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東京ゲームショウ2019にシャープの名機「X68000」が再び降臨

今回は、アーケード筐体にX68000 Inside!?

9月13日 収録

 秋葉原に店舗を構える三月うさぎの森のゲーム販売部門「BEEP(ビープ)」とロケットエンジンは、東京ゲームショウ2019において、家庭用ゲーム機用のゲームソフトを販売するパブリッシング事業タイトルの第1弾タイトルとなる「コットン リブート!」の、X68000版とNintendo Switch版のプレイアブル展示を行なった。

左がプロデューサーで広報の丸山氏、右がディレクターの近藤氏

 「コットン」は、空飛ぶほうきに乗った女の子「ナタ・デ・コットン」が主人公のシューティングゲーム。敵を倒したときに落とすクリスタルを回収し経験値を溜めることで、攻撃力がアップしていく。通常ショットだけでなく、溜め撃ちで強力な魔法を放つことなどもできるといった戦略性や、ユニークなストーリーと可愛らしいキャラクターなどが高評価を得たタイトルだ。アーケード版として「コットン2」、「コットンブーメラン」などのシリーズ作品がリリースされたほか、家庭用ゲーム機版なども発売されている。

 今回出展されているNintendo Switch版「コットン リブート!」はX68000版「コットン」だけでなく、それをベースとしつつ最新ハード向けにゲームの面白さはそのままに、時代に合わせ遊びやすくしたアレンジモードも収録した。

 今回、X68000版に関しては、ブース内に持ち込んだ筐体でのプレイ環境を提供していた。果たして、その狙いはどこにあるのだろうか? 本作のディレクターであるロケットエンジンの近藤氏と、プロデューサーで広報を務めるBEEPの丸山氏に、出展の狙いや今後の展開などを含めて話を伺った。

「コットン リブート!」のNintendo Switch版が、1ステージだけではあるがプレイ可能となっている。スコア表示や経験値の部分などが、高解像度化されているのがわかるだろう

――BEEPさんとしては初のゲームショウ出展であり、ロケットエンジンさんとしては昨年に引き続いてのX68000シリーズ実機持ち込みとなるわけですが、今年は2社合同でのブースです。これはどうしてでしょうか?

丸山氏:一緒にゲームを作りたいと言ったのがきっかけですよね。

近藤氏:そうですね。2社でやれば、絶対に面白いことが出来るよねと。大きな事、面白いことをしたいなと。そういうところで互いの目的が一致したので、その流れからの合同ブースとなりました。

丸山氏:これまでは、BEEPとしてレトロ関連の商売をしていましたが、ゲームを作る側にもなりたい、という思いもありましたので。

――今回の展示物は「コットン リブート!」ですが、ロケットエンジンさんとしては昨年に引き続きX68000タイトルということになります。なぜ今、X68000なんでしょうか?

近藤氏:X68000は現行機種としても全然問題無いハードだと思っていますので、出すのは当然なのかな?という気持ちでやっている感じです。BEEPさんでもX68000は普通に売っていますし。今でもハードが手に入るので、これならいけるだろうと実際に思っています。

――今回は実機だけではなく、アーケード筐体を持ち込んでいます。これはなぜでしょう?

近藤氏:これこそまさに、BEEPさんの真骨頂です。BEEPさんが出展するのであれば、X68000も筐体につないで動かすのは当然の流れですよね(笑)。

――この筐体は、どこから搬入したのでしょう?

丸山氏:筐体はトラックを使い、羽生本社から運び入れました。何かトラブルがあってもすぐに交換できるよう、現時点で羽生の本社に筐体をもう1台キープしてあります。ちなみにX68000も、この四日間のためにX68000 XVIを2台、X68000 Compactを2台の都合4台をオーバーホールして用意しました。

――ということは、ブースに設置してある“あの”筐体の中には、X68000が?

丸山氏:はい。X68000 XVIが入っています。

筐体の全体像と、その中に設置されたX68000 XVI。コントロールパネル部分の裏にはX68000 XVIのジョイスティック端子からの配線を接続している。これを見た近藤氏は「これを売りだしましょう!」と大絶賛

――今年8月にX68000版が発売されましたが、それ以外の機種などで遊ぶことはできるのでしょうか?

近藤氏:Nintendo Switch版とPlayStation 4版の製作が進んでいるほか、PCでも遊べるようSteam対応しようということも考えています。こちらは、X68000版とアレンジ版の、豪華2本立てとなります。

――楽曲はオリジナル版だけで無くアレンジ版も入ったりするのでしょうか?

近藤氏:はい。BEEPさんのサイトにも出ていますが、もの凄い豪華なメンバーが参加しています。きっと、誰もが聞いてみたかった「コットン」になっているのではないかと思います。声に関してですが、声優さんもオーディションで厳正なる選考をさせて頂き、素晴らしい声優さんをキャスティングしています。それを踏まえ、Nintendo Switch版とPlayStation 4版は全編フルボイスで進行する予定となっています。

これまでアーケードゲームをプレイしていたことがある人なら、一度は聞いたことがある作曲者の名前がずらりと掲載されている。まさに圧巻

――「コットン」は、シューティングゲームとしては難易度が少々高めと聞きますが、Nintendo Switch版やPlayStation 4版はどうなるのでしょうか?

近藤氏:基本的には遊びやすくするように考えています。「コットン」は、今プレイしても難しいと自分は思っているので、シューティングゲームをあまり遊んだことのない方でも楽しめるように作っていますし、逆にそうしないとダメだと考えています。なので、楽しませ方などを現代風に再構築して製作を進めています。

――ブースでは、Nintendo Switch版の1面がプレイ出来るバージョンが動いていますが、これを見ると発売は近そうな感じがします。

近藤氏:今冬発売に向けて、現在鋭意開発中です。みんなで頑張っていますので、もうしばしお待ちください。

――今回の「コットン リブート!」は第1弾と謳っていますが、本作以降の展開も気になるところです。

丸山氏:今、各方面と水面下で交渉中です。「コットン」が終わりましたら第2弾の発表ができると思うので、ご期待ください。決まり次第、みなさんにお伝えしたいと思っています。

――今後も、数多くのソフトを発売していくと言うことですね。

丸山氏:はい。今回はX68000用、ジャンルとしてはレトロパソコン用でしたけれど、それに囚われずにアーケードや昔の家庭用、もちろんメインはBEEPが得意とするレトロパソコン、それらソフトの権利を持ってらっしゃる会社さんと交渉を重ねていき、現代でも遊びたいと思うタイトルを発表できたらなと思っています。BEEPはレトロパソコンにただならぬ情熱がございますので、昔パソコンで遊んだよ、昔パソコン持ってたよ、という人にも注目してもらえればと思います。

――今後とも、ロケットエンジンさんとのタッグは続くのでしょうか?

丸山氏:続けたいと思っていますが、まずは「コットン リブート!」を良いものとして大至急お客様に届けて、そこから更にホップ・ステップ・ジャンプしたいと思っています。

――今日はありがとうございました。

ナレーション役の相川なつさん(左)とベルベット女王役の姫野つばささん(右)に囲まれ、ご満悦なお2人