エムツーは2019年9月7日、ゲームショップBEEPとの共同主査による試遊イベント“M2ShotTriggers x BEEP 大試遊祭”を、秋葉原・廣瀬本社ビル5Fイベントスペースにて開催した。2019年12月19日に発売予定の『エスプレイドΨ』や、復刻発売されたX68000版『コットン』の試遊に加えて、両社が関わるコンテンツのトークショーが行われ、大いに盛り上がったその模様をリポートしよう。

『エスプレイドΨ』、『アレスタブランチ』、『コットン リブート!』の最新情報でシューティングファンが熱く燃えた。“M2ShotTriggers x BEEP 大試遊祭”をリポート_01
トークショーのメイン進行をエムツー久保田和樹氏(左)と同代表の堀井直樹氏。ゲーマー心理のツボをついた軽妙なトークで来場者を楽しませた。

 開場前から行列を作っていた熱心なシューティングゲームファンがいの一番で向かったのは、やはり『エスプレイドΨ』の試遊機。この試遊イベントで初公開となったスーパーイージーモードでのプレイを存分に楽しんでいた。

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試遊機はPS4版とNintendo Switch版が2台ずつ。新ボイスなどの追加がほどこされたバージョンとなっていた。

 秋葉原にその店ありと名を轟かせるレトロゲーム専門店・BEEP。同社が復刻を手掛けたX68000版『コットン』の試遊機も用意され、難易度調整などの追加要素にて生まれ変わったバージョンをプレイする人が列をなしていた。

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当然ながら試遊に使われたのはX68000の実機。30年近くも前に発売されたとは思えないようなグッドコンディションにオドロキ。

 9月19日に発売を控えるセガの新ハード“メガドライブミニ”の試遊機も2台用意され、すべてのタイトルを自由にプレイすることができた。イベントの性質がらか、『ダライアス』をプレイする人が多かったような!?

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エムツーがソフトウエア開発を手掛けたメガドライブミニ。発売にひと足先駆けてプレイできるとあって、試遊の列が途切れることはなった。

 イベントのもうひとつの目玉は、ステージで行われたトークショーの数々。開催時間の間ほぼ休憩なしで行われ、濃密なエピソードが多数飛びた出したその模様をダイジェストでお届けする。

『エスプレイドΨ』、『アレスタブランチ』続報発表

 エムツーが手掛けるシューティングゲーム復刻プロジェクト“M2ShotTriggers”。多数のタイトルが鋭意製作中とされる中から、現在公開されている『エスプレイドΨ』と『アレスタブランチ』の最新情報が明かされていった。

 まず『エスプレイドΨ』では、既報にあるように、第4のEPS者が公開となると、ステージ前をギッシリと埋め尽くした来場者からは「おおっ!」というどよめきが。「きっと井上先生の脳内には地球シミュレーターばりの世界が構築されていて、そこから導き出されている」(堀井氏)というコメントからは、設定の緻密さがうかがえる。

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 アレンジBGMモード“Drive Waves 2019”の存在も公開された。豪華コンポーザー陣がアレンジを手掛け、12月にはそれらを収録したサウンドトラックCDも発売になるとのこと。また、トーク終盤では、さらなる新要素の存在も匂わされていただけに、今後の新情報がますます楽しみだ。

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 約1年前のイベントで公開となった『アレスタブランチ』の最新情報もディレクターを務めるエムツー冬野灰馬氏より明かされていった。ゲームのキモであるコンセプトはズバリ“群がる敵をなぎ倒す、一騎当千の縦スクロールシューティングゲーム”。

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 “アレスタらしさ”とはなんぞやと開発メンバーで討論をしたものの、タイトルごとに異なるテイストに結論は出ず。むしろそこで吹っ切れて「我々の思うアレスタを作るしかない」となったのだと冬野氏は語った。

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 ほかにも、「ブランチとは“分岐”の意味。本家コンパイル製をリスペクトしつつエムツーが作る『アレスタ』である。ステージ分岐もあるかも」「家庭用シューティングとしてじっくり楽しめるよう難しくはしない。スーパーイージーモードをプレイしている人が喜んでもらえる難易度」といったことが語られていった。

 そして、『アレスタ』シリーズで特徴的な、武器システムについてもちょい見せが!

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 自機であるアレスタドラグーンは、数字パネルを取ることでさまざまな武装へとパワーアップを果たすが、パネルごとにそのデザインは大幅に変化。それぞれがまるで別の機体になるかのようなデザインが披露されるたびに、来場者はオドロキの声を上げていた。

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CGデザイナーでもある冬野氏によってモデリングされたパワーアップ武器の数々。これら以外にも多数のナンバーウエポンが登場するという。

 さらに、ゲストとして『アレスタブランチ』の楽曲を手掛ける竹内啓史氏を加えてサウンド面についてのトークも。『アレスタ2』や『スーパーアレスタ』、『ガンヘッド』といったコンパイルシューティングの楽曲を数多く手掛けて来たレジェンドである竹内氏は、「自分が考える“かっこいい”を詰め込みたい」と今回の楽曲制作への豊富をコメント。すでに数曲ができあがっているというBGMから披露された1曲は、懐かしのフレーズもありつつ現代風にブラッシュアップされた“かっこいい”ものとなっていた。

