20年プレイし続けたハイスコアラーが語る『バトルガレッガ』への想い

 週刊ファミ通2016年9月22日号(2016年9月8日発売)では、エムツーの新プロジェクト“M2 ShotTriggers”第1弾となる『バトルガレッガ Rev.2016』と『弾銃フィーバロン』のスクープ記事を掲載した。1996年にアーケード版が稼動を開始して以来、多くのシューティングゲームファンに愛されてきた本作が、ちょうど20周年を迎えた2016年にプレイステーション4で遊べるようになるということで、おそらく世界でもっとも『バトルガレッガ』をプレイしているであろう、全一(全国1位)スコアラーのT3-神威氏に、『バトルガレッガ』の魅力、そして『Rev.2016』に期待することなどをうかがった。

『バトルガレッガ Rev.2016』発表記念! 全一プレイヤーのT3-神威氏にインタビューしてみた_02
『バトルガレッガ Rev.2016』発表記念! 全一プレイヤーのT3-神威氏にインタビューしてみた_01
▲『バトルガレッガ Rev.2016』。ランク(難度)の変化を視覚的にチェックできる“ランクグラフ”をレイアウトするなど、多くのレトロゲーム復刻を手掛けてきたエムツーならではのこだわりが詰まっている。
▲T3-神威氏(文中は神威)。アーケードゲームのスコア集計をしていた雑誌(『ゲーメスト』、『マイコンBASICマガジン』、『アルカディア』)で、全国トップスコアを出し続けた。メイン機体はガインで、雑誌での記録に残っている最終スコアは2081万2270点(2013年4月号の『アルカディア』)。

――『アルカディア』の定期刊行が終了して以降、いまは雑誌でのハイスコア集計は行われていませんが、神威さんはいまでも『バトルガレッガ』(以下、『ガレッガ』)のスコアアタックを続けているのでしょうか?

神威 以前よりもゲームセンターに行く頻度は減りましたが、続けていますよ。まだまだ『ガレッガ』を遊びたいという気持ちもあります。

――それを聞いて安心しました。ちなみに、現在の自己ベストは?

神威 2014年に2083万点までいけました。これで最終というわけではなく、まだ伸びる余地はあります(笑)。ただ、「ハイスコアを出し続けたい」という気持ちよりも、「ほかの方のプレイを観たい、もっと多くの方に『ガレッガ』を知ってほしい」という思いのほうが強いです。

――いまでもプレイしているということは、20年も『ガレッガ』を遊び続けたことになりますが……。

神威 私よりも長くプレイされている方は、なかなか見つからないでしょうね(笑)。なぜこんなにのめり込んだのかと聞かれると、やっぱり好きだからですね。好きなので立ち止まることなくプレイし続けて、気づけば20年経っていたという……。振り返ってみれば、『ガレッガ』とともに歩んできたんだな、と思いました。

――まさに『ガレッガ』人生ですね(笑)。いまでもハイスコア集計の文化が残っていれば、もっとよかったのですが。

神威 正直、少し寂しいですね。でも、自分のスコアを載せていただける場がないからではなく、ゲーセンに通って盛り上がっていた方々や、その人たちのプレイを見て新たに興味を持つ方々の姿を見る機会が減ってしまったことが寂しいんですよ。

――いまはオンラインでプレイヤーどうしの交流ができる時代になりましたが、ハイスコア集計をしているゲームセンターで、同じゲームを切磋琢磨するプレイヤーどうしがコミュニケーションを取る楽しさは、当時ならではでのものですよね。

神威 そうですね。最近は、山口や名古屋のお店などからニコ生配信をしたりしました。こういった、いまだからこその『ガレッガ』ファンが盛り上がる場を、これからも作っていきたいですね。

――それでは、『バトルガレッガ Rev.2016』が発売されたら、ぜひ“ファミ通チャンネル”に出演をお願いします!

神威 こちらこそお願いします(笑)。

――(笑)。それにしても、『ガレッガ』はなぜ、シューティングゲームファンの心を惹きつけるのですかね?

神威 プレイする方によってそれぞれですから、ひと言では説明できない気がします。私の場合も、時期によって『ガレッガ』の楽しみかたは変化していきましたし。最初はとにかく上達することが楽しくてプレイしていたのですが、ハイスコア申請をするようになってからはハイスコアを競い合うライバルもいて、スコア争いが楽しくなっていきました。ライバルがいなくなった後は、自分自身への挑戦になっていって……。今後はハイスコアラーとしてだけでなく、エンターティナーとして、シューティングゲームを盛り上げていきたいと思った矢先に『バトルガレッガ Rev.2016』の発表ですよ。まさに、『ガレッガ』は私の夢を叶え続けてくれる存在ですね。

――なるほど。ところで、神威さんのいちばん好きなステージはどこですか?

