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アーケードへ7年ぶりの再挑戦。タノシマスによる「アカとブルー タイプレボリューション」カンファレンスをレポート
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印刷2019/11/14 17:54

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アーケードへ7年ぶりの再挑戦。タノシマスによる「アカとブルー タイプレボリューション」カンファレンスをレポート

 タノシマスは2019年11月13日,東京・新宿フラックス SF Dining&Barにおいて「アカとブルー タイプレボリューション」のカンファレンスを開催した。

 「アカとブルー タイプレボリューション」は,11月27日に稼働開始予定のアーケード向けの縦スクロール型シューティングゲームで,スマートフォン向けのタイトルである「アカとブルー」iOS / Android)を改修したものだ。プラットフォームには,新規開発されたWindowsベースのアーケード基板・exA-Arcadiaが用いられている。

 カンファレンスは高田馬場&池袋ゲーセンミカドのイケダミノロック氏によるあいさつと,プレゼンターであるタノシマス代表取締役・木村浩之氏および,exA-Arcadia開発に携わるShow Me Holdings社長エリック・チャング氏の紹介でスタートしたが,最初に行われたのは木村氏とチャング氏による謝罪だった。もともとexA-Arcadiaおよび第1弾タイトルである「アカとブルー タイプレボリューション」は6月にリリースされる予定だったが,さまざまな事情で11月までずれ込んだという。

謝罪でスタート。写真左の左から木村氏,チャング氏,イケダ氏
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 謝罪に続けて行われたのは,今後exA-Arcadia基板でリリースされるタイトルの紹介だ。その1つ目は,1月の「ジャパン アミューズメント エキスポ 2019」でお披露目された「ギミック!」関連記事)。同作は16bitテイストにリメイクされており,スプライトは全面的に刷新,サウンドは並木 学氏が担当する。2つ目は「FIGHT OF GODS 神々の戦い ARCADE EDITION」で,4体の新キャラクターが追加される。3つ目に挙げられた「ブレイジング孔炉武(クロム)AC」は,BGMを古川もとあき氏が担当するとのこと。詳しい説明は諸事情により伏せるが,“スーパー”な意味で,このうえなくぴったりなコンポーザだ。そのほか,「Battle Princess Madelyn」もリリースされるという。

 さらに,F K Digitalが参入することも発表された。F K Digitalのアーケードゲームと言えば「カオスコード」。exA-Arcadia版の正式タイトルは未定のようだが,NESiCAxLive版に“NEW SIGN OF CATASTROPHE”というサブタイトルが付けられていたように,言葉遊び的なタイトルになるのではないだろうか。

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サン電子から1992年に発売された同名タイトルのブラッシュアップ版となる「ギミック!」
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ある意味で真の“神ゲー”な「FIGHT OF GODS 神々の戦い ARCADE EDITION」
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「ブレイジング孔炉武AC」は,航空機に片手でぶら下がりながらマシンガンを撃ったりするような,伝統的ラン&ガンスタイルのアクションゲーム
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「アクションゲームの世界に入って大冒険を繰り広げたい」という娘の願いに応えるため,開発がスタートした……というエピソードで知られる「Battle Princess Madelyn」も登場
F K Digitalが「カオスコード」(仮)をひっさげてexA-Arcadiaに参戦
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exA-Arcadiaのマザー基板とROMカセット。ROMは地球の記憶を封じた某メモリとサイズが似ているので,木村氏はたびたびそれをネタにし,チャング氏からは「(形だけの)変身ベルトを作りましょう」という発言も飛び出した
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 exA-Arcadiaに続いては,いよいよ「アカとブルー タイプレボリューション」のプレゼンだ。本作は,定義的には“exA-Arcadia向けの「アカとブルー」移植作”と言えるが,木村氏は単なるエディション違いではなく,2年をかけて9割がたを新規に制作した,実質的な新作であると語る。内容的にも別タイトルであるため,「アカとブルー」と「アカとブルー タイプレボリューション」をアーケード版/スマートフォン版と呼称するのも好まないとのことだ。

