さて、今回お届けするのはHenteko Doujinより2020年11月7日に配信された、ASTRO PORT開発によるPC用ソフト『MECHBLAZE(メックブレイズ)』。担当は、元重装機兵パイロットという戸塚伎一。
1990年代のロボットアクションの香りが漂うアクションゲーム
1990年前後に隆盛を誇った2D横スクロールロボットアクションゲームへの憧憬と敬意が伝わってくる『MECHBLAZE』。
無骨なメカデザイン、機体の重量を感じるやや鈍めの挙動、背景グラフィックで語るドラマ……といった当時の作品の表現手法を再現しつつも、あらゆる面でストレスなく遊べるようチューニングが施されている点が特徴です。「俺はこれが好きで仕方がないんだ」が前面に出ていてこその同人&インディーゲームですが、本作にはそこに留まらない“開拓精神”が宿っています。
陸戦用小型有人戦闘ロボ 味方施設の護衛 SER-28 ボストークのここがスゴい
超電気科学研究所の所長が趣味と実益を兼ねて開発したボストークは、厚い装甲と高い機動力を兼ね備えたハイスペックモデル。武装は、一撃必殺の近接戦用兵器“パイルバンカー”を標準装備としつつ、多彩な兵器を追加で搭載できる。操縦に慣れるほど戦場を自在に動き回れるのも大きな魅力だ。
こんなミッションが待っている!
味方施設の護衛
特定エリア中央部の施設の耐久値が敵の攻撃によって0にならないよう、一定時間守り抜く任務も。特攻がすべてではない。
暗闇での攻防
洞窟エリアでは、視界がボストークの正面(攻撃)方向のみになる箇所も。出会いがしらの敵に遭遇しやすくなるものの弾道は見えるので、わりと何とかなる!?
いざとなったら空中戦
一部ステージでは、ブースター装着でシューティングゲームさながらの戦闘に。ブーストなどの特殊系移動ができないぶん、やや難しい。
弾幕、多関節、極太レーザー……皆が望むものが戦場(ココ)にある!!
『MECHBLAZE』の舞台となるのは、宇宙からの侵略軍団を巨大合体ロボによって撃退してから約10年が経過した、西暦1989年の地球。
世界各地で突如武装蜂起した秘密結社の軍隊と全6ステージのバトルをくり広げるのだが、敵組織の背後には……といったバックストーリーが、インパクト大なグラフィック&アニメーションによって描かれる。
スーパーロボット路線からミリタリー路線に移行していく1980年代ロボットアニメや、それらに影響を受けた同時期のテレビゲームへのオマージュが満載だ。
開発サークル“ASTRO PORT”が描く壮大な空想科学偽史 アストロサーガとは?
『MECHBLAZE』の開発を手掛ける“ASTRO PORT”は、2000年代から精力的に活動を続ける老舗ゲーム制作サークルです。
おもにメカどうしの戦いを描くシューティングゲームやアクションゲームを手掛け、それらの多くは12月現在もSteamで好評配信中。サークルとして決して目立ような活動はしていないものの、2019年には陸戦アクションシューティング『GIGANTIC ARMY』のNintendo Switch版が全世界でリリースされるなど、その作風が国内外で求められていることがうかがえます。
同サークル作品の特徴というか絶妙な隠し味になっているのが、“アストロサーガ”と呼ばれる架空の現代地球史。2007年初出の横スクロールシューティングゲーム『超電気ロボ バルカイザー』(以下、『バルカイザー』)から今回の『MECHBLAZE』までが、共通する世界設定・時間軸の出来事として描かれています。
ASTRO PORTによれば、当初は『バルカイザー』とその次回作『ARMED SEVEN』(2008年)のための設定だったようですが、それ以降のタイトルに関しては「全作品の歴史をつなげる」ということ以外、ノープランだったとのこと。新作のたびに過去作の情報の断片をつなぎあわせ、辻褄が合うよう設定を考えて……のくり返しによって「歴史が勝手に動き」(ASTRO PORT)、壮大なサーガが構築されていったとのことです(ちなみに『MECHBLAZE』は、『ARMED
SEVEN』と同時期のアナザーストーリーとのこと)。
今後は、アストロサーガを宇宙規模に拡大しつつ、ストーリー性の高い新作の制作予定もあるとのことで、楽しみです!
MECHBLAZE(メックブレイズ)
- メーカー名 Henteko Doujin
- 開発元:ASTRO PORT
- 配信日 2020年11月7日配信
- 価格 473円[税抜](980円[税込])
- ジャンル アクション
- CERO ――
- 備考