【インタビュー】KPIもラブマックス!『ゴシックは魔法乙女』“人類への挑戦”をテーマにしたCMを全国に展開 ケイブが仕掛ける夏の大規模プロモーションに迫る

ケイブが2015年4月に配信をスタートした『ゴシックは魔法乙女(以下、ごまおつ)』。本作は同社が元来得意とするシューティングと、スマートフォンで手軽に楽しめるRPGの要素がマッチした作品として配信直後から順調に支持を集め、今やケイブを代表する作品へと成長を遂げた。また、「ラブマックス」というフレーズはゲーム内のみならずTVCMでも積極的に使われ、見た人に強烈なインパクトを残している。
 
そんな『ごまおつ』だが、8月下旬から新たなプロモーションとして全国で新規TVCMを展開するという。先のCMはTOKYO MX限定だったことを考えれば、作品史上最大規模のプロモーションとなることは間違いない。なぜこのようなアプローチを考えたのか、プロモーション部の部長・田畑宏樹氏にインタビューを通して探ってきた。
 
株式会社ケイブ
プロモーション部 部長
田畑 宏樹 


 

■8月は『ごまおつ』の裾野を広げる絶好のチャンス


――本日はよろしくお願いします。今回は『ゴシックは魔法乙女』について、プロモーションを含めた今後の展開についてお話いただければと思います。
 
よろしくお願いします。
 
――まずはリリースから1年が経過した本作を振り返ってみて、いかがですか。
 
2015年4月にiOS、Androidで配信をはじめて、ダウンロード数はもう間もなく300万を突破するところまで来ました。支えていただいているユーザーさんを見てみると、非常に熱量が高く、それを裏付けるように今年4月に1周年記念のファン感謝リアルイベントとして開催した「ケイブ祭りが大運動会~汗と涙とブルマ~」にも2万人以上のファンの方が来場してくれました。こういったお客様に支えられて、プロダクトのコンディションも良い状況で、整ってきているところです。
 
「ケイブ祭りが大運動会~汗と涙とブルマ~」の模様


 

――熱量の高いユーザーと言いますが、具体的にどんな層の方がプレイしているのでしょう。
 
アーケード、コンシューマー時代からの当社の熱狂的なファンとスマートフォンネイティブな新規ファンとがうまく融合して、『ごまおつ』を数あるゲームのうちのひとつではなく、本当に一つのIP作品としても愛してくれているんです。そんなユーザーさんの愛に支えられた1年と言っていいでしょう。
 

――実際のところ、今の現状は予想できていましたか?
 
単なるゲームとしてだけでなくキャラクター、さらにはIPとして認知されたのは大きな手応えを感じます。これはさすがに1年前の段階ではイメージできておらず、私たちとしても驚いています。とはいえ『ごまおつ』はまだまだ成長期の段階であり、プロモーションとしても裾野を広げるチャンスは充分にあると考えています。
 

――裾野を広げていくためにも、今回新たなCM展開を考えているわけですね。
 
そうですね。KPIも順調に推移しており、全国的なプロモーションを展開できるフェーズに入ったと判断しました。新規のユーザーさんをさらに獲得するためのCMを全国的に放送します。普段から『ごまおつ』を楽しんでいただいている既存ユーザーさんが「ニヤリ」として、さらには最近プレイしていない休眠ユーザーの方にも「おかえりなさい」と訴求できる内容を目指しており、可能な限り幅広い層へ向けたCM展開となります。そうはいってもCMを見ていただける人が少なければ意味がありませんので、テレビに加えて全国の街頭ビジョンでの出稿も、連動した形で行って、普段テレビを見ない方々にもアプローチできるよう展開します。
 

――ちなみにCMの内容はどんなものになるのでしょうか?
 
CMのテーマは、今月、オリンピックも開催されるこの時期に相応しいものになっています。当社取締役池田が言うところの「人類に挑戦する」をテーマにしていて、「ゲームといえばこれだろう」という強いメッセージを持たせた内容に仕上がっています。ゲームファンには刺さる映像になっているはずです。また、スマートフォンでもここまでできるんだ、ということもCMでお伝えします。既存ユーザーさんがインフルエンサーとして誰かに教えたくなる、ソーシャル上でシェアしたくなる仕掛けも用意しています。具体的な内容については実際の放送で、いい意味での出落ち感を楽しんでいただきたいです。
 

――CMが流れる放送局も気になります。
 
放送局に関してはほぼすべてで流れるように調整しています。その中にはもちろん、これまでTVCMを投下してきたTOKYO MXも含まれています。恐らくスマホでゲームをやっている人ならテレビを適当に付けているだけで自然に数回目に入る規模感になるのではないでしょうか。同じく街頭ビジョンも、『ごまおつ』をプレイしている方の年齢層に合わせ、もっとも見てくれるであろう場所をピックアップしています。
 

――CMとゲームが連動する可能性はありますか?
 
