インタビュー

あの「魂斗羅」が現代に蘇る! 「CONTRA ROGUE CORPS」プロデューサー中里伸也氏インタビュー

「CONTRA ROGUE CORPS」

9月26日発売予定

 KONAMIがE3期間中、電撃的に発表した新作タイトルが「CONTRA ROGUE CORPS」である。プレイステーション 4/Xbox One/Nintendo Switch/PC(Stem)向けに9月26日に発売予定。本作はアクションシューティング「魂斗羅」シリーズの完全新作であり、シリーズの楽しさを受け継ぎながら新しい楽しさ、現在のゲームでの楽しさを追求している作品である。

 今回は本作のプロデューサーを務める中里伸也氏にインタビューを行なった。スーパーファミコンの「魂斗羅スピリッツ」から多数のシリーズタイトルを手がけた中里氏は、今作にどんな思いを込めたのだろうか。

【CONTRA ROGUE CORPS [E3 2019 出展映像]】
「CONTRA ROGUE CORPS」プロデューサーを務める中里伸也氏

 「CONTRA ROGUE CORPS」はキャラクターの操作と、武器の向きをそれぞれ操作でき、ハクスラの要素を盛り込んだ3Dアクションシューティングである。最大4人での協力プレイに加え、最大8人での対戦モードも盛り込まれる予定だ。

 本作は4人のプレーヤーキャラクターから1人を選択、とにかく弾を撃ちまくり敵を殲滅していく。人間型だけでなく、パンダの義体に天才科学者の脳を移植したサイボーグ「ハングリービースト」や、捕獲されたエイリアン「ジェントルマン」といったイカしたプレーヤーキャラクターも用意されている。

 ゲーム性は派手でありながら緻密な面もあり、敵の死角から上手く攻撃したり、武器を切り替えたり、ジャンプアクションでかわしたりアクションゲームとして楽しい。また突進で敵を気絶させてから必殺技をたたき込むとカメラアングルが大きく変化、キャラクターのアップに成り、ド派手でエグイ演出が盛り込まれる。爽快感を重視したゲームだ。

 さらにベースキャンプで武器の強化が可能。また、敵から得たボディパーツを移植することでキャラクターを強化できる。収集した素材を使って非常に多彩な武器開発も可能。武器のカスタマイズが楽しめる。やり込み要素も用意されているのだ。

4人のキャラクターでオンラインマルチプレイが楽しめる

 今年は「魂斗羅」が生まれて32周年。……ちょっと記念年数としては微妙なのだが、様々なハードで「魂斗羅」の過去作が収録されたり、シリーズをまとめた「魂斗羅 アニバーサリーコレクション」が発売されたりと盛り上がる中、中里氏はずっとシリーズの新作を手がけたいと思っていた。様々なレトロゲームに注目が高まる気運も手伝い、企画を実現させたという。

 インディーゲームも含め、欧米では「魂斗羅」をリスペクトした作品が多い。その人気の秘密を中里氏自身はどうとらえているのだろうか? 中里氏は「兄弟や友達で楽しめる、2人で力を合わせて多数の敵と戦える、そのときの興奮がユーザーの心に深く刻み込まれたのではないか」と分析しているという。協力プレイこそシリーズの魅力であり、今作ではオンラインマルチプレイで距離を超えて楽しむことができるところは大きなセールスポイントとなっているとのことだ。

 もう1つが、「わかりやすさ」。コントローラーを握ってすぐプレイできる。ルール説明など複雑な駆け引きはなしで楽しめる。そういう間口の広さを持ちながら、やってみると歯ごたえがあり、敵に倒されてのめり込みながら攻略する、そういう奥深さを持っているシリーズの魅力を今作でも追求したとのことだ。弾幕シューティングのような「日本のお家芸」の緻密さも注目して欲しいという。

各キャラクターの必殺技も

 「ゲームはすごく進化し、高尚だったり、複雑なテーマも描けるようになった。それはそれで素晴らしいんですが、一方で昔のゲームが持っていたツッコミどころ満載の大味さや、良い意味でのB級感、そしてだからこそ生まれる熱量、そういうものが少なくなっている気がするんです。『CONTRA ROGUE CORPS』はそういう楽しさも追求しています」と中里氏は語った。

 「魂斗羅」といえば2D横スクロールのイメージが強い。しかし今回はあえて3Dグラフィックスを採用したのは4人での協力プレイを実現したかったからだという。2D横スクロールだと、4人のキャラがいるとごちゃごちゃしすぎてしまう。遊びやすさを考えた舵取りとのことだ。今後の要素だが、8人対戦も実に「魂斗羅」らしい対戦が表現できているとのこと。こちらも大いに期待したいところだ。

 今作は協力プレイと迫力満載のカメラアングルを両立できたのも大きなウリの1つ。オフラインプレイだとプレーヤーキャラ全員を表示しなくてはならないためカメラは常に引きになってしまうが、ネットワークプレイならば各プレーヤーは自分のキャラクターだけの表示で良い。このためキャラクターのアップなど思い切った演出を盛り込めたとのことだ。3Dグラフィックスは演出面でもフレキシブルになり、横スクロール、縦スクロール、さらにはライドシューター風など、様々なカメラアングルを採用でき、シームレスに変化するとのこと。特に各キャラクターの必殺技は、コレまでやりたいと思ってできなかった要素とのことだ。

カスタマイズなどのやりこみ要素も

 シリーズ初期はスタッフ数人でゲームを作っていた「魂斗羅」だが、今は大人数の開発スタッフが参加する体制になっている。このため「どんな方向でゲームを作っていくのか」というのを提示するのにエネルギーと手間が必要となる。このため映画の"プリビズ動画”のような映像を作り、これを提示してイメージの統一を図っている。キャラクターのアクションはこうさせたい、必殺技のドリルのイメージはこう。など色々なイメージ共有素材を用意し、提示しつつ、そこから「CONTRA ROGUE CORPS」ならではのシーンへさらに持って行ったという。

 そして、本作の「手軽さ」は改めてアピールしたいと中里氏は語った。昨今のゲームは強いテーマ性も持つがゲームをプレイするのにも覚悟がいる。電源を入れて、何も考えず夢中になれ、いつでもすっきりとやめられる。そういう"軽さ"をもった「気楽にでかい銃をぶっ放し、すっきりして、明日からもがんばろうと思えるゲーム」を目指したと中里氏は語った。

 ファンへのメッセージとして中里氏は「昔からのファンも、今までシリーズを知らなかった人も、誰でも歓迎です。是非期待して下さい」と語りかけた。

 今回取材して改めて本作の海外での人気を実感した。メディアでの体験会でも盛り上がり、インタビューの後には中里氏にサインを申し込むファンもいた。今回、様々な新しい要素を取り入れた「CONTRA ROGUE CORPS」だが、今作をファンがどのようにプレイしていくか、注目したいところだ。

取材に来ていたメディアのファンからサインを頼まれる中里氏