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「同人サークルを支援するための活動」同人サークル「Project ICKX」が語る同人フライトアクションゲームの未来【TGS2018】

千葉・幕張メッセにて9月20日から23日まで開催されたアジア最大級のゲームの祭典「東京ゲームショウ2018」。国内外の大手ゲーム会社による新作タイトルが注目されがちですが、インディーゲームタイトルも多く出展していました。

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千葉・幕張メッセにて9月20日から23日まで開催されたアジア最大級のゲームの祭典「東京ゲームショウ2018」。国内外の大手ゲーム会社による新作タイトルが注目されがちですが、インディーゲームタイトルも多く出展していました。

個人やサークル、独立系企業の開発チームによって作られたコンピューターゲームで、基本的には流通ルートを持たずに、PCやコンシューマーゲーム機でダウンロード配信されることが多いのがインディーゲーム。近年は『Minecraft』や『UnderTale』のように、メジャータイトルに負けない大ヒット作品も登場しています。



同会場のインディーゲームコーナーは連日大盛況で、人だかりが途切れることはありませんでした。その中でも気になったのが同人サークル「Project ICKX」。事前にTwitterで「取材に来て頂けるメディアの方を募集しております!」と呼びかけるなど、一際熱量の高さを感じさせました。公式サイトには「同人をプロデュースするサークル」と書かれています。

東京ゲームショウにおいてはビッグタイトルに限らず、インディーゲームの出展も多いのですが、同人サークルの出展はあまり聞いたことがありません。どういう活動をしているのかブースに伺いました。


本格フライトアクションゲーム『Vertical Strike Endless Challenge』


一般的には非商業ゲームを指す同人ゲームを開発する「Project ICKX」が出展したのは、最新作の3Dフライトアクションゲーム「Vertical Strike Endless Challenge」。「お手軽に爽快感を味わえる」「短い時間でもサクッと遊べる」事をコンセプトとして開発され、2017年4月28日に頒布、2018年7月5日にはニンテンドースイッチで配信を開始しました(税込498円)。

同ゲームは多彩な武器の組み合わせと、新世代の運動性能を発揮するリミッターカットを駆使して、敵の波状攻撃を突破していくというもの。敵飛行機を撃墜する「対空アーケードモード」、敵艦隊を撃沈する「対艦アーケードモード」の2種類のモードを用意しており、モード終了時にはTwitterへ投稿できるほか、世界中のプレイヤーとスコアを競う事ができます。



プロデューサーとメインプログラマーにインタビュー


同作の魅力と活動方針について、同サークルのプロデューサー・若葉氏とメインプログラマー・FROST氏が語ってくれたのは、フライトアクションというゲームジャンルの未来でした。

――いつ頃にサークルができたんですか?

若葉:
2007年に頒布された3Dフライトアクションゲーム『EFFY one of unreasonable "if"』を、2010年にリメイクした際にサークル活動が始まりました。今回のインタビューでは2名のみの参加ですが、他にもメンバーがいます。案件ごとにタスクフォースを組んでいるので、少ないときで5人、多いときは30人を超えるメンバーで制作しています。

――過去にいくつものフライトシューティングゲームを開発していますが、今作は集大成ですか?それとも違うアプローチになるのでしょうか?

FROST:
違うアプローチですね。『Vertical Strike Endless Challenge』から新しい作り方に切り替えたんですよ。それ以前とはゲームの自由度の高さも含めて大きく異なっています。

――これまでは同人活動がメインだった思いますが、ニンテンドースイッチ版配信をきっかけに商業に向かっていくのでしょうか?

若葉:
あくまで同人ゲームとしてのプラットフォームが増えただけであって、商業メインでやっていくわけではないです。我々はどこまで行っても同人なので。そもそもの活動目的が「同人ゲーム制作を支援するためのサークル」ですから。

――といいますと?

若葉:
同人ゲームがより作られやすい状況にしたいんです。我々がコンシューマーであるニンテンドースイッチでゲーム配信して好評を得ることができれば、後続の人が続きやすくなると思いました。同人ゲームって何?と言われたら、「ニンテンドースイッチダウンロードランキングの上位に入っているフライトアクションゲームあるでしょ?あれがそう(同人ゲーム)なんだよ」と言ってもらえるじゃないですか。

――では、これまではなぜ同人活動に専念していたのでしょうか?

