PC

クラシックゲームをピクセルじゃなくてボクセルで楽しめるエミュレータ『3dSen』

影までついてるぞ

※購入先へのリンクにはアフィリエイトタグが含まれており、そちらの購入先での販売や会員の成約などからの収益化を行う場合はあります。 詳しくはプライバシーポリシーを確認してください">詳しくはプライバシーポリシーを確認してください

さっそくだが、世の中にはファミコンやメガドライブ、スーファミ、PCエンジンなどの古いゲームを遊べるエミュレーター機をご存知だろうか?

こういった互換機に関して話をすると、法律の問題はどうなんだという人もいるだろうが、ハードの機能をエミュレートすること自体は基本的に問題ない。ソフトのデータとなるものを不当に手に入れることは著作権法などに抵触するので気をつけてほしい。僕自身、レトロフリークはHDMI出力が標準でついているため、配信の仕事でクラシックゲームを取り扱うときには大変重宝する。

こういった互換機は主に中国やインドネシアなどで生産され、世界各国に流通しているわけだが、最近は技術の発展もあって、その再現度がかなり良くなっている。物によっては実機との差が感じられないどころか、『悪魔城伝説』のように特殊チップをのせた音源を再現しているもの出てきている。

さて、今回はエミュレーターの世界について話に来たわけではない。

ここ最近、ファミコンのロムデータからゲームを起動したら、3Dグラフィックで遊べるという不思議なエミュレーター『3dSen』がSteamにあると聞いた。さっそくこれを購入して遊んでみたため、この感触をお伝えしたい。

先に感想を話すと、今まで色んなエミュレーター機でファミコンのゲームを遊んできたが、この『3dSen』はよく再現できているだけでなく、更にその先の「ピクセルのボクセル化」に成功しているで大変感心させられた。

『3dSen』だけではなく、ファミコンゲームのROMデータを吸い出す機械と、ROMカセットを用意しよう。

当たり前の話だが、この『3dSen』の中にファミコンのゲームが入っているわけではない。

じゃあ、どうやってボクセル化されたファミコンゲームを遊ぶのかというと、プレイヤーが遊びたいタイトルのROMデータをROMカセットから機械で吸い出し、それをPC上に置いた後に『3dSen』で起動すると遊べるようになる。

現在、この『3dSen』で遊べるゲームは70種類ほどに留まっている。

ソフト側が勝手にゲームのピクセルをボクセル化するわけではないので注意。このGeod Studioがソフト毎に調整を行ない、対応したタイトルのみがボクセルリメイクされて遊べるようになっているというわけだ。そのゲームを遊ぶためにはソフトの吸い出しをユーザーが行なう必要がある。つまり、自分の所有しているソフトを特殊なエミュレーションソフトで楽しむというわけだ。

吸い出したデータは可能ならばデスクトップ上ではなく、Cドライブに置いておくことをおすすめする。というのも、『3dSen』でROMデータを読み込む際、読み込むファイルを探す時にデスクトップに置いたままにすると、深い場所まで探さなければならないからだ。

余談だが、海外ではこの手の非公式なファンメイドのリメイクは盛んに行われていて、中国では『スーパーマリオブラザーズ』の操作キャラをマリオから別のキャラクターに変えていたり、アメリカの方では『ドラキュラ2 呪いの封印』で、住人の会話メッセージをゲームとして有意義な物に変更したりと、ROMデータを改変したファンメイド作品が存在する。

『3dSen』で新しいクラシックゲームが変身!

さて、準備が終わったら、『3dSen』を起動。

メニュー画面はものすごく簡素なものになっているが、これで問題ない。まずはじめに「SETTEING」の真ん中のボックスからコントローラーパッドの設定をしておくと良い。ここで、プレイヤー1の設定になっていることも確認しておくこと。上のボックスのメニューは標準的なゲームの設定項目なので、義務教育レベルの英語がわかっていたら設定できるだろうし、基本的にほとんどいじることはない。

その後は左側にある「GAME」というタブをクリックして、ボクセル化された遊びたいゲームを選ぶ。

すると画面上にズラッとファミコンソフトのタイトル一覧が出る。この中から自分の持っているROMデータを選択する。

今回、試せたゲームは『けっきょく南極大冒険』、『スーパーマリオブラザーズ』『スーパーマリオブラザーズ3』『ギャラガ』『テトリス(BPS版)』を試してみた。本当ならもっとタイトルを所有しているのだが、ほとんどがディスクシステムで、ディスクシステムのROMデータはこのソフトは対応していない。

