“自分の夢の中で戦う少女”を操るツインスティックシューター

 2020年にアーケード(ExA-Arcadia)用横スクロールシューティングゲーム『VRITRA HEXA』をリリースしたばかりのネオトロ。その最新作『NeverAwake』が、Bitsummit THE 8th BIT会場で初のプレイアブル展示ということで、バッチリ体験しました!

『NeverAwake』 それはシューティングゲームとして表現された“悪夢体験”だった!【BitSummit THE 8th BIT】

 プレイヤーは、眠り続ける少女“レム”となり、彼女の夢の中でくり広げられる戦いに身を投じます。行く手に立ちはだかる敵は“野菜”や“犬”、“学校の友人”……など、現実世界の中で彼女が嫌いなものばかり。美しくも禍々しいグラフィックデザインが、レムの精神世界の投影のようであり、彼女が克服すべき試練の象徴のようでもあります。

『NeverAwake』 それはシューティングゲームとして表現された“悪夢体験”だった!【BitSummit THE 8th BIT】
『NeverAwake』 それはシューティングゲームとして表現された“悪夢体験”だった!【BitSummit THE 8th BIT】
『NeverAwake』 それはシューティングゲームとして表現された“悪夢体験”だった!【BitSummit THE 8th BIT】
ネオトロ初のUnity製ゲームとなる『NeverAwake』。主要開発スタッフは3~4人。『VRITRA』シリーズとほぼ同じ体制ながら、圧倒的なインパクトを持つビジュアル&アニメーションを実現している。

 基本的なゲームシステムは強制スクロール型のツインスティックシューター。加えてスクロール方向がステージごとに異なるため、バリエーション豊富な敵出現パターンを楽しめます。操作感覚は軽快で、破壊系のエフェクトもハデハデ。何でもアリな夢世界のシチュエーションを、確かなゲームプレイの手ごたえとともに反芻できます。

 少々変わっているのがステージクリアー条件。“敵を倒すと出現するソウルを100パーセント獲得した時点でクリアー”ということで、ステージの最終地点に到達したり、ボス戦ステージでボスを倒したとしても、ソウルの取得率が足りなければ、同じステージを最初からやり直し。ふつうにプレイしてだいたい2、3周目で100パーセントに達するのですが、到達した時点でいきなりゲーム終了……という仕様には少々戸惑いました。

『NeverAwake』 それはシューティングゲームとして表現された“悪夢体験”だった!【BitSummit THE 8th BIT】

 このあたりに関して『NeverAwake』のエンジニア兼ディレクター・佐渡大志氏に尋ねると「夢ってそういうものじゃないですか」との答え。たしかに、同じ断片的な場面を何度もくり返す夢(悪夢)の性質と、アーケードライクなテレビゲームのプレイ体験は共通する部分が多く、本作の一風変わったゲームテンポは、“夢世界での戦い”というテーマを突き詰めた末の帰結点のように思えます。

“自分が好きなものを自分なりに作る”インディーゲームの、その先へ

 佐渡氏は、本作のコンセプトが従来の『VRITRA』シリーズと大きく異なることも明かしました。 “弾幕以前”のシューティングゲームが好きな佐渡氏が自身の趣味を全開にしつつ、コアなシューターが納得するクオリティーをひたすら追求してきた『VRITRA』シリーズに対し、『NeverAwake』は、「ゴシックテイストのグラフィックや物語世界をきっかけに、シューティングゲームのおもしろさをより多くのユーザーに体験してもらいたい」という意図ありきの作品。つまり、それほど長くないステージを必然性をもってくり返すことで、シューティングゲーム経験が少ない人も無理なく上達でき、都度都度で達成感を味わえる作りは、単にストーリー設定を最優先した結果、たまたまそうなってしまったものではない……ということです。

 『VRITRA』シリーズの方向性を突き詰めた先の新たな挑戦となる『NeverAwake』。2022年内予定の完成がいまから楽しみです!

『NeverAwake』 それはシューティングゲームとして表現された“悪夢体験”だった!【BitSummit THE 8th BIT】
『NeverAwake』 それはシューティングゲームとして表現された“悪夢体験”だった!【BitSummit THE 8th BIT】
間口が広い作りであるとともに、コアなシューティングゲームファン向けのフィーチャーも多数盛り込まれているとのこと。「戦いの果てに少女は目を覚ますか?」というマルチエンディング要素のほかにも、上級者の探究心を刺激するアレやコレ(自粛)が。
『NeverAwake』 それはシューティングゲームとして表現された“悪夢体験”だった!【BitSummit THE 8th BIT】
ポスターに描かれた“実寸大”のレムと佐渡氏。あえてポリゴンむき出し風のキャラデザインを採用したり、ゲーム中のフォントをゴシックな世界観に寄せすぎないものにしたりと、デザイン面のバランス感覚にもこだわって制作されていることが、インタビューを通して伝わってきた。
『NeverAwake』Steamページ
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