INDIE GAME WEEK:インディー界の一大ジャンル!シューティングゲームピックアップ

STG収穫期!

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IGN JAPANでは10月26日から31日の1週間を「INDIE GAME WEEK」と題し、ライターがピックアップした作品のプレビューをお届けする。エントリー作品のトレーラーはこちらで公開されているのでチェックしてほしい。


INDIE GAME WEEKでは150以上のインディーゲームが参加しているが、今回はその中でも筆者が好物とするシューティングゲーム(以下、STG)を取り扱おう。というのも、筆者のTwitterで本イベントを宣伝した結果、STGコミュニティに発見され、多くのSTGがエントリーされたからだ。完全なるマッチポンプと思われても仕方ないが、普段はSTGを扱うことは非常に限られているため、そのあたりはご容赦いただきたい。

エントリー作品の中では既にレビューなど紹介しているものもある。重力があるステージをアクロバティックに飛び回る『Jet Lancer』や、格ゲーのようなコマンドで戦う狂気の弾幕STG『∀kashicverse-Malicious Wake-』がそれである。これらは素晴らしいタイトルであるが、ここではまだIGN JAPANで紹介されていないSTGをメインとして紹介したい。

Mechanical Star Astra

今回のエントリー作品の中で、STGファンが最も期待すべきなのは本作だろう。ケイブの弾幕STGに強く影響を受けた本作は見た目はオーソドックスながらも、非常に丁寧につくられたレベルデザインとスコアシステムで弾幕STGファンを魅了することは間違いない。

メインショットで敵に張り付き、緑のキューブアイテムを回収してスペシャルウェポンのゲージを増やし、弾幕が濃いところでスペシャルウェポンを発射、大量のスコアアイテムをゲット。いわゆる「錬金」と呼ばれるスコア稼ぎが非常に楽しく作られており、レベルデザインもスコア稼ぎを強く意識したものだ。しかしながら、残機制とヘルス制を併用したり、切り返しやチョン避けなど実践的なテクニックを学べるモードを用意したり、初心者にも配慮されている。特に際立った特徴がないものの、完成作品が非常に待ち遠しい。

Squadron 51

エントリー作品の中でも最も異色な作品の本作は、実写映像や画像を多用した横スクロールSTGだ。ぶっちゃけゲーム自体はオーソドックスな横スクロールSTGであり、メインショットと2つのサブウェポンで左右上下から襲ってくる敵を撃破していく。サブウェポンは複数の中から選択でき、敵を倒すことで貯まるゲージを使って発射する。STGとしての出来もオーソドックスであり、デモでプレイできた3つのステージはしっかりとしたレベルデザインではあった。

しかし本作は何よりもその演出が重要。カットシーンはすべて白黒の実写で描かれ、昔の特撮映画のような雰囲気でストーリーが物語られる。ゲーム中もずっと無線での会話が行われ、見た目やサウンドとしてはかなりリッチに感じる。音声言語はブラジルのポルトガル語であるため、さすがにゲームをしながら英語の字幕を読むことは無理があった。このあたりはローカライズに期待したい。また機体やステージの構造物もミニチュアの模型の画像で取り込まれており、それらが爆発する風景などは特撮映画にはたまらないものであるだろう。

BLUE SABERS Early Mission

日本のベテランSTG同人サークルBlue and Whiteが長年開発している13年ぶりの新作! リリース日は未定だが、Steamでのストアページが公開され、近いうちの発売が見込めそうだ。ゲームの最大の特徴は大型な補給機を呼び出し、3種類の特殊兵装の補給を行うシステムだ。

ワイドショット、ミサイル、レーザーといった3種類の特殊兵装はどれも強力だが、乱発すると弾薬はすぐに尽きてしまう。そこで自機は補給機を呼び寄せ、兵装の補給を行うというわけだが、そのときのドッキング演出とゲームプレイがミリタリーファンやロボットファンにはなかなか熱い。ドッキング状態だと当たり判定が大きかったり、ショットの種類が限られたりとデメリットがあるが、蓄積したダメージはドッキング解除時に回復するシステムになっている。そのため本作はどのタイミングで補給機を呼び出すかを戦術的に考えるゲームとなっており、ありそうでなかったSTGと言える。開発期間が長いため、ビジュアル面ではやや古びてしまった部分があるが、そのアイデアとSTGへの愛情は確かなものだ。ぜひとも完成版を遊びたい。

DreadStar: The Quest for Revenge

RPG的な成長やカスタマイズ要素を大きくとりいれた縦スクロールSTG。アーケードゲームのようにステージを通しでプレイするのではなく、探索可能なステージを自由に選択してプレイし、カスタマイズのために必要なお金を稼いでシップを増強し、さらに奥深く探索するという流れだ。ショップ画面やカスタマイズ画面もSTGよりもRPGという雰囲気が強く、丁寧に描かれたドット絵はなかなか見応えがある。

