インディーズゲームの小部屋:Room#185「Jamestown」

「インディーズゲームの小部屋」の第185回は,Final Form Gamesの縦スクロールシューティング「Jamestown」を紹介する。本作の舞台となるのは,イギリスとスペインが火星で植民地戦争を繰り広げている架空の17世紀。プレイヤーは,祖国イギリスであやうく処刑されるところを逃れて火星にやって来た主人公「R」となり,一山当てて汚名を晴らすためにスペイン軍と火星人を相手に大冒険を繰り広げるのだ。
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タイトルになっているJamestownとは,火星にあるイギリスの植民地のことで,現実世界ではアメリカにおけるイギリスの最初の植民地の名でもある。ご存じのとおり,15世紀から18世紀にかけてのアメリカではヨーロッパ諸国による植民地化の嵐が吹き荒れており,中でもイギリスとスペインは強力なライバル関係にあった。ゲームではその争いの場が火星に移り,イギリスとスペインが火花を散らしているというわけだ。
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さて,そんな世界観の本作だが,登場する機械はどこかレトロな感じのするものばかり。主人公が乗るのも,思わず画面に向かって「40秒で支度しな!」と檄を飛ばしたくなるような雰囲気のレトロフューチャーな飛行機械だ。こんなものに乗って風圧で飛ばされたりしないのかと,他人事ながらちょっと心配になる。
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自機はゲーム中で集めたゴールドを使って新たなものを購入でき,それぞれ特性の異なる武器(メインウェポンとセカンダリウェポン)が装備された4機体が登場する。最初に乗ることになる機体は,メインウェポンとしてワイドショット,セカンダリウェポンには極太ビームが用意された,オーソドックスで使いやすいタイプだ。残る3つの機体はかなりクセのある武装を積んでいるので,乗りこなすには練習が必要になりそうだ。
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またプレイ中は,敵を倒すと出現するゴールドを集めると画面左上のゲージが上昇していき,ゲージが満タンになると“VAULT”を発動できる。これは,自分の周囲に一瞬だけバリアを張って敵弾を消すというもので,弾幕系シューティングでいうところの,いわゆる“ボム”のようなもの。とはいえ,画面上の敵弾すべてを消せるわけではないので,過信は禁物。VAULTを使用するとゲージが徐々に減っていき,それがゼロになるまでの間,攻撃力が1.5倍,得点が2倍になるので,ここぞというところで使いたい。
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シューティングゲームとしてはかなりオーソドックスな本作だが,最も大きな特徴といえるのが,一台のPCで最大4人で遊べるマルチプレイの存在だ。残念ながらオンラインプレイには対応していないため,友達のいない筆者には無縁の機能ではあるが,自宅に呼べる友達がいる人はぜひ一度,4人プレイを試してみてほしい。それにしても,編集部にはこれだけゲーム好きがいるというのに,誰も一緒に遊んでくれないなんて……。
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そして,緻密なドット絵で描かれた,温かみのあるグラフィックスも本作の魅力の一つ。シューティングゲームは日本のお家芸とも呼べるジャンルで,海外産のタイトルには正直,首を傾げたくなる出来のものも多いのだが,本作はその点も心配無用の完成度の高さだ。縦シューでありながら画面サイズが横長という点がやや特殊で,実際一人で遊んでいると,画面両端から敵が出現してきたときなどは撃破が追いつかないが,そこはやはり憧れのマルチプレイでカバーしあうということなのだろう。

そんな本作の製品版は,Steamなどで9.99ドルにて発売中。体験版が用意されていないのが残念だが,海外産のシューティングゲームは今一つ出来が悪いという,これまでの印象を覆してくれる作品なので,興味を持った人はぜひプレイしてみよう。筆者も個人的にオススメの一本だ。
■「Jamestown」公式サイト
http://finalformgames.com/jamestown/![]() |
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