「PCエンジン mini」 試遊レポ:懐かしのタイトルを体験、操作感も遜色ない出来に

連射機能がサポートされていないのは寂しいところ

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2020年3月19日に発売予定となっているPCエンジン mini。当時遊んだ人たちにとって、そしてこれから遊ぶ人たちにとっても数多くの名作を体験できるチャンスとして、本機の発売決定は非常にうれしいニュースだった。このたび東京ゲームショウ2019のKONAMIブースにて本機の試遊出展が行われていたので、さっそくレポートしていきたい。

 

PCエンジンはHuカード、CD-ROM2、SUPER CD-ROM2などさまざまなソフト媒体で発売されたが、本機では国内外にて発売されたものの中から厳選された58タイトルが収録されている。収録タイトル一覧は公式サイトを参照してほしい。

今回私がプレイしたのは以下の5本だ。

  1. 『ドラゴンスピリット』
  2. 『スプラッターハウス』
  3. 『銀河婦警伝説サファイア』
  4. 『J.J. & JEFF』(海外版『カトちゃんケンちゃん』)
  5. 『Ys Book I&II』(海外版『イース I&II』)

それぞれ短いプレイ時間ではあったものの、PCエンジン miniの魅力を体験するには申し分ないタイトルになっている。

再現度は素晴らしく操作感も上々だが、連射機能がないのは痛い

 

まずはシューティング枠として『ドラゴンスピリット』と『銀河婦警伝説サファイア』をプレイ。

『ドラゴンスピリット』は私が思い入れのあるタイトルのひとつ。聖剣の力によりブルードラゴンとなった主人公が、囚われた王女を救うために迫りくる敵を倒しながら進んでいく、ファンタジーな世界観での縦画面シューティングとなっている。ステージが一部オミット、演出面などアーケード版との違いはあるが、難易度としてはこちらのPCエンジン版のほうがやさしめな印象だ。

 

『銀河婦警伝説サファイア』は現状入手が非常に困難とされているタイトルだったので、これを機に実際どんなゲームだったのかを遊んでみたいという欲が出てしまった。
こちらも『ドラゴンスピリット』と同じく縦画面シューティングだが、今作の特徴はアーケードカードを利用した処理能力による3DポリゴンCGがゲーム随所に使われていることだろう。加えて緻密なドットの描き込みと演出の良さ、敵機を撃ち落とす爽快感に思わず仕事を忘れて熱中してしまう。敵の攻撃や障害物をかいくぐるという精密な動きを要求されるシューティングゲームということで、コントローラの操作感を気にしながらプレイした。この2タイトルでは自機が思ったところに動き、止まってくれる。『ドラゴンスピリット』にいたっては自機判定が大きめな分、より動きに気を使わなくてはならないが、難なく動かせ快適だった。

唯一残念なのは、本体付属のコントローラに連射機能が付いていない点。シューティングやアクションのようにボタン連打が必要になるタイトルでは、想像以上に指が疲れてしまう。別売りのコントローラで連射機能は対応可能だが、どうせならデフォルトで付けてほしかったというのが本音だ。

 


次にアクション枠として『スプラッターハウス』と『J.J. & JEFF』をプレイした。

『スプラッターハウス』はPCエンジン版はもちろん、バーチャルコンソールでのアーケード版も遊び倒すほど大好きなタイトルだ。主人公リックが、怪物たちに連れ去られてしまった恋人ジェニファーを取り戻すため、超人的能力を授けるヘルマスクをかぶり戦っていくという内容。タイトルの通り、ホラー・スプラッター描写が多く、人によっては苦手に思う人もいるだろう。しかし、アクションゲームとしての出来は申し分なく名作と挙げる声も多い。

アクションにおいても操作感覚に問題はなく、敵がこちらに飛んでくるのに合わせて木材を振るったり、コマンド入力に少しコツのいるスライディングも難なく出せたりと、思いどおりにリックを動かすことができた。

 


『J.J. & JEFF』は日本版では『カトちゃんケンちゃん』のタイトルで販売されていたものを、キャラクターや演出などを海外向けに変更したものだ。グラフィックやセリフも変更されていて、違いを探っていくのもおもしろい。

ゲーム内容としては横スクロールアクションゲームで、その独特な挙動に最初は戸惑ってしまうかもしれない。選択したキャラクターにより性能の違いはあるものの、キック攻撃の判定の小ささ、移動の滑り具合、ジャンプの制御など、慣れるまで時間がかかる。

全体的にコミカルに描かれたキャラクターたち、そして演出はもともとの『カトちゃんケンちゃん』になぞらえたものだろう。見た目に反して高難易度ながらも、リトライを重ねることでしっかりとパターンや攻略法がわかってくるので、PCエンジン miniを手に入れたらぜひ挑戦してみてほしい。

CD-ROM2タイトルのロード時間短縮に期待できそう

 

最後に私が実際に所有しているCD-ROM2タイトルとして、(海外版ではあるが)『Y’s Book I&II』を選んだ。主人公アドルの冒険活劇を描いたアクションRPGで、今なお新作が発売されている長寿シリーズだ。PCエンジン版では初代Iと次作IIをまとめたパッケージとなっており、原作PC88版よりも遊びやすく、演出やストーリー面などにも変更が加えられている。

OPから占い師であるサラの家に到着するまでプレイしたが、自分で操作が可能になる箇所までに試遊時間が足りなかったのは悔しいところ。ゲームが始まるまで、OPが流れたあとなどいくつかはさまるロード時間は実機のものよりも確実に早くなっていたので、実機で遊んでいたころ、読み込み時間に悩んでいたタイトルも快適にプレイできそうだ。

ゲームタイトル・メニュー周り・本体はしっかり作り込まれており、すでに発売日が待ち遠しい

 


もちろん、どこでもセーブ・ロード機能も搭載されていて、タイトルごとに4つのセーブデータが作成できる。ボス戦のパターンを研究するとき、RPGで長めのダンジョンに入ってしまったとき、好きなイベントシーンをいつでも見られるようにしたいときなど、ユーザーによってさまざまな願いを叶えてくれる便利機能だ。

なお、PCエンジン miniの本体サイズはもとよりもほんの少しコンパクトになっている。また日本版、北米版、欧州版によって本体デザイン・付属コントローラの機能が変わり、収録タイトルも一部変更されている。


全体の所感として、今回選んだタイトルにおけるゲームプレイや操作感は実機と比べても遜色がない出来となっており、画質・音質ともに非常に綺麗だ。補助機能としてのセーブ・ロード機能やメニュー画面・ゲーム起動時の小ネタまわりなど、PCエンジンユーザーなら思わず「おお!」とうれしくなってしまうものばかり。一部ゲームタイトルでは、本体システム・バージョンの違いによる起動エラー画面まで収録されているとは恐れ入る。

発売までまだ時間はあるが、いますぐにでも手元に置いておきたいくらい、本機の体験は素晴らしかった。懐かしさを感じるタイトルもあれば、「この時代にこんなグラフィックで遊べたのか!」といったタイトルもある。今までPCエンジンを遊んできたユーザーにも、これからPCエンジンを遊ぶユーザーにもおすすめのタイトルチョイスとなっているので、今後の続報もぜひチェックしていこう。

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PCエンジン mini

2020年3月19日
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