ついに開幕した東京ゲームショウ2021。幕張メッセ会場では、さまざまなメーカーがブースを出展し、最新ゲームの数々をプレイすることができた。その中から、イザナギゲームズブースで試遊できた、PS4、PS5、Nintendo Switch、Steam(予定)向けソフト『冤罪執行遊戯ユルキル』のプレイレポートをお届け。
アドベンチャーゲームとシューティングゲームのふたつの要素が楽しめる新感覚のゲームとなっている本作のゲーム内容のうち、プレイできたシューティングパートの遊び心地に加え、本作の概要をご紹介しよう。
主人公は、監獄に収監されている春秋千石という男。そこに狐の仮面をかぶった“びん子”という女性が現れ、「遊園地のアトラクションをクリアーすれば無罪放免にする」と言われる。
無実の罪を主張している千石は、罪を問われた事件の被害者である莇リナとペアを組んでアトラクションに挑んでいく……というのが、物語のあらすじだ。
今回の試遊ではアドベンチャーパートはなく、シューティングゲームパートのみをプレイできた。
プレイできたステージはひとつ。自機は4キャラクターから選択できるが、今回はオーソドックスな性能を持つ主人公の春秋千石でプレイした。
操作キャラクターのほか、難易度を3種類から選択可能。Easyは残機が30、Normalは残機が20、Hellは残機が10と変化する。
難易度をEasyにしても、敵の弾幕はかなりのもの。だが、難易度を下げれば残機の数が非常に多くなるため、自機の撃墜を気にすることなくプレイできる。もちろん、巧みな操作によって敵の弾を避けながらプレイすることも可能なので、ビギナーでもシューティングの熟練者でも楽しめる内容になっていると感じた。
自機は、×ボタンと○ボタンでショットが行える。×ボタンでのショットは押しっぱなしにすることでショットが続くが、ショット中は移動速度が遅くなるデメリットがある。○ボタンでのショットは連打をする必要があるが、ショット中でも移動速度が下がらないのが特徴だ。
ふだんは×ボタンのショットで問題ないが、素早く移動したいときは○ボタンでの操作に切り換えるといったテクニックが必要になりそうだ。
また、敵機を倒すことで出現する“マテリアル”を拾うと、“アウトバーストゲージ”が上昇していく。このゲージが20%以上溜めることで、“アウトバーストショット”と“アウトバーストボム”が使用可能になる。
アウトバーストショットは、R1ボタンで発射可能。ダメージを与えつつ、敵の攻撃をかき消す効果のある弾が使用できる。
アウトバーストボムは、L1ボタンで撃つことができ、自機周辺に爆風を放つものになっている。こちらは使用してからゲージがゼロになる間だけ無敵になるという効果がある。
また、ゲージが20%以上溜まった状態で敵自身や敵の弾に自機が接触すると、“オートボム”が発生。自機がボムによって守られる効果があるので、残機が減ることがないのが特徴だ。
さらに、アウトバーストゲージが100%まで溜まった状態でボムを放つと、“EXボム”に変化。このボムはボスでも一撃で倒せるという特徴があるため、ここぞというときに使用したいアクションだ。
今回はシューティングゲーム部分のみプレイできたが、シューティングに慣れていない筆者でもワンプレイでステージをクリアーできるような難易度調整になっており、スムーズにプレイすることができた。
ザコ敵との戦いではショットを×ボタンで連打していれば、そう簡単に負けることはない。また、ボス戦ではシューティングゲームの醍醐味である“弾幕”を避けながら攻撃することになる。シューティングゲームに慣れていない人には若干きびしい弾幕だが、本作は残機が多く設定されているため、撃墜されながらも攻撃し続けることで、不慣れな人でも楽に攻略することができる難度だと感じた。
アドベンチャー部分に惹かれてゲームをプレイしたという人も、シューティングパートで詰まることなくゲームを進めることができるだろう。
製品版ではアドベンチャーパートも!