まずはじめに選んだのは『スーパーマリオブラザーズ3』。起動したらはじめに舞台の緞帳が上がっていくオープニングが印象深いが、この舞台に奥行きがあることに気づく。ここでマウスカーソルか、パッドで設定したボタン(僕の場合はスティック)を動かすと、画面そのものを傾けてボクセルの作りが確認できる。

そこからゲームのプレイに入ると、今まで遊んでいた『マリオ3』が平べったい紙の上で遊んでいたものが一気にダンボールで作ったような厚紙感になっているではないか!ボタンのラグの確認に1-2では土管から永久に出てくるクリボーを踏み続けての無限1UPにも挑戦するが、こちらも入力タイミングのラグも無く問題なくできる。操作感もバッチリだ。

プレイしてくると言葉で言い表せない感動がこみ上げてくると同時に。それと同時にこのためにここまで努力したことに、六畳一間の空間で一人、笑い転げてしまった。

続いてKONAMIの『けっきょく南極大冒険』をプレイ。これは海外では「Antarctic Adventure」に変わっているので、選択する際には気をつけよう。

さて、この『けっきょく南極大冒険』だが、プレイを何度か試みたが、残念ながら結果としてプレイできなかった。別日に改めて知り合いの持っているROMデータを入れて試してみたが、それでも無理だったので、どうやら日本版の『けっきょく南極大冒険』はこのソフトに対応していないようだった。

もしかしたら海外版のROMでないとこのソフト起動ができないことがあるのかもしれない。もし、ROMデータとカセットを持っている場合は、こういったタイトルがあることも踏まえてこのソフトを買うといいだろう。

『マリオブラザーズ』も認識しなかったソフトの一つだった。もしかしたら、『マリオブラザーズ』はバージョンが海外版でも複数あるので微妙なバージョン違いで起動できないのかもしれない。

気を取り直して、『ギャラガ』を遊んでみたらこちらも立体的になっている!

ゲーム画面の回転は際限なく行えるため、試しに横向きに反転させてみたら、ちゃんと左右逆になっても自機と敵キャラクター反転して認識で居るようになっている。これはあくまで背景が黒ベースでその他は点しかない『ギャラガ』だからできるのであって、他のゲームでは成立しない。

ちなみに、ゲーム画面を上の方に傾けると、アーケードゲームを遊んでいるような錯覚になるのでおすすめ。

続いて『テトリス(BPS版)』を起動すると、こちらもテトリスのブロックに奥行きができていているのだけど、最初の『マリオ3』の感動がすごすぎたのと、テトリスという画面代わりの乏しいゲームは少々物足りなさを感じた。

最後に『スーパーマリオブラザーズ』を検証すると、意外にもこれが一番驚かされたものとなった。

まずすごいのが、タイトル画面がうねっていること。写真では分かりづらいけど、タイトルの『SUPER MARIO BROS.』と書かれたボックスが、風が吹いたときの旗のようにうねっている。

プレイを開始すると、マリオやスーパーキノコ、クリボーと言ったキャラクターがまるで新しいキャラクターの様に作り変えられている。『マリオ3』とは大違いだ。画面を傾けると、ちゃんと奥行き感を出すためにマリオと背景の間にブロックが一つ置かれている。奥スクロールの向きで遊んでいるとWiiで発売された『スーパーペーパーマリオ』のような感じになる。

背景の雲も、風に吹かれているかのように移動しており、最近の2Dマリオ作品に近いように作られている。もちろん、最後のゴールフラッグもはためいている。ここまで作り込まれているのは流石『スーパーマリオブラザーズ』というとこだろうか。もうここまで作り込まれていると、いっそのこと任天堂で『真・スーパーマリオブラザーズ』として公式作品を作って欲しいと思うくらいだ。