神威 悩みますね~。ボスキャラクターで言えば、ステージ7(最終ステージ)中ボスのブラックハート2がいちばん好きなんですが、やっぱりステージ5かなあ。やり始めのころは、ステージ5のボスであるブラックハートのBGMを聴くために上達を目指していたんですよ。もちろん楽曲だけでなく、道中のアツさやボスのかっこよさも好きな理由です。

『バトルガレッガ Rev.2016』発表記念! 全一プレイヤーのT3-神威氏にインタビューしてみた_03
『バトルガレッガ Rev.2016』発表記念! 全一プレイヤーのT3-神威氏にインタビューしてみた_04
▲ステージ5のボス“ブラックハート”。マシンガンのように弾を連射しつつ、その弾道を左右に振る、通称“ワインダー”がとても美しい。でも、避けるのはたいへん。

『バトルガレッガ Rev.2016』、そして今後の“M2 ShotTriggers”に期待すること

――ステージ5の流れと言うか、演出も神掛かっていますよね。ところで神威さんのメインは『魔法大作戦』キャラクターのガインですが、ガインを選んだ理由はなんでしょう?

神威 『ガレッガ』に限らず、派手なキャラクターが好きなんですよ。見た目もカッコいいし、全キャラクター中、もっとも高いスコアを狙えるところも気に入っています。最初は4号機(ワイルドスネイル)を使っていましたけど。

――4号機も人気の機体でしたね。ところで、もし『バトルガレッガ』の流れをくむシリーズ最新作が出るとしたら、どんな作品を望みますか?

神威 『アームドポリス バトライダー』といった関連作もありましたけど、『ガレッガ』自体が奇跡の産物だと思うので、『ガレッガ』のエッセンスを詰め込んだ新作タイトルが作られたとしても、違う方向性のものになりそうな気がしますね。私は矢川さん(プログラマーの矢川忍氏。『バトルガレッガ』や『鋳薔薇』など、多くのシューティングゲームを手掛けた)が作るゲームが好きなので、もし新たなものが出るとしても、やっぱり矢川さんに作っていただきたいですね。

――名作が多いですからね。では、今後“M2 ShotTriggers”で出してほしいタイトルは?

神威 すでに発表された『弾銃フィーバロン』のように、家庭用ゲーム機に移植されていないタイトルが出たらうれしいですね。それこそ『アームドポリス バトライダー』や『バトルバクレイド』とか。ひと昔前の私なら「アーケードでしか遊べないのはもったいない」なんて、絶対に言わない台詞ですが(苦笑)。ハイスコア集計点にシューティングゲームファンが集まっていたころと違い、いまはゲームの動画配信や実況などで盛り上がる時代ですから。

――プレイステーション4なら、share機能もありますしね。

神威 ハードが1台あるだけで録画・配信ができるってスゴイ時代になったものですね。

――いまはうまい人のプレイを、動画などで誰でも気軽に鑑賞できますしね。神威さんのスコアアタックプレイも早く見たいです。では最後に、ひと言お願いします。

神威 私もそうなんですが、ハイスコアラーになった方の多くは、最初から「全一を獲りたい!」と思っていたわけではないと思うんですよ。クリアーするためのパターンを考えているうちにいつの間にかスコアを狙っていたとか、上手な方の稼ぎプレイを見て自分もやってみたくなったとか。だから、『バトルガレッガ Rev.2016』が発売したら、いろいろな方のプレイ動画がネット上にアップされて、それを鑑賞した方がまた興味を持って……といった感じで、シューティングゲームが盛り上がるきっかけになってくれたらうれしいです。

『バトルガレッガ Rev.2016』発表記念! 全一プレイヤーのT3-神威氏にインタビューしてみた_05
『バトルガレッガ Rev.2016』発表記念! 全一プレイヤーのT3-神威氏にインタビューしてみた_06

バトルガレッガ Rev.2016
メーカー エムツー
対応機種 PS4プレイステーション4
発売日 2016年発売予定
価格 未定
ジャンル シューティング / 戦争
備考 通常版はダウンロード専売。限定版パッケージ『バトルガレッガ Rev.2016 Premium Edition』(サントラCD、限定ブックレット、クリアファイル5種類同梱)は発売日未定、価格未定