CMにより新しいユーザーさんだけでなく、リリース当初やっていたというような復帰ユーザーさんも多くいらっしゃると予想しています。そこでゲーム内では既存、新規、復帰というそれぞれのユーザーさんに対して、さまざまなイベントやサービスを準備しているところです。プロモーションと運営チームともしっかり連携を取った展開を続けていきますので、ご期待ください。
 
  


――過去と比較してもかなり大規模な施策になりそうですが、どれほどの効果を期待していますか?
 
他社アプリのCMの投下量と効果とを参照してMAUとしては2倍から3倍に上るだけのものを用意しています。そのくらいのボリュームでCMを投下し、見た人の記憶に残り、アプリを始めるきっかけになるでしょう。

ただし、MAUは単なる数値・指標でしかなく、「ごまおつ」の熱量がこれまでの数倍になるという感覚のほうを重視しています。

 

■今後も継続的に大規模プロモーションを展開


――ここへ来てかなり積極的なアプローチをかけていくんですね。ケイブ社内としても、プロモーションに対する考え方などに変化はあったのでしょうか。
 
大きいのは「プロモーション部」を新設したことです。このおかげでCMをはじめリアルイベント、Web広告とマルチな展開をできるようになりました。これもすべて8月『ごまおつ』の積極的なアプローチへとつながっています。

8月だけではなく、今後は常にユーザーさんの熱量を上げつつ、常に新しいユーザーさんの獲得を目指すことが大切です。そして何より、ユーザーさんを囲い込み、育てていくことはプロモーション、プロダクトの両面で重要にしていることです。

 

――ケイブさんといえばリアルイベントも積極的に行っていますが、こちらは今後も計画されているのですか?
 
来週の夏コミにも出展してグッズを販売しますし、大好評のケイブ祭りも年1回のペースで継続的に開催し、継続的にファンの皆さんが楽しめる企画を用意していくつもりです。今後は、いわゆるコンベンションイベントにも積極的に参加しようと考えています。
 
 

超乙女寿司
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――分かりました。ではCMの投下を経て、今後はどのようにゲームを成長させていくか、展望を教えてください。
 
CMのほうは第2弾も予定しており、継続的に大規模なプロモーションを展開します。CMによって裾野が広がる分、増えた人たちにどう楽しんでもらうかが課題になると考えていますし、「ごまおつ」の他社アプリにはない強みである新規と既存との融合を活かして、既存のユーザーさんを含めフォローしていくことには特に力を入れていきたいです。そのためのフックとしてもアニメIPとのコラボも積極的に展開するための仕込中ですので、こちらも期待してください。

 
――再三触れていますが、回帰ユーザーも大事なのですね。
 
その通りです。1年以上運営を行ってくると、プレイをやめてしまった方も大勢います。しかしプレイをしていない間にもゲームはアップデートを続け、様変わりをしてきました。今であれば満足していただけるかもしれませんし、そのチャンスを逃さないよう、改めてアプローチしていくのです。
 

――それでは最後に、読者へ向けてメッセージがあればお願いします。
 
まずは今回のCMを期待して見てもらいたいです。一言で言うとケイブらしい、予定調和ではない映像になっています。既存のユーザーさんにとっても、この大規模なプロモーションにふさわしい運営の内容で楽しんでもらえるよう準備しています。この夏でより多くの方に遊んでいただけることで、ゲーム内でも、今までにできなかった事も実現していけると思います。ぜひ今後も楽しんで頂きたいですね。
 
――ありがとうございました。


 
(取材・文:ライター ユマ)
 


 
■『ゴシックは魔法乙女~さっさと契約しなさい!~』

 

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株式会社ケイブ
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会社情報

会社名
株式会社ケイブ
設立
1994年6月
代表者
代表取締役社長 秋田 英好/代表取締役CFO 伊藤 裕章
決算期
5月
直近業績
売上高69億6300万円、営業利益2億4300万円、経常利益2億1300万円、最終利益25億7900万円(2023年5月期)
上場区分
東証スタンダード
証券コード
3760
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