今回手元にあるタイトルで検証したのは以上のものだったが、さらなる検証ができる人のために、現在このゲームで対応しているタイトルを一覧で紹介しておこう。

・Adventure Island 『高橋名人の冒険島』

・Adventure of lolo 『アドベンチャーズ オブ ロロ』

・Adventure of lolo 2  『アドベンチャーズ オブ ロロ 2』

・Adventure Of Lolo 3 『アドベンチャーズ オブ ロロ 3』

・Antarctic Adventure 『けっきょく南極大冒険』

・Arkanoid 『アルカノイド』

・Balloon Fight 『バルーンファイト』

・Batman 『バットマン』

・Battle City 『バトルシティー』

・Battle Kid 『バトルキッド 危険な罠』

・Bomberman 『ボンバーマン』

・Bubble Bobble 『バブルボブル』

・Burger Time 『バーガータイム』

・Castlevania 『悪魔城ドラキュラ』

・Castlevania II: Simon's Quest 『ドラキュラⅡ 呪いの封印』

・Chip 'n Dale: Rescue Rangers 『チップとデールの大作戦』

・Circus Charlie 『サーカスチャーリー』

・City Connection 『シティコネクション』

・Clu Clu Land 『クルクルランド』

・Contra 『魂斗羅』

・Depths 不明

・Dig Dug 『ディグダグ』

・DonkeyKong 『ドンキーコング』

・DonkeyKong 3 『ドンキーコング3』

・Donkeykong JR 『ドンキーコングJR』

・DrMario 『ドクターマリオ』

・Dragon Warrior 1 『ドラゴンクエスト』

・Dragon Warrior 2 『ドラゴンクエスト2』

・Duck Hunt 『ダックハント』

・Duck Tales 『ダックテイルズ』

・Duck Tales 2 『ダックテイルズ2』

・Elevator Action 『エレベーターアクション』

・Excitebike 『エキサイトバイク』

・Felix the Cat 『フィリックス・ザ・キャット』

・Fire 'n Ice 不明

・Final Fantasy 『ファイナルファンタジー』

・Flappy Bird 不明

・Flappy Bird FPV 不明

・Galaga 『ギャラガ』

・Ghosts 'N Goblins 『魔界村』

・Goonies 『グーニーズ』

・Gradius 『グラディウス』

・Gyromite 『ファミリーコンピュータ ロボット』のジャイロセット

・Hogan's Alley 『ホーガンズアレイ』

・Ice Climber 『アイスクライマー』

・Jackie Chan's Action Kungfu 『ジャッキー・チェン』

・Journey to Silius 『ラフワールド』

・Kungfu 『スパルタンX』

・Legacy Of The Wizard 『ドラゴンスレイヤーIV ドラスレファミリー』

・Legend of Kage 『影の伝説』

・Legend of Zelda 『ゼルダの伝説』

・Life Force 『沙羅曼蛇』

・Lode Runner 『ロードランナー』

・Mappy 『マッピー』

・Mario Bros. 『マリオブラザーズ』

・Mega Man 1 『ロックマン』

・MegaMan 2 『ロックマン2 Dr.ワイリーの謎』

・MegaMan 3 『ロックマン3 Dr.ワイリーの最期!?』

・Metroid 『メトロイド』

・Micro Mages 不明

・Ninja Gaiden III 『忍者龍剣伝III 黄泉の方船』

・Pacman 『パックマン』

・Pinball 『ピンボール』

・Pooyan 『プーヤン』

・Popeye『ポパイ』

・Road Fighter 『ロードファイター』

・Shadow Of Ninja - Kage 『闇の仕事人KAGE』

・Shatterhand 『特救指令ソルブレイン』

・Snow Brothers 『スノーブラザーズ』

・Solomon's Key 『ソロモンの鍵』

・Spy Hunter 『スパイハンター』

・Super Bat Puncher 不明

・Super Mario Bros. 『スーパーマリオブラザーズ』

・Super Mario Bros. 3 『スーパーマリオブラザーズ3』

・Tetris Nintendo 『テトリス(BPS)』

・Tetris Tengen 『テトリス(テンゲン版)』

・TwinBee 『ツインビー』

・Urban Champion 『アーバンチャンピオン』

・Wild GunMan 『ワイルドガンマン』

・Wrecking Crew 『レッキングクルー』

・Yie Ar Kung-Fu『イーアールカンフー』

・Zooming Secretary 不明

・Zelda II: The Adventure of Link 『リンクの冒険』

現在もGeod Studioはファミコンタイトルのボクセル化を進めているようで、追加アップデートで更に遊べるようになるらしい。僕としては『悪魔城伝説』が遊べるようになると嬉しいし、特殊チップの音源がどこまで再現できているのか楽しみ。

ファミコンの普通のゲームに飽きたら、ちょっと風変わりなテイストで遊んでみる体験をしてみるのも一興だ。

※購入先へのリンクにはアフィリエイトタグが含まれており、そちらの購入先での販売や会員の成約などからの収益化を行う場合はあります。 詳しくはプライバシーポリシーを確認してください">詳しくはプライバシーポリシーを確認してください
More Like This
コメント