【デジゲー博2016】で出展されたVRゲーム5タイトルのプレビュー

同人によるVRだって面白い!

【デジゲー博2016】で出展されたVRゲーム5タイトルのプレビュー
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2016年11月13日、秋葉原UDXで同人&インディーゲームのオンリーイベントである「デジゲー博2016」が開催された。本イベントには、プラットフォーム不問のゲームやライブラリ、制作ツールなどを製作、展示している。個人からパブリッシャーまで、様々なサークルが参加。時代を先取りするゲームのプログラミング技術や、世間に登場する前のゲームに触れることができる、ゲーマーなら必ず押さえておきたい内容となっている。

4回目となる「デジゲー博2016」では、VR系のタイトルが多数出展された。今年はVR元年とも呼ばれたが、インディーズ業界にもその波は届いているようだ。なお、VR系のタイトルは機材関係でスペースを取ることになるので、来年以降もVR系が増えるようなら、イベントを行う場所も考慮する必要がでてくるとのこと。VRゲームは身体全体を動かすゲームも多く、狭いと接触事故なども起こる可能性がある。イベントを運営する側の、これからの課題になりそうだ。

さて本記事では、「デジゲー博2016」に出展したVRタイトルから5つのタイトルを厳選し、インプレッションをお届けする。

平行世界の美少女をアイコンタクトで救う「星の欠片の物語」

「星の欠片の物語、ひとかけら版」は、ゲーム性のあるノベルゲーで名を馳せる、自転車創業が出展したタイトル。星の欠片に取り残された少女を助けるため、VRゴーグルで平行世界に迷い込んだプレイヤーが、アイコンタクトだけで謎を解いていくという内容だ。プラットフォームはPS VRを予定し、発売は来年春になるそうだ。

ゲームでは、プレイヤーがVRゴーグルを通して少女のいる平行世界を視認しているという設定。プレイヤーと少女は互いに認識はできるが、プレイヤーは基本的に視ているだけなので、物に触ることはできず、少女への声も届かない。一方、少女はプレイヤーを見ることができ、VRゴーグルを通して声を届けることもできる、といった感じだ。もちろん互いに存在する世界が異なるので、触れ合うこともできない。

このような“不便”な環境で、プレイヤーは視線とアイコンタクトで少女に指示を出し、異世界から脱出させるのがゲームの目的だ。VRゲームのもどかしさ(視覚だけ可能で、物体に触れることができない)を実際のゲームに落とし込んだことで、より没入感を鮮明にさせているのが本作の特徴と言える。

宇宙にある小さな星のような場所が舞台。プレイヤーがブレインとなり、少女を動かして脱出する方法を探ろう。

今回プレイしたデモ版では、少女と出会った後のチュートリアルまでを体験できた。ゲームの進め方は、まずは視線で動かすものを選択。その後、少女の目を見て、選択した物体の移動や操作を行うというもの。視線での選択はVRゲームでの常套手段だが、その後の展開が少女任せになるのが、不安でもあり面白いところでもある。ほんのさわり程度だったが、進むにつれてパズルも複雑化し、別の星に移動することもあるそうだ。近距離に少女、中距離に謎解き要素、遠距離に別の星という構図で、それらをVRゴーグルで見ながらパズルを解いていくという展開を考えているらしく、パズルゲームとしても歯ごたえのあるタイトルになりそうだ。また、少女の胸が思いのほか大きく思わず目がいってしまうのだが、自転車創業さん曰く、それは狙ってやっているとのこと。正確な物理演算の元、VR上で揺れまくる胸というのを再現したそうなので、こちらも見どころと言えるかもしれない。

今のところ、ストーリーやボイス、音声データなどの素材はすべて完成しており、あとはそれらを組み込むだけの状況で、可能ならば年内でのマスターアップを目指したいとのこと。2DのノベルゲームからいきなりVRゲームへと移行したため苦労の連続だと語る自転車創業さんだが、今回のひとかけら版はプロローグであり、その後に本編が続く予定だそうなので期待したい。なお、ストーリーの分岐などは未定だが、ゲームを進めていくことで少女との関係も変わっていくそうだ。ストーリー展開も楽しみにしておきたい。

周囲360度からゾンビが襲い掛かる「VRZ_Project」のゾンビシューティング

今年結成されたVR製作チーム「VRZ_Project」が出展したのは、迫りくるゾンビを銃で撃ちまくるゲームだ。HTC Viveを使用し、両手のハンドコントローラーで銃を操作する。

