Steamのゲームが遊べる携帯型PC「SMACH Z」2019年内発売予定。今なら年内に入手できる(かもしれない)権利が10ドルで買える

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「SMACH Z」開発チームは6月20日、E3 2019出展の報告をまじえたアップデートを公開した。報告の中では、発売を控えている携帯ゲーム型PCである「SMACH Z」が2019年内に発売する予定があることを明かした。E3 2019では、動く実機が初出展され(昨年のTGSの出展はコールドモックだった)、5700人以上がさわったという。プリインストールされていた『DOOM』や『Fallout 4』『Rocket League』『Cuphead』『モンスターハンター:ワールド』が遊ばれたそうだ。『DOOM』については、トーナメントも開かれていたとのこと。

また、年内の発売にむけて、同ハードを年内に受け取れる(かもしれない)権利が10ドルで販売される。すでに公式サイトの予約販売では、10ドルのオプションが選択できる。厳密にいえば、「年内に受け取れる可能性のある人リスト」に入る権利を10ドルで買うことになる。10ドルを出してからといって、必ずしも2019年内に受け取れるわけではないようなので、注意してほしい。

「SMACH Z」は、PCゲームを遊ぶことを考慮して設計された、ポータブルPCだ。デフォルトのOSはカスタムされたLinuxであるが、アップグレードしてWindows 10を選択可能。PCとしてブラウジングを楽しんだり、YouTubeなどを視聴することも可能。スペックとしては、AMD Radeon Vega 8AMDを組み込んだSoC Ryzen Embedded V1605Bが搭載されている。解像度は1080pにまで対応。メモリやストレージは選択することができ、通常版は、RAM 4GB、ストレージは64GB、カメラなし。メモリは最大16GBのデュアルチャンネルにすることができ、SSDは256GBを選択可。バッテリー容量は4 cells of 3200mAhで、45分の充電で、2時間から7時間のゲームプレイが楽しめるとのこと。最小構成で、価格は699ドルスタート。

ハードウェアとしては、タッチパネルの搭載された6インチのモニタの両脇には、タッチパッドが用意されており、このタッチパッドはボタンや3Dスティックに付け替えることが可能。下部にはスティックおよびボタンが配置。端子はUSB-C、USB-A、Micro USB、ディスプレイポート、SDカード、オーディオミニジャックを完備。SDカードは2TBまで対応し、ネットワークはIEEE 802.11nおよびBluetooth 4.0を備えている。

これらの一部スペックは、購入時にオプション料金を支払うことでアップグレードできる。なお、冷却によるファンの音については、“Nintendo Switch”程度になるという。パワーを要求するゲームを遊んでいる時で最大30db前後であり、基本的には比較的静かなものになるようだ。そのほか、PCゲームのクライアント(Steam/GOG/Originなど)にはいずれも対応し、自分でマザーボードやグラフィックボードといったパーツを換装しアップグレードしていけることも、販売側はひとつの特徴として押し出している。

今年のE3 2019においては、初のホットモックが展示されていたということで、メディアやインフルエンサーらがその動作を確かめているので、それらをまとめたい。YouTuberであるRikukey2氏は、同デバイスで『モンスターハンター:ワールド』を遊ぶ姿を撮影。セッティングは不明であるが、480p~720pで、15fpsで動作とした報告している。「SMACH Z」の広報担当者は同作は1080pで60fpsで動くとコメントしたことから、やや食い違いがある状態のようだ。

またメディアTom’s Hardwareは、『Rocket League』が50fps程度で動作したと報告。2016年の『DOOM』は30fpsを超える程度で安定して動いていたそうだ。『モンスターハンター:ワールド』については、Rikukey2氏と同様に15fps前後であったとコメントされている。開発チームの発表では、『ダークソウル3』をミディアム/720p設定で30fpsにて動作、『GTA V』『ウィッチャー3 ワイルドハント』も同様にノーマルセッティング/720pにて30fps。『ロケットリーグ』はハイセッティング/1080pを30fps以上で動作させることができ、『オーバーウォッチ』はローセッティングにすれば60fpsで動かすことが可能であると謳っている。このへんは、実際に動かしてみてから、信じた方がいいかもしれない。

昨年の弊誌のインタビューでは、2019年第1四半期に大量生産を開始すると明かしていた「SMACH Z」。“動く実機”が展示されたことで、いよいよ発売に近づいていることを予感させる。第1四半期の大量製造についてはもはや言及されておらず、冒頭に述べた年内に手に入る権利(確約なし)を販売するなど、スケジュールや経済面で苦しんでいることをうかがわせているが、無事にバッカーや予約者のもとへ製品が届くことを願いたい。

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