「撃つ」より「避ける」を快感に変えた、90年代「彩京シューティング」の世界
1990年代に数々の名作シューティングゲームをリリースして活躍した「彩京」の作品をまとめて収録したパッケージソフトが2019年7月25日、ニンテンドースイッチ向けに発売されます。多くのゲーマーに愛好された「彩京シューティング」の魅力を解説します。
『戦国エース』 個性的なキャラが魅力かと思いきや…
1990年代を中心に、アーケード用シューティングゲームの人気作を次々と世に送り出したメーカー「彩京」のゲームを6作品収録した、ニンテンドースイッチ向けパッケージソフト『彩京 SHOOTING LIBRARY Vol.1』が2019年7月25日から発売されます。
『Vol.1』には、彩京シューティングゲームの代表作といわれる『ストライカーズ1945』シリーズを中心に収録。『Vol.2』の発売も8月29日に決定していて、彩京のデビュー作『戦国エース』と一連のシリーズを中心に収録しています。
シューティングゲームといえば、現在では3D視点のガンシューティングゲームが思い浮かぶ方も多いと思いますが、1990年代のゲームセンターでは、2D画面上で自機を操作して敵を撃ち落としていく筐体ゲームが「シューティングゲーム」と呼ばれていました。そんな時代、彩京のシューティングゲームはどのようにしてゲーマーたちの心をつかんだのでしょうか。
彩京がリリースした第1作は『戦国エース』(1993年)。プレイ開始時に選択するパイロットたちが「くノ一」「坊主」「巫女」「天才犬」と個性的な面々で、当時としてはクオリティの高いイラストで描かれていました。
プレイヤーの分身に強いキャラクター性があり、愛着をもってプレイできるシューティングゲームというのは、当時としてはまだまだ珍しい存在でした(この点は、当時大ブームとなっていた格闘ゲームの影響があったのかも知れません)。
ところが、実際にプレイしてみると、敵が撃ってくる弾が思いのほか速く、簡単には先に進めないという「硬派なシューティングゲーム」の側面が見えてきます。実はこの「硬派」な側面こそが、彩京作品がファンの心をつかんでいくことになるのです。