2019年11月27日にセガゲームスから配信予定のPS4用ソフト「電脳戦機バーチャロン マスターピース 1995~2001」の製品版を一足先にプレイ。そのインプレッション記事を、20年来のバーチャロンプレイヤーでもあるライター茶谷葉(プレイヤーネーム:チャバネ)がお届けします。
目次
かつてゲームセンターを大いに沸かせ、現在も熱の続いている名作
「電脳戦機バーチャロン」シリーズは、第1作目が1995年にリリースされた対戦型3Dロボットアクションゲームです。ツインスティックを使用した直感的な操作性、広い3D空間を自由に動き回る爽快感、カトキハジメ氏による秀逸な機体デザインなどで大きな反響を呼びました。
SEも素晴らしく、ゲームセンターに入った瞬間に聞こえてくる「キュイイイイーン」という独特のダッシュ音に、心を踊らされた人も多いのではないでしょうか。当時行われた都内のゲームセンターの大会では300人近くも出場して、店舗の中にプレイヤーが入りきらないほどの盛況ぶりでした。
近年でも電撃文庫「とある魔術の禁書目録」とのコラボレーションタイトル「電脳戦機バーチャロン×とある魔術の禁書目録 とある魔術の電脳戦機」が発売されたほか、タニタの「TANITA ツインスティック・プロジェクト」によるクラウドファンディングが、約3500名から合計1億3000万円以上もの支援を受けて大成功、PS4用ツインスティックの制作が決定。プレイヤー主催による大会もたびたび行われているなど、根強い支持を受け続けているゲームです。
異なる魅力を持つ3タイトルがまとめて収録された、お買い得のゲーム!
今回発売される「電脳戦機バーチャロン マスターピース 1995~2001」では、バーチャロンシリーズの過去3タイトル「電脳戦機バーチャロン」「電脳戦機バーチャロン オラトリオ・タングラム ver.5.66」「電脳戦機バーチャロン フォース」が、1本にまとめて収録されています。
プレイしてみて最初に感じたのは、その再現度の高さ! 3D仮想空間を自由に走り回る爽快感も、耳に心地よい独特のダッシュ音も、スピード感溢れる撃ち合いも、ゲームセンターで慣れ親しんだバーチャロンそのもの! 動かしているだけでも楽しいゲームに仕上がっていると感じました。
シリーズ第一作目である「電脳戦機バーチャロン」。立体的な動きができるゲームだからこその戦術の幅広さや、独特のエフェクトやSEによる臨場感は、マスターピースでも色褪せていません。かつてゲームセンターで味わった、個性豊かなバーチャロイドたちによる熱い戦いが、PS4で蘇っています。
「電脳戦機バーチャロン オラトリオ・タングラム ver.5.66」では、シリーズ随一といえるスピード感を完全再現。ダッシュ方向を途中で変えるバーティカルターンと、空中ダッシュを組み合わせた高速戦闘は、まばたきをする暇すらありません! 緊迫感に満ちた、手に汗握る戦闘を堪能できます。
「電脳戦機バーチャロン フォース」はなんといっても、2on2による協力プレイが醍醐味! 仲間に体力を分け与えるレスキューダッシュなどもしっかり再現されており、マスターピースでもチームワークが勝利の鍵となることでしょう。
百聞は一見にしかずということで、プレイ動画も準備いたしました。バーチャロンのプレイ経験のある方は、長い年月を経てPS4で蘇った、懐かしの戦いをご覧ください。初めてバーチャロンを観る方もこの機会に、スタイリッシュなバーチャロイドたちが織りなす、自由で疾走感に満ちた高速戦闘をぜひご確認ください。
自由度の高いゲームだからこその、奥深い対人戦
またバーチャロンの大きな楽しみといえば、やはり対人戦が挙げられます。広々とした3D仮想空間を自由に動き回れるからこその戦術の幅広さは、まさにバーチャロンならでは。
ステージの角に敵を追い詰めていく立ち回り、敵の起き上がりに張り付いて一気に畳みかける猛ラッシュ、障害物とボムの爆風を利用しての手堅い守り、前ダッシュの速さを利用したなりふり構わない通称『前ダッシュ逃げ』など、戦い方の選択肢は多岐多様に渡ります。
振り返らない生き方「前ダッシュ逃げ」 |
まさに暴力、電磁ネットからのダッシュ近接 |
巨大な宇宙船が特徴の名物ステージ「SPACE DOCK」。 ステージだけで一喜一憂できるのも、バーチャロンの楽しさの一つ。 |
より対戦を楽しみやすくする、嬉しい追加機能
マスターピースのオンライン対戦では、通常のランキングマッチのほかに、ルーム内でトーナメント戦を行える「ミニ トーナメント」や、リーグ戦が楽しめる「リーグバトル」、チーム戦ができる「チームバトル」などが準備されています。特にトーナメントは、ユーザー大会の開催もスムーズに行いやすくなる、コアなファン層にとって非常に嬉しい追加機能です。
ボタン設定の変更も可能です。使用する機体や自分自身の好みに合わせて、最適な操作環境を設定してプレイすることができます。
マスターピースに収録されている「電脳戦機バーチャロン オラトリオ・タングラム ver.5.66」では、機体のカラーをカスタマイズすることができます。格好いいバーチャロイドを目指すもよし、ネタに走るのもよし、自分のセンスと趣味を存分に発揮できます。
また本作は、タニタによるクラウドファンディングプロジェクトで制作されたバーチャロン専用コントローラー「VCD-18-c 18式コントロールデバイス『ツインスティック』」にも対応しています。懐かしのツインスティックを使って、直感的な操作性で遊ぶことができます。
“人”もバーチャロンの魅力!
さて、ここまで「電脳戦機バーチャロン マスターピース 1995~2001」、ならびに「電脳戦機バーチャロン」シリーズについて書かせて頂きました。ですが筆者としてはゲームそのもの以外の部分でも、今回の配信には大きな魅力があると考えています。
それは“人”です。
シリーズ第1作の発売から約24年が経った現在でも、バーチャロンというゲームを遊び続けている古参プレイヤー。さまざまな事情で今はバーチャロンから離れているものの、かつてやり込んでいた旧プレイヤー。バーチャロンを遊んだ経験はないものの、この機会に参戦しようと考えている新規プレイヤー。
色んな層のプレイヤーが、「電脳戦機バーチャロン マスターピース 1995~2001」のリリースによって、仮想空間の戦場に集まると予想されます。ツインスティックのクラウドファンディングの成功からも分かるように、バーチャロンシリーズのファン層は非常に“熱い”プレイヤーたちが多いので、今回もユーザー主催の大会や実況配信プレイなど、さまざまな試みが行われるでしょう。
大勢のプレイヤーが集った熱気に満ちた環境で、本気で対戦に取り組むのも良し。まったりとCPU戦を楽しみながら、他の人のプレイ動画を観たり、オンライン大会の配信を観るのも良し。たくさんの人が集まったからこその楽しさ、盛り上がりを「電脳戦機バーチャロン マスターピース 1995~2001」では堪能できるはずです。
筆者としても、「TANITA ツインスティック・プロジェクト」に2口出資しているなど、準備はすでに万端です。以前からのバーチャロンプレイヤーの皆さんも、まだプレイしたことない人も、この機会にぜひ遊んでみてはいかがでしょうか。