全体のゲームループはうまくまとめられているが、ややステージのレベルデザインは単調に感じるところもある。ただ巨大なボスや多種多様の武器やアップグレードアイテムは魅力的で、STGが苦手な人もコツコツと楽しむことができるのが特徴だろう。ゲームは10月20日に発売されたばかり。日本語ローカライズはされていないが、ゲームプレイ上は問題ないだろう。

Wings of Bluestar

90年代後半のSTGの雰囲気を存分に味あわせてくれる作品。カラフルな背景の横スクロール、アニメ調のキャラクター、ハイエナジーとフュージョンが合わさったダンスサウンド。これらのモチーフは実際には80年代カルチャーに属するものだが、STGに取り入れられたのは90年代後半だった。要するに「マクロス」シリーズのような世界観(かっこいい戦闘機、ロボット、美少女、アイドル音楽)をゲームにするには、この時代まで待たねばならなかったのだ。

本作はそんな要素がこれでもかと散りばめられている。アニメ風のカットシーン演出に、ビジュアルノベルのようなストーリー進行、アイテムを取ったときの派手なSE、画面の奥や手前から登場するボス演出。ゲーム自体は非常に基本忠実ながらも高いレベルでまとまっており、LとRのトリガーでタレットを回転できるのは意外にも珍しい。ゲームは完成しているが、現在のところ、英語版のみ。リッチなストーリーを存分に楽しみたいので、日本語化に期待したい。

クリオネコ

日本のインディーゲームである本作は、「クリオネコ」と呼ばれるクリオネと猫を足して2で割ったようなかわいい生き物が主人公のSTG。敵は海の生物で、パワーアップアイテムはお寿司。奇想天外でかわいらしい世界観が特徴だが、意外にもゲームは骨太の横スクロールSTGだ。

一番の特徴は武器アイテムを消費する「寿司ボンバー」。いわゆるボムにあたる攻撃であり、敵を一掃できるが武器は破壊され、ストックされたものに置き換わる。寿司にちなんだ武器は直線的なショットやワイドショットから近接攻撃まで多種多様で、クセが強いものもある。そのため、「寿司ボンバー」を放つときには次の武器(お寿司)を意識していく必要がある。また敵に張り付くことでアイテムを稼ぐことができるなど、STG好きのツボを抑えたシステムも入っている。

1993 Shenandoah

名前のとおり、1993年頃のSTGを意識した作品で、おどろおどろしい雰囲気は「グラディウス」や「R-TYPE」の影響を強く感じさせ、濃いキャラクターのグラフィックは海外のゲームらしさがある。内容は『DreadStar: The Quest for Revenge』と同じく、RPGのような成長システムを採用しているが、どちらかとえいば『グラディウスIII』の路線にあるパワーアップのカスタマイズかもしれない。とはいえ、武器の数は本当に膨大。

ステージのデザインも当時のSTGを再現するような難易度が高いものになっているが、360度に回転可能なシールドが標準搭載されているため、思ったよりも難しくない。敵が後ろから出現する場面はシールドを後ろに展開して前方に出るという戦略を。「R-TYPE」のフォースの付け替えよりも簡単にできるので良い。とはいえ、高速な自機狙い弾がガンガン飛んでくるため、シールドを使った攻略が前提になっているように思われる。

Star Hunter DX

『Space Moth DX』で知られる1CC Gamesの新作はケイブの弾幕STGを強く想起させる横スクロールSTGだ。というのも、通常ショットとボムという基本システムに加えて、時間(敵弾)をスローにするギミックを取り入れている。その間に敵を倒すと敵弾がアイテムになって回収できるというのも、「エスプガルーダ」などにあったアイデアだ。

ただフォントのデザインやカットシーンはよりレトロな方向性を打ち出しており、80年代風のシンセ音が鳴り響く爽やかなサウンドトラックと共に統一感のある雰囲気を作っている。ビジュアルイメージは前作の『Space Moth DX』ほどのインパクトはないが、安定した面白さを感じさせる内容となっている。

SPACE / MECH / PILOT

最後に紹介したいのは、STGとは言えないが、STGをテーマにした作品。ゲーム自体は単純なクリックゲーム&放置ゲームであるが、見事なストーリーテリングで孤独な世界におけるコミュニケーションを描いてくれる。

戦闘(?)は完全にオートであるため、プレイヤーはレベルアップと共に獲得したポイントで、自機のアップグレードやSocial Statusと呼ばれるパラメータを伸ばしていく。その過程でどこか見知らぬ宇宙を旅するKATOというネコのようなキャラクターとコミュニケーションを深めていくのだ。なかなか説明しづらいゲームだが、ゲームプレイ以上にKATOとのやりとりが楽しいストーリー重視な作品。

KATOの可愛らしいビジュアルとセリフで気になる人も多いだろうが、『Undertale』や『OneShot』におそらく強く影響を受けた内容は日本でもカルト的な人気が出る可能性は高い。日本語はまだないが、無料のゲームなので、気になった方は実際に試して見てほしい。

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