グッドデザイン賞を受賞しつつも、悲運なハード

 いまから22年前の1998年(平成10年)10月28日は、ネオジオポケットが発売された日。

 ネオジオポケットは、SNKから発売された携帯型ゲーム機。液晶ディスプレイはモノクロ画面で8階調の濃淡で表現することができる。SNKと言えば格闘ゲームだからなのか、十字キーの代わりにジョイスティックを採用。携帯型ゲーム機ながらかなりの操作性を誇っていたのが大きな特徴。とくに回転系の入力などはお手の物で、当時の携帯型ゲーム機でかなうものはなかっただろう。

 このジョイスティックは動かすとカチカチと音が鳴るのだが、それがアーケードマシンのジョイスティックと感覚がよく似ていて非常に気持ちがよかった。筆者は意味もなく頻繁にスティックをぐるぐるさせていたけれど、本機のユーザーであれば誰しも経験があるのではないだろうか。ちなみに、本機は1998年のグッドデザイン賞も受賞している。

 カレンダーや星占いといった内蔵ソフトが搭載されており、ソフトを挿さずに電源を入れると内蔵ソフトが起動する仕掛けも当時としては画期的。筆者は使ったことがなかったのだが、アラーム機能も搭載していて時間になると自動的に電源がオンになったらしい。

ネオジオポケットが発売された日。携帯機ながらジョイスティックを有した挑戦的なハードで、カレンダーや星占いなどの内蔵ソフトも搭載していた【今日は何の日?】
プラチナブルー。
ネオジオポケットが発売された日。携帯機ながらジョイスティックを有した挑戦的なハードで、カレンダーや星占いなどの内蔵ソフトも搭載していた【今日は何の日?】
カモフラージュブラウン。

 長年のゲームファン的には、ネオジオポケットと言うと若干迷走気味の悲運なハードというイメージが強いかもしれない。というのも、本機の発売の1週間前には最強のライバル機であるゲームボーイカラーが発売してしまっていたからだ。連続動作時間なら単4乾電池2本で約20時間と負けていないのだが、カラー画面の鮮烈さにはさすがに敵わず。

 しかも、悲しいかな「I'm not BOY. 誰だってBOYを捨てるときがくる」という挑発的なキャッチフレーズで超有名なネオジオポケットカラーが約5ヵ月後の1999年3月19日に発売されてしまったのだから、ロングセラーにならないのは言うまでもないだろう。わずかなスパンでつぎなるハードが発売されたのには、当時ゲームファンたちはもちろん、筆者も困惑気味だったのをよく覚えている。

ネオジオポケットが発売された日。携帯機ながらジョイスティックを有した挑戦的なハードで、カレンダーや星占いなどの内蔵ソフトも搭載していた【今日は何の日?】
ネオジオポケットが発売された日。携帯機ながらジョイスティックを有した挑戦的なハードで、カレンダーや星占いなどの内蔵ソフトも搭載していた【今日は何の日?】
こちらはネオジオポケットカラー。

 とは言え、本機ならではのソフトもあった。やはりSNKの人気格闘ゲームを題材にソフトは魅力的だったし、麻雀やパチンコといった大人向け娯楽を題材にしたゲームソフトも多数発売されていた模様。もっとも、後年はネオジオポケットカラー専用ソフトばかりになってしまうのだが……。

 本機のカラーバリエーションはプラチナブルーやカーボンブラックなど、全部で8種類。ローンチタイトルは、『キング・オブ・ファイターズR-1』や『ネオジオカップ'98』、『ベースボールスターズ』など6本あった。

これまでの今日は何の日?