Xbox 360ユーザーは“マストバイ”の1作
2014年5月29日に発売される『バレットソウル -インフィニットバースト-』は、Xbox 360で数多くのシューティングをリリースしてきた5pb.による入魂の1作だ。ここでは、元ファミ通Xbox 360の編集長にして、とにかくシューティングが大好きという編集者、松井ムネタツに本作の魅力を語ってもらった。
本能的な何かを激しく揺さぶる1作
いっさいの学習をせず、生まれ持った行動原理のことを“本能”と言う。我らヒトの場合、そのほとんどは学習による行動なので、本能はほとんどないとされている。だが、こうしてゲームで遊んでいると何かただならぬ本能的な何かを呼び起こされている気がしてならない。たとえば、かの名作パズルゲーム『テトリス』は、「キッチリそろえて消したい!」「この空いてしまった隙間が気持ち悪い!」とか、きっとクロマニョン人も感じたはずの本能的ものが、体内から湧き出てくるような感覚がある。今回、この『バレットソウル -インフィニットバースト』(以下、『BSIB』)をプレイして本能的な何かを激しく揺さぶれたゆえ、ついこんな書き出しから始まってしまった。どのあたりにそれを感じたのかじっくりと伝えよう。
前作『バレットソウル』(以下、『BS』)は2011年4月に発売されたXbox 360オリジナルの縦スクロールシューティングゲームだ。できるだけ画面の上のほうに自機を移動させ、敵機に接近して倒すことでソウルゲージが上昇、これにより得点倍率が上がっていくというシステムなので、攻めプレイをすればするほどスコアがアップする。画面の下のほうで安全プレイすると、スコアは伸びないものの比較的簡単にクリアーできる。この「攻めれば難しいけど、安全プレイでも十分楽しいしクリアーできるよ」という絶妙なバランスが、じつにすばらしかった。
また、いまどきのシューティングゲームをあまりプレイしない人だと「どうせ敵弾がすごく多くて、ドット単位で隙間をかいくぐらないといけないんでしょう?」なんて思ってそうだが、『BS』は敵機を破壊すると敵弾も消えるというシステムゆえ、倒せば倒すほどラクなるのだ。敵の出現パターンを覚えて即効で倒せるようになればどんどん簡単になり、スコアもみるみる上がっていく。やり込んだぶんだけスコアアップに直結するので、上達した感触がしっかり得られるという、何ともよくできたゲームなのである。
バーストモードでスコア稼ぎがさらに熱くなった!
そしてこの『BSIB』は、続編というよりバージョンアップ版という立ち位置と解釈すべきだろう。自機やステージ、敵機などは前作からほぼそのまま引き継いでいる。
今回追加された部分でいちばんのウリは、ゲームモードの“バーストモード”だ。敵機を倒すとコインがドバっと出現するので、これを回収することでスコアを稼ぐシステムになっている。このコインは、出現すると画面下部までゆっくりと落ちていき、下部に到達すると跳ね返って画面上部へと消えていく。いまどきのシューティングだと得点アイテムは自動回収というスタイルが多いのだが、『BSIB』の場合は自機を動かしてみずから取りにいくというシステムが懐かしくも新しい。
さらに、『BSIB』ではソウルゲージに代わってバーストゲージが登場。これは同じく攻めプレイによって溜まるゲージなのだが、満タンになった状態でバーストボタンを押すと合体バーストが発動する。ゲーム全体のスピードが上がって自機の火力もアップ、敵機を倒した後のアイテムが通常のコインから“番長コイン”となる。得点の素点が倍になるので、スコアアップには重要な要素だ。バーストゲージは攻めプレイによってより早く溜まるので、攻めれば攻めるほど合体バーストを発動できる機会は増え、しいては番長コインをたくさん出せてスコアアップにつながる。しかし、ゲージが溜まったからといって闇雲に発動させればいいというものでもない。いつ発動させていかに番長コインをたくさん回収するかが、ハイスコアを狙ううえで大きなカギとなる。
前作同様のゲームモードで遊びたいならば“ノーマルモード”、2分間タイムアタックの“キャラバンモード”と、ひと通りのモードも過不足なくそろっている。ゲームの難易度設定はないが、ゲームバランスはしっかり取れた形になっているので、イージーとかハードとか余計なものはいっさいいらない!というあたりはクリエイターの確かな自信を感じるし、スコアを狙えば狙うほど難しくなる感覚は秀逸。
画面のコインを残さず獲得したいという性(さが)
さて、話を最初に戻そう。いったい何が本能なんだ? という部分である。バーストモードにて敵機を倒したあとに出現するコインを回収する……この行為こそが本能に訴えかける部分なのだ。自機を動かしてコインを回収するというそれだけの行動が、これほど気持ちいいとは! チョリンチョリンと効果音とともに回収していく状況がたまらなく気持ちいい。画面を隅々まで掃除したくなる感覚というか、取れるものは全部取りたいという衝動というか……とにかくやめられない止まらない気持ちよさなのである。最初はそこまで自分が中毒になっているとは気がつかなかったのだが、ノーマルモード(『BS』同様のモード)をプレイしてみたら何かが物足らない。もうバーストモードなしでは生きられない体になっていたのである。
初回限定版には、オリジナルサウンドトラックCD、前作『BS』ゲームオンデマンド版無料ダウンロードコード、そして我々で作った『ファミ通Xbox 360 バレットソウルスペシャル』がついてくる(⇒詳しくはこちらの記事を参照)。Xbox 360専用のパッケージソフトが国内で発売されるのは、もしかしたらこれが最後かもしれないので、Xbox 360ユーザーはマストバイな1本だ。君も本能のおもむくままに(できれば限定版を)ゲットしよう。
目指せ!実績コンプ(~840:☆☆☆☆ /~1000:☆☆☆)
最後に、本作の実績解除についても簡単に触れておく。ひと通りのモードとキャラで遊んでいれば、全部解除できるといっても過言ではないだろう。今回はノーミスクリアー実績もないので、コンプリート1000G獲得は誰でも目指せる。番長モードにおける各ステージでのプラチナメダル獲得がちょっとやり込んで上達する必要はあるが、全体的には簡単な部類だろう。これ以外で僕自身がちょっと苦労したのは以下のふたつ。そのコツを少し伝授しておこう。
・まだまだ続くんじゃ! 10G(バーストを30秒以上継続する)
バーストモードは番長コインを取り続けることで継続時間が少しずつ増えていく。つまり大量にコインが出てくる場所でバーストモードを発動させると、この実績を解除できる。僕は3面ボスで解除できたが、コインを大量に吐き出す宝箱が出てくるあたりも絶好のチャンスだろう。
・メダル王 25G(累計でメダルを100個獲得する)
ひたすらゲームを続けていればいつかは獲得できるが、時間効率を考えるとキャラバンモードがお得。ゲーム発売週末(6月1日)よりオンラインキャラバンイベントが始まるので、こちらでランキング上位を目指してがんばっていれば、いつのまにか解除できてしまうに違いない。
(文章/松井ムネタツ)