 そんな「アカとブルー」と「アカとブルー タイプレボリューション」を比較したとき,まず目につくのが画面構成の違いだ。解像度は「アカとブルー」の720pから,「アカとブルー タイプレボリューション」では1080pにスケールアップ。また,「アカとブルー」の自機は小さい画面での視認性を確保するためフラットな白をベースにしていたが,その制限がない「アカとブルー タイプレボリューション」の自機はハイディテールにリデザインされたうえ,リアリティのあるカラーリングにされている。

膨大なアップグレード項目
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リニューアルされたグラフィックス
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 敵も,とくにボスはデザインが大きく変わっている。例として挙げられた1面ボスは,基本的なパーツ配置に変わりはないが,デザイン自体は別物と言っていいほどだ。ザコ敵の見た目は基本的に変わっていないが,アニメーションのパターンが倍になり,より複雑な動きをしてくるという。そのほか,背景グラフィックスも大画面での描画に堪えられるよう刷新されている。

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分かりやすく言うと「画面が綺麗」ということ
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 キャラクタービジュアルもリニューアル。全般的にほっそりとしたテイストとなり,公式設定か単なるジョークかは不明だが,木村氏は「カルシウムを取ったから身長が高くなっている」と語る。ボイスに変更はないが,高音質になったり通信ノイズが新しいものに差し替えられたりしているそうだ。

「アカとブルー」の水彩風から,グレードアップの意味でセルアニメ風になったという「アカとブルー タイプレボリューション」のキャラクタービジュアル。ゲーム本編におけるボイスの差し替えはないが,チュートリアルモード用にブルーの新ボイスが追加されている
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 BGMは,複数のコンポーザによる「アカとブルー」楽曲のアレンジ版が用いられ,オリジナルコンポーザのWASi303氏はプロデュースに回る。これは,楽曲的には「アカとブルー」の時点ですでに完成されたものとなっているため,新曲への置換やWASi303氏自身でのアレンジをするのではなく,他のコンポーザによるアレンジという方法を選んだそうだ。

 アレンジを担当するのは,佐藤豪バンドFANTOM IRISO.T.K.の3組。便宜的に“コンポーザ”と述べてきたが,実際のところ“バンド”によるアレンジとなる。また,ゲストギタリストとしてIIJIMA Jouji氏とイケダ氏も参加する。

 楽曲はアレンジだけでなく,佐藤 豪氏による新曲も使用される。新曲のタイトルは「V.V」……シューターなら2つ目の“V”を“ファイブ”と読みたくなるところだが,正しい読み方は“ブイブイ”であり,あるものを象徴した曲名なのだとか。この曲は「選ばれたやつだけが聴ける」とのことなので,隠しルートか真ボスか,何かしらの高難度エリアで使われるのだろう。佐藤氏は効果音も担当しており,「アカとブルー」からSE数が3倍以上に増えているとのことだ。

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 「アカとブルー タイプレボリューション」はビュウリックスに代表される9:16画面と,ブラストシティに代表される3:4画面(どちらも縦画面の場合)に両対応している。描画サイズが違うとゲームプレイも変わってしまうものだが,その点はしっかり対応しており,どちらの描画モードでも同じプレイフィールを得られるように設計しているという。また,横画面(16:9/4:3)にもレターボックス方式で対応する。

9:16モードでも3:4モードでも,同じ入力を行えば同じ結果になるというデモ映像。微妙にズレているように見えるが,自機の位置からすると4:3側の動画が数フレーム先行しているようだ。視界的には16:9モードの方が広いので,その意味ではプレイに(ほんの少しだけ)有利だろうか……?
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 システム的にも,1年半にわたって行われてきたロケーションテストで寄せられた意見をもとに改修が行われている。その最たるものが,プレイの長時間化を制限するための,ボムの仕様変更だ。

 「アカとブルー」はボムで敵弾を消すことがスコア稼ぎの中核となっているため,スコア稼ぎには「ボスをできるだけ長生きさせて,たっぷり弾幕が撃たれるのを待つ」必要があった。それが,「アカとブルー タイプレボリューション」ではボム発動中に敵を撃破したり敵に撃ち込んだりすることがスコア稼ぎの中核となり,よりアグレッシブかつ短時間で終われるようなゲームデザインとなっている。