今回の試遊ではプレイできなかったが、本作は、ストーリーを読み解くアドベンチャーパートと、今回試遊できたシューティングパートで1章が構成されている。
製品版では、ストーリーを読み解きつつ、脱出ゲームに挑むというパートも収録されており、こちらも大ボリュームになるとのこと。
アドベンチャーパートではいったいどんな物語が展開するのか、いまから製品版の発売が楽しみだ。
ストーリー
監獄で目覚めた春秋千石。
狐の仮面を被ったびん子と名乗る女が言う。
「実刑を受けている犯罪者のあなたにチャンスをあげましょう。
これからとある遊園地の様々なアトラクションに挑み、勝利すれば無罪放免です」「違う、俺は冤罪なんだ!」
さらに現れたのは、自分の犯した罪の被害者の莇リナだった。
「春秋千石。忘れもしない名前。私の家族を全員殺したあなたを、絶対に許さない」
千石は21人の家族を焼き殺した放火殺人犯として服役中の身なのだ。
当然、被害者は千石の冤罪主張を信じてはいない。千石の他にも、4組の犯罪者と被害者がいる。
犯罪者を『囚人』、被害者を『執行人』と呼び、ペアを組んでアトラクションに臨む。
6人の犯罪者と、5人の被害者。「大量殺人チーム」「双子殺人チーム」「謀略殺人チーム」「ストーカー殺人チーム」「覗き魔チーム」――。
囚人は無罪を勝ち取りたい。
執行人は勝てば望んだものが手に入る。恨みを晴らすこともできる――。舞台は無人の遊園地『ユルキルランド』。
アトラクションに挑むなかで明かされていく、それぞれの秘密。
残酷で狡猾なこのユルキルランドで勝ち残るのは、誰か。
謎解き
プレイヤーはアトラクションを操作し、いわゆる脱出ゲームを攻略することになる。アトラクション内のパズルを解いて手に入る情報は、物語の真相を解き明かす鍵となっている。
マジキルタイム
主人公のパートナーである執行人は、囚人をいつでも処刑することができる。いつ殺されてもおかしくない状況で、囚人は執行人より尋問を受けることも。正しい会話を選択できなければ、ゲームオーバーに!?
シューティングパートにはさらなる要素も
今回の試遊では体験できなかったが、シューティングパートでは以下のようなゲームシステムも搭載。アドベンチャーパートで手に入れた情報を活用することで、シューティングゲームが有利になるような仕組みも搭載されている。
クリエイターインタビュー
今回の記事の最後には、会場のイザナギゲームズブースにいた本作のプロデューサー、梅田慎介氏に伺うことができた一問一答の回答を掲載する。
梅田慎介
イザナギゲームズ代表取締役。本作のプロデューサーも務める。
――本作はアドベンチャーゲームとシューティングゲームが融合したゲームとなっていますが、アイデアのもととなった部分について教えてください。
梅田マンガ『賭ケグルイ』を手掛けられている河本ほむら先生と、新しいゲームのシナリオやアイデアをいっしょに考えていたんです。加えて、弊社がグレフさんというシューティングゲームを開発していただいた会社と、同じフロアにオフィスがあった時期がありました。そのグレフの丸山さんとも、「弾幕シューティングとアドベンチャーゲームが融合したらおもしろいんじゃないか」というお話もしていて。そういった河本先生と丸山さんたちの意見を吸い上げて、いまのシステムになりました。
――アドベンチャーパートもボリュームも気になるところですが。
梅田アドベンチャーパートのほうがボリュームがあります。ストーリーが楽しめるメインモードが、アドベンチャーとシューティングの両方が楽しめるモードになっています。1章の構成の中で、まずアドベンチャーパートでいろいろな脱出ゲーム的なものに挑戦していきます。そこで手に入れた証拠を、シューティングパートのボスにぶつけていくという流れのゲームになっています。シューティング部分も本格的に作っているよというのをお見せするために、今回の展示では、シューティングパートをじっくりと楽しめる“スコアアタックモード”をプレイしていただくことになりました。
――どういった層のプレイヤーに遊んでほしいですか?
梅田シューティングファンはもちろんのこと、アドベンチャーゲームファンやアニメ・マンガファンといった、シナリオが好きな方にこそ楽しめるような内容になっています。そこを皮切りにして、シューティングゲームを好きになってもらえるといいなと思っています。
――シューティングゲームの難度は、かなり低めに設定されていると感じました。
梅田シューティングゲームのパートは、イージーでプレイすれば、シューティングが苦手な方でもクリアーできるゲームバランスになっています。シューティングゲームを楽しみたいという人はスコアアタックモードをプレイしたり、メインモードでも“HELL”という難易度があるので、それでプレイしていただければうれしいです。
――そのほか、アピールしておきたいことがあればぜひ。
梅田まず、『賭ケグルイ』の河本先生のシナリオは、かなりおもしろいものになっています。ビジュアルノベル、アドベンチャーゲームとしても非常に歯ごたえがあるストーリーが楽しめるかと。また、本作は章構成になっていて、4章まではそれぞれが違うキャラクターの視点で物語が進むようになっています。章ごとに新しいキャラクターが出てきて、第5章からは群像劇として物語を盛り上げてくれます。重厚なシナリオを、ぜひお楽しみいただければと思います。「弾幕シューティングとアドベンチャーがセットになったゲームって何なの