若葉:
自分達の場合は商業化することに対して、大きなメリットがなかったことがあげられます。商業化のメリットはゲーム開発の時間を多く得られることで、デメリットは安定した収入を得にくいことです。

我々のサークルメンバーは全員本業を持っているんですよ。本業で十分に生活できるだけのお金を稼いでいるので、売れるために流行を追いかけることなく、我々らしい自由度の高いゲームが作りやすいんです。

ニンテンドースイッチ版だからできるプレイの仕方



――それではニンテンドースイッチ版で遊ぶ時の楽しさを教えてください。

若葉:
まずゲームの立ち上がりがとても早い。ニンテンドーのハードウェア、UIの優秀さが際立っていると思います。「電源ボタンを入れる」「同じボタンを3回押す」「それでゲーム開始」とプレイできるまで1分かかりません。今までこんな早さでフライトアクションゲームをプレイできる環境は存在しなかったと思います。

ゆえに、いつでもどこでも気軽に楽しめるんです。それこそ電車通勤・通学の途中に、鞄からニンテンドースイッチを取り出してすぐ始められる。電車に45分乗れるのならば、「よっしゃ、今日はあと15ウェーブ積んだろ!」となれる(笑)。

それと本作はウェーブに終わりがなく、いつまでもプレイできるのが特徴です。PC (Steam)版と違ってニンテンドースイッチの機能として、プレイを中断できるんです。なので、自分の体力が辛くなってきたら一旦休んで、次の日元気になったらまた同じ所から始められます。

FROST:
あとコントローラーの質が良いんです。一般的なJoy-Conも精度の高さはもちろんですが、ニンテンドースイッチ Proコントローラー(以下、プロコン)をぜひ買って欲しいですね。アナログスティックの部分で、高級な操縦桿(そうじゅうかん)を押したような繊細な操作性を体感できるんです。精度が高ければそれだけイメージ通りの操作を楽しめますから。

「将来的にはフライトアクションのムーブメントを起こしたい」



――最後に今後の目標をお聞かせください。

FROST:
今取り組んでいるのはオンライン周りです。皆で対戦したり、一緒に遊覧飛行できたりしたら楽しさが広がると思うんです。富士山周辺のマップの美しさを共有して欲しいですし、曲技披露とかしてワイワイ楽しんでもらいたい。とくに欧米圏ではほかのユーザーと競い合えるオンライン機能は強く求められています。日本に留まらず、世界中の人が本作をプレイしてくれたことがきっかけで、新しいフライトアクションゲームができればと思っています。

若葉:
あと、これからの話としてもう一個あるのが、コアの部分をフライトアクションゲームのフレームワークとしてオープンソースにしたいんです。それができれば、より多くの人がフライトアクションゲームを作れるようになりますしね。世の中が大フライトアクションゲーム時代を迎えられれば嬉しいです。

同人の世界の話に戻りますが、空を舞台にしたシナリオを書いている人って結構いるんですよ。だけど、ゲームシステムを作ることが難しいからゲーム化しようとはならないんですね。
実際、飛行機を飛ばすゲームの場合、ゲームシステムの部分だけでも大学数学レベルの教養がないと作る事が難しいです。

そこで、シナリオを書いた人へ我々がゲームシステムを「用意しました」という状況を作れれば、後は様々な同人ゲームで実績のある音楽、モデルなどの素材と組み合わせるだけで、フライトアクションゲームを土台にした同人ゲームを今より気軽に開発できるようになると思うんです。

フライトアクションゲームを同人の一つのジャンルとして確立できたら面白いと思っていて、ストーリーは恋愛でも、シリアスな軍記でもいいわけですよ。土台さえしっかりすれば、今まで想像もしなかった新しい表現がきっと出てくる。実際、それはノベルゲームが辿ってきた歴史ですし、我々の活動がそこまで繋がってくれたらなと考えています。


「Project ICKX」がこれまで制作してきたゲームの数々



公式サイト
「EFFY開発チーム」Twitter
Nintendo eShop
《乃木章》

現場に足を運びたい 乃木章

フリーランスのライター・カメラマン。アニメ・ゲームを中心に、親和性のあるコスプレやロリータ・ファッションまで取材。主に中国市場を中心に取り上げています。

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