空中に浮いた2丁の拳銃が武器だ。8発撃ったらリロードしなければならず、無駄弾を撃っているとすぐにゾンビが近づいてくる

今回のデモでは、廃病院と草原でゾンビとのバトルを体験。廃病院は、一方からしかゾンビが出現しなかったのでそれほど難しくはなかったが、草原では四方八方からゾンビが接近。常にグルグルと周囲を警戒しなければならないため非常に忙しく、いつの間にかゾンビに攻撃されていることが多々あった。今回のプレイでは難易度を抑えるためにHPの概念がなく最後のボスまで進められたのだが、本番ではしっかりとHP制になるとのこと。それまでにゾンビと戦う腕を磨く必要がありそうだ。

草原ではゾンビ以外に、足の速いゾンビ犬も出現。背丈も低く気づきにくいので、いつの間にかハグハグ噛まれていることも

ドラゴンライダーの気分が味わえる「The Gunner of Dragoon」

「パンツァードラグーン」や「クリムゾン ドラゴン」をプレイし、巨大なドラゴンを操って大空を飛び回りたいと思った人も多いだろう。Hydrangeaが製作した本作は、そんな壮大な夢をVRで叶えてくれる体験型VRライディングゲームだ。

VRゴーグル以外に、HashilusのJOBAで上下に揺れ動くドラゴンの騎乗感覚を、風を送るサーキュレーターで空中を進む疾走感を実現。五感のほとんどをゲームに没頭させることができる作品だ。なお、本作は今年行われたニコニコ超会議2016にも出展していたが、今回はよりグラフィックの精度が向上し、さらに武装にレーザーが追加されていた。来年の2017年を目途に製品版が完成するとのことなので楽しみに待ちたい。

HashilusのJOBAに乗ってプレイする

富士山を眺めながらジェット機で遊覧飛行ができる「Concept Model 1- VR Preview -」

国土地理院が整備する基盤地図情報を元に、緻密に再現された富士山の周囲360 kmをジェット機で遊覧できるフライトアクションゲーム。旅客機からだと、小さい窓からしか外を眺めることはできないが、本作では周囲360度が開けた大パノラマを遥か上空で楽しむことができる。

雲の切れ間からのぞく富士山が美しい

ゲーム内の景色は現実の測量データを元に作られているので、自分の生まれ故郷などを探してみるのも一興かもしれない。時間が経つと、昼から夕方、そして夜へと周囲が変化し、地上にたくさんの光が灯る美しい夜景を見ることができる。

ロボット兵器ケルベロスを操作する「Kerberos simulator VR」

VRでどんなゲームがしたいかと聞かれたら、まずロボットに乗りたいと答えるのは男のサガと言えるだろう。ここで紹介する「Kerberos simulator VR」は、同じ考えを持った長岡技術科学大学のソフトウェア開発サークルが製作したロボットアクションゲームだ。

デモプレイでは、プレイヤーはケルベロスの操縦シミュレーターに搭乗。少女の案内の元、ロボットの操作に適性があるか、判断される。操作はWiiリモコンで行われ、ダッシュや武器の切り替えなど、アクション性に関わる細かい動作も可能だ。敵の動きをかわしつつ照準を合わせて武器を発射するという、ロボットアクションの基本がしっかりと構成されており、完成度が高い。

銃口から伸びる水色のラインが照準。武器は、弾を連射するマシンガンに弾丸が飛び散る散弾銃、強力なレーザーの3種類だ

Wiiリモコンを使用するため、今のところ製品化は考えていないとのこと。ひとまずはステージに多様性を持たせるといった、作品のブラッシュアップを最優先にしているらしい。

身体で音をキャッチするVR音ゲー「SEIYA」

リズムに合わせて飛んでくる星を、身体全体を動かしながら頭でキャッチする株式会社WandVのVRリズムアクションゲーム「SEIYA」。キャッチできると音が奏でられ、全部キャッチすると曲が完成する。

音ゲーはセンスが必要なことが多々あるが、星の軌道がそれほど複雑ではないので、難易度はそこまで高くない印象を受けた。「ダンレボ」のように曲調に合わせて身体を動かせば、コンボをつなげやすい。

この手の音ゲーでは使用する曲によって莫大なライセンス料がかかってしまうため、本作ではボカロやオリジナルの楽曲中心になる予定だ。また、今回はただ星が飛んでくるだけだったが、目の前にピアノの鍵盤が浮かび上がったり、エアギターをするなどのギミックも追加したいとのこと。製品化は来年あたりを考えているそうだ。

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