【特別企画】

【アストロシティミニ全タイトルレビュー】「エイリアンシンドローム」

まさにドット絵職人の神業! 極限まで気持ち悪くした、エイリアンたちのデザインは必見!

導入年:1987年

基板:System16A/B

開発:セガ

 8方向レバーで主人公を操作して、攻撃ボタンを押すと発射するショットなどの武器で敵のエイリアンたちを倒しつつ、制限時間内にステージ内に囚われた16人の仲間を救出し、ボスキャラを倒すとステージクリアとなるアクションゲーム「エイリアンシンドローム」。主人公は、ゲーム開始時に男性(リッキー)と女性(マリー)の2種類から選択が可能で、2人同時プレイにも対応している(※性能は2人とも同じ)。全7ステージで、敵に触れるとミスになる。主人公のストックがなくなるか、または制限時間内にステージをクリアできなかった場合は、時限爆弾が爆発してゲームオーバーとなる。

 本作の一番の魅力は、何と言っても敵のエイリアンや背景のグラフィックスの気持ち悪さに尽きる。敵がただ動いているのを見るだけでも、ネバネバ、グチャグチャといった擬音が自然と口をついて出てきてしまうほど、その不気味さはすさまじいインパクトがある。しかも、アストロシティミニ版は高精細液晶モニターを搭載し、なおかつHDMI出力にも対応しているおかげで、ますます際立ったグロテスクさを楽しめるのがとにかくうれしい。

【不気味な敵キャラが次々出現!】
どこのステージでも、グロテスクなエイリアンが次から次へと出現して主人公に迫って来る

 そんな不気味なエイリアンたちを、武器を撃ちまくって倒すのはまさに快感。さらに、敵を倒すと「グシャッ!」という効果音が鳴り響き、プレーヤーの爽快感をいっそう高めてくれるのもこれまた素晴らしい。初期状態の主人公は、弾丸が小さくて射程の短いショットを装備しているが、マップ上のあちこちにあるアルファベットが書かれたパネルを開くことで、武器の種類を変えることができる。「FB」はファイヤーボール、「F」はファイヤー、「L」はレーザー、「B」はボムで、また「O」と書かれたパネルを開くと、主人公の背後に向けてショットを放つオプションロボットが装着される。

 途中でミスをしても、主人公の装備はそのままの状態でリスタートするが、ステージをクリアすると初期状態に再び戻ってしまう。なので、ステージ開始時は1秒でも早く、ほかの武器やオプションロボットの設置場所を見つけてセットするのが鉄則だ。なお、あくまで筆者個人の意見となるが、武器は弾速が最も速く、かつ射程も長いレーザーがオススメだ。また、アストロシティミニ版には高速で武器が撃てる連射ボタンが搭載されているので、特にボス戦では非常に役立つ。ただし、連射スピードが速過ぎるあまり、ザコ敵が散在しているときは空撃ちしやすくなるので不向きな印象。よって、ボス戦以外はマニュアルのボタンを使うこと(※ファイヤー以外の武器の場合)をおすすめする。

【主人公のパワーアップ(武器)】
パネルを開くと装備を変更することが可能
弾速が速く、射程も長い特長を持つレーザー
画面内に最大4連射できるファイアボール
射程は短いが、複数の敵をまとめて攻撃できるファイヤー。ボタンを連打すると、常時炎を吹き出した状態になる
接近戦には不向きだが、壁の向こう側にいる敵を唯一攻撃できるボム(※中央の青緑色の球体がボム)
「O(オー)」のパネルを開くと、主人公の後方にショットを撃つオプションロボットが装着される。最高2体まで同時にセット可能

 16人の仲間を全員救出するとEXIT(出口)の扉が開き、中に入ると固定画面による対ボス戦がスタートする。ボスを倒すためには、その攻撃パターンや弱点を発見するのももちろん重要なポイントとなるが、本作でそれと同じぐらい重要なポイントとなるのが制限時間との戦いだ。

 ステージが進むごとに、敵のエイリアンが手強くなるだけでなく、マップの構造がどんどん複雑になるため、仲間の発見が1人でも遅れると大きなタイムロスにつながる。また、ボスのいる部屋に入ると残り時間が30秒追加されるが、どのボスも30秒前後で倒すのはけっして簡単ではないので、ステージの途中で苦戦したツケはボス戦にも響いてしまう。そこで、困ったときは壁に「MAP」と書かれた場所に触れると、現在位置と仲間の居場所を表示してくれるので、慣れないうちは「MAP」を発見したら必ずチェックするといい。

 それにしても、2Dのドット絵だけで、よくぞここままで気持ち悪いキャラを描いたものだと、当時のグラフィックデザイナーたちのセンスと技術には、今さらながら脱帽するばかりだ。本作をご存知ない方は、この機会に不気味なエイリアンたちと戦うスリルをぜひ堪能していただきたい。なお余談になるが、初プレイ時はマリーを選んで遊ぶことをおすすめする。ミスしたときに彼女が叫ぶ、まさにホラー映画のヒロインをほうふつとさせるすさまじい金切り声は、必見ならぬ必聴である。

【ボスキャラもとにかく気持ち悪い!】
各ステージの最後に待ち構えるボスキャラも、「こっちに来るな~!」と思わず叫びたくなってしまうほどの不気味さを誇るので必見だ
残り時間との戦いもこれまたシビア。慣れないうちは「MAP」をこまめにチェックして、仲間の居場所を必ず確認するようにしたい
仲間の救出に時間が掛かると、ボス戦が非常に苦しくなってしまう。本作では、時間も手強い敵の一種となるのだ

マリーの金切り声にも要注目(?)。なお恐怖のあまり、もし夜中に独りでトイレに行けなくなっても、当方は一切責任を持ちませんのでアシカラズ……