 さらに,ボスは一定時間の経過で,非常に強力な攻撃をしてくるとのこと。その強力ぶりは,シューティングゲーム界のトッププレイヤー・ちゃんたけ氏にテストプレイをしてもらい,そんな人物でも対処できず死ぬことを確かめたというのだから,折り紙付きだ。

 また,プレイの模様を第三者によって録画される事態に対するクレームが少なからずあったことや,ゲームの製品価値を保つ意味もあり,ゲーム画面の録画は基本的に全面禁止とされる。これはどちらかと言うとプレイヤーのモラルに関する問題だが,ガイドラインを敷くことや,その例外に対応することなどが難しいため,こういった姿勢を取るという。

 ご存知のとおり,プレイ動画を撮影してアップロードすることは,プレイヤーに無許可で行うと不快にさせるだけでなく,上映権の侵害という法的問題にも抵触する可能性がある。ゲームを早く攻略したい,あるいはプレイを他人と共有したいという気持ちが強い人はいるだろうが,倫理上・法律上のルールとして納得してほしいところだ。なお,これはプレイヤーでなく店舗オペレータに向けたものだが,スコアアタックモードに関しては,事前にタノシマスへ申請すれば配信を許諾する場合があるという。

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 終盤,木村氏は「アカとブルー タイプレボリューション」にかけた想いを語った。2012年にリリースされたアーケード向け弾幕シューティングゲームの開発に携わっていた同氏だが,そのメーカーはそれを最後にアーケードゲーム事業から撤退,アーケードゲーム市場としても,基板売り切り型のタイトルは現状それが最後となっている。その後,スマートフォン向けのソーシャルゲーム開発へと移行したが,結果は木村氏いわく「惨敗」。

 世情から「練習してうまくなり,クリアする」というレガシースタイルのゲーム開発を否定されているような感覚を覚え,2013年にはゲーム開発から手を引くことも考えたそうだが,ゲーム業界の仲間達に支えられ,「アカとブルー」の制作に踏み切ったという。

 言うなれば「スマートフォン市場という新時代に負けた」木村氏だが,「アカとブルー」をリリースしたプラットフォームもスマートフォン。「アカとブルー」には「俺は,これでもお前には感謝してるんだぜ。もう空は飛べねえって思ってたからな」というセリフがあるが,これは木村氏の所感を現しているという。


 しかし,「アカとブルー」をリリースしても“やりきった感”は得られておらず,それが「アカとブルー タイプレボリューション」につながったという。「アカとブルー タイプレボリューション」のPVで用いられている「残念ながら,まだ終わらんよ!」「どんなに高くても,どこへだって行ける!」というセリフには,実質的に崩壊したアーケードゲームの基板売りへ再挑戦することへの想いが込められているそうだ。


 最後に,Twitterで行われた「ダサいチラシ選手権」の結果発表が行われた。この企画は,その名の通り「アカとブルー タイプレボリューション」を宣伝するためにダサいチラシのデザインを公募するというもの。最優秀賞に輝いたのは,壁@ラクガキモード氏による,田舎のスーパーマーケットの年配スタッフだって,もうちょっとマシなチラシを作るだろうというひどさ(良い意味で)を誇る作品だ。

イケダ氏は,とくにお気に入りなのが右下の最悪なワードアートで表現された「さあ行こうか」であると語る
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 このダサいチラシは,Tシャツにされて壁@ラクガキモード氏に贈られる。そのTシャツを着て往来を闊歩し,極度のダサさぶりで「アカとブルー タイプレボリューション」をアピールするのは,本望というか,自業自得というか,まあ,とにかく一興だろう。壁@ラクガキモード氏の活躍に期待したい。

 タノシマスは,年末にトークライブを開催する。ここではカンファレンス以上の「もっとすごい話」をするとのこと。気になる人は,同社Twitterアカウントをフォローするなどして,詳細の発表を待とう。


「アカとブルー タイプレボリューション」公式サイト

exA-Arcadia公式サイト

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