【PCゲーム極☆道】第九十回『Godstrike』制限時間を命に代えて戦う弾幕シューティング

ボスファイトにフォーカスしたツインスティックシューター

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時は金なり!タイムイズマネー!ベンジャミン・フランクリンの格言です。「時間は有限なので無為にしてはいけませんよ」というこの若者へのアドバイスは、本来は商売についてのアドバイスでした。ですが、時間が大事なのはなにも商売だけではありませんからね。この言葉がエッセイに書き記されて200年以上が経ちましたが、その教えは受け継がれています。

さて、時間が大事なのはゲームの世界でも同じことです。タイムアタックにプレーヤー同士の攻略競争、大会前の特訓、ゲーム内マーケットでのレートの変動、基本無料ゲームの体力回復にイベント期間などなど、ゲーマーはゲームだけでなく時間とも戦っていると言っても過言ではありません。

ならば!時間をちょっと変わった形でゲームに盛り込めば面白くなるのでは?そう考える開発者がでてくるのは必然でしょう。ということでみなさんのまだ知らないかもしれないPCゲームの世界を紹介する『PCゲーム極☆道(きわめみち)』。今回は時間=命の『Godstrike』を紹介します。

『Godstrike』はスペイン・マドリードに拠点を置くOverPowered Teamが開発したツインスティックシューターです。2021年4月16日に発売され、ありがたいことに日本語ローカライズも実装されています。SteamだけでなくNintendo Switchでも発売されているので、手に取りやすいゲームでしょう。

ちなみにこのチームは本作が商業デビュー作となり、これまではゲームジャムイベントである「Ludam Dare」やハッカソンの「Hack For Good」などに参加してきたチームです。こうしたゲームジャムやハッカソンから商業デビューする開発チームは非常に多いです。いい意味でインターネット文化から花開いたインディゲームらしい流れでしょう。

世界がまだ何もなかった時代。幾千の力を持つ存在によって世界に生命と彩りが与えられていた。神とも呼べるその存在はいつしか7つの仮面となり、人間からその力を行使する使者を選び力を行使させた。人間たちは使者を崇め、統治の礼として彼らに時間を捧げた。

だが数百年の時がたつにつれ使者たちは力に溺れ……

<中略>

そのとき奇跡は起きた。7つの仮面のうち使者を見つけていなかった最後の仮面が現れ、若者を使者として見出したのだ。

神の力をもって、神を倒す戦いが始まった。

中略を差し込まないといけないほどに非常に長い導入で始まる『Godstrike』はまさしく神話の登場人物となり、邪神へと挑むゲームです。神話級の壮大さを誇る本作のストーリーは本当に壮大すぎるため、なんとストーリーモードを開始するといきなり3分ほど紙芝居を見させられます。

シューティングゲームはなにかと重厚な設定やストーリーを持っていることが多いですが、このゲームもその系譜ということでしょう。シューティングゲームかくあるべしといったところです。……いやそれにしたって長いですけどね!壮大すぎる!

なんにせよ。プレイヤーの目的はただひとつ、世界をボロボロにした邪神どもぶっ殺しまくること。わかりやすいぜ!しかもこのゲームにはボス前のステージといったものは一切ありません。ボスと自分との一騎打ちのみ!更にわかりやすい!本作はボスファイトにフォーカスしたツインスティックシューターなんです。

道中や雑魚がいないとしても、プレイヤーに立ちはだかる敵は強大です。なにせ邪神ですからね。ド派手で強力な弾幕をコレでもかと叩き込んできます。しかも厄介なのがいくつかのボスを除いたほとんどのボスがバトルステージ上を動き回るため、弾幕が出てくる場所が固定されておらず覚えるだけでは回避が難しいのです。さらにランダム性の高い弾もバンバン撃ってきます。弾のスピードも非常に早く、完璧に避けきるのは難しい調整です。

プレーヤーは被弾を避けられません。シューティングゲームにおいて被弾は死を意味しますから、かなり難しいゲームなのではと感じる方も多いでしょう。人によってはストレスフルに感じる方もいるかもしれませんね。ですが、本作は非常にユニークなシステムを採用しており、多くのプレイヤーがボスとのアツいバトルを楽しめるよう工夫しているんです。

それが本作の最大の特徴である制限時間です。このゲームはバトルに制限時間があり、この時間が尽きる前に敵を倒す必要があります。ですが、残機やHPという概念は存在せず、敵の攻撃を食らってしまうとHPや残機ではなくこの制限時間が減るようになっています。1発被弾で15秒の時間が失われてしまうものの、制限時間は4分半ほど確保されているため1発の被弾による被害はそこまで大きくありません。

しかも制限時間が0秒になってしまったとしても、そこでゲームオーバーにならないのがまた面白いんです。なんとこのゲームでは制限時間が0秒になってもボスとの戦いは続きます。制限時間がゼロになったこの状態で、さらにもう一発被弾をしてしまうとそこではじめてゲームオーバーになるのです。制限時間がゼロであったとしても、まだボスを倒すチャンスがプレイヤーには残されています。

つまり、このゲームにおいて制限時間は己を守るバリアのようなものなんですね。刻一刻と目減りし続けるバリアを保ちながらボスの猛攻をしのぎ、なんとかボスを打ち倒すというのがこのゲームのプレイなんです。被弾しまくっても継続して戦えるので、少しずつ敵の攻撃パターンを覚えられる余裕がありますし、なにより最後の1発が当たるまでチャンスがあります。このシステムが、厳しい弾幕シューティングに「もう少しで倒せそうだ!」という手応えをプレーヤーに与えてくれるんです。

これが非常にいい。シューティング初心者も楽しみやすいですし、なによりボスとのギリギリのバトルっぽさを感じられる作りなのです。やはり強敵とはせめぎ合って、ギリギリのところで勝ちたい。楽勝でも、惨敗でもダメ!勝つか負けるかわからないギリギリさが、ゲームをアツくする!

加えて、上級者にとってはこのシステムが制限時間をどれだけ残せるかというタイムアタック要素にもなっているんですね。シューティングは最終的に記録を競うゲームになりますから、ここもいいところです。

そして更にこの制限時間システムを面白くするのがスキルシステムです。プレイヤーはスキルを装備することで必殺技やパッシブ能力を得ることができ、これが強大なボスに対抗する手段となります。ですがアクティブスキルは装備するとその装備コストとして制限時間を差し出す必要があり、いくら強力なスキルだからといって装備しまくると制限時間が戦う前から減ってしまうのです。時間と命が同義のこのゲームにおいて、コレは非常に痛い。ですが、スキルを抜きに戦うのはクリア目的という意味でも、タイムアタックという意味でもありえない。

少しだけ時間が足りなかったから、今度は使用頻度の低いスキルを抜けば……。いやあえてより強力なスキルを組み合わせたコンボでゴリ押していくか。プレイヤーの創意工夫がここに出てくるというわけです。

時間が命と同義の神々の戦いを制することはできるのか?プレイヤーのスキルと戦略が試されます。

めちゃくちゃ長い冒頭など重箱の隅をつつこうと思えばつつけるゲームですが、なかなか満足感の高いゲームです。シューティング好きは是非チェックしてほしい作品ですね。

ストーリーモードに加え、日替わりチャレンジやアリーナモードなどで世界のプレイヤーとクリアタイムを競うリーダーボードも用意されています。気に入った方はリーダーボード上位を目指すのも楽しいでしょう。GWのお供にぜひ遊んでみてください。

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