデオマシーンでの揺れに加えて、周囲を見渡しながらのゲームプレイで予測されるVR酔いや、銃で敵を狙うのは意外に難しいのではないかという不安を抱いていたが、実際のゲームプレイではいずれも問題はなかった。制作者によるSlideShareでまとめられた本作のデザインによれば、VR酔いを起こさないようにする対策を十分に取り、「全然当たらないを減らす」 「連射すれば全て倒せる程度の(エネミーの)出現数 • 操作は銃の引き金を引くだけ」と誰でも楽しめるようにしたとのことで、今回の試遊ではそれが実践されていた。

筆者が『The Gunner off Dragoon』にて感じたのは、セガ繋がりで往年の『アフターバーナー』シリーズのような体感ゲームの手触りだった。ゲームプレイに合わせて大きく動き出す筐体の仕掛けにより、ゲームセンターにてひときわ注目を集めていた。「デジゲー博2016」の会場内でも体感に注力した本作は、VRという新しいメディアの可能性を開きながら、かつてのアーケードゲームの体験をもすくいあげているように思えた。