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『アレスタブランチ』のディレクター冬野灰馬氏(右)とサウンドコンポーザーの竹内啓史氏。

X68000版コットン復刻への道

 X68000版『コットン』、そして最新家庭用/PCゲームとして生まれ変わる『コットン リブート!』のトークショーには、BEEPプロデューサーのRF丸山氏、ディレクターの近藤勇氏、声優の宮木南美さんが登場。苦労の連続となった復刻まで道のりや、現在開発中の最新作についてまでのエピソードが語られていった。

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BEEPプロデューサーRF丸山氏(左)、ディレクターの近藤勇氏(中)、声優の宮木南美さん。

 今冬発売を目指しているという『コットン リブート!』に収録される“アレンジモード”は、グラフィックやBGMなどが一新されるが、8人いるというBGMのアレンジ担当として、川田宏行氏と細江慎治氏の名前が明らかに。なお、間もなく開催されるTGS2019のBEEPブースにてアレンジモードが試遊可能とのことなので、気になる人は足を運ぼう。

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先だって開催されたオーディションで令和のコットン役に選ばれた宮木南美さん。トークショーでは「いっくぽーん!」とキメ台詞を披露してくれた。

RCベルグによる“ナイトストライカーポスターver.”及び“アレスタドラグーン”紹介

 ゲームキャラクターを得意とするガレージキットメーカーRCベルグが制作しているキットについての裏話が語られたこのコーナー。企画開発を受け持つ望月卓氏が、もともと冬野氏が描くシューティングゲームのイラストのファンであったことが縁で実現したというアレスタドラグーンの立体化企画。しかし、パワーアップで機首部分に大きな武器がつくという仕様は聞かされていなかったそうで、「全部を立体化するのは無理なのでARとかで……」との代替案がなされたが、それはそれでおもしろそうだ。

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会場で展示されていたアレスタドラグーンの原型。原型師Sparrow S.A.氏のアレンジにより、ゲーム中のモデルよりもシャープさを増している。
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RCベルグが手掛けた『ナイトストライカー』の自機インターグレイ(ポスターにあわせた黒バージョン)も展示。ロボットに変形する驚愕の機構!

ダライアス コズミックコレクション アップデート速報・メガドライブミニ版ダライアス秘話 ~俺たちとダライアス~

 タイトーの外山雄一氏、セガゲームスの奥成洋輔氏をゲストに迎えてくり広げられたのが、ともにエムツーが開発を手掛けた『ダライアス』2作品についてのトークショー。

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タイトーの外山雄一氏(右)、セガゲームスの奥成洋輔氏(左)がゲストに加わり、これまで以上の濃密トークがくり広げられた。

 9月に実施される『ダライアス コズミックコレクション』のアップデートについては、ユーザーが一番気になるであろう『ダライアス外伝』の再現度アップについて時間を取って説明。堀井氏は、オリジナルが動作しているF3ボードの複雑さから想定していた再現度にまで達しなかったことを謝罪した上で、「同じプログラムコードがまったくないほど作り直した。再現度はいまできるベスト」と説明。リベンジにかける執念を感じさせた。ほかにもHD振動への対応など多数の点が改良されている(詳細はスライド参照)。

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 続いてはメガドライブミニに収録されるメガドライブ版の『ダライアス』について。当時存在しなかったメガドライブ版が収録されることになったきっかけが、Hidecade氏によって開発されたファンメイド版の存在であること。そして、それをベースにしてエムツーがブラッシュアップしたバージョンがメガドライブミニに収録されていることを奥成氏は説明。そして、権利許諾や移植度のチェック体制など、セガゲームスとタイトーの深い協力関係があってこそ実現した企画であることを改めて明らかにした。

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メガドライブミニ発売直前・スペシャルトークショー ~収録シューティングタイトルを振り返る~

 この日最後のプログラムは、発売直前となったメガドライブミニに収録されているシューティングゲームについて語るというものとなった。

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 気になる発言をピックアップしてみると「『武者アレスタ』のオープニングは中裕司氏が作った圧縮ツールのおかげで収録することができた」(外山氏)、「東亜プラン作品は『ゼロウイング』や『ヘルファイヤー』も候補にあったが、メガドライブでしか遊べないタイトルということで『スラップファイト』に」(奥成氏)、「『スペースハリアーII』はなぜこうした!? という技術的な箇所がいくつかあるが、それはハード開発時における仕様変更に振り回されたのではないか」(堀井氏)など、興味深いもの深い知識や経験を持っている賢人ならではの興味深いモノばかり。濃密トークの中には聞けばあっと驚くサプライズ発言も多数あったが、それは会場に来た人だけのお楽しみということでご了承いただきたい。

 シューティングゲームファンにとっては至福の時間となった本イベント。シメの挨拶を行った堀井氏は「『エスプレイドΨ』の発売までにもう一度イベントをやりたい。その時はまた新作発表をしたいよね!」と、またもやオドロキの発言。無事に次回イベントが行われるかどうかを含めて、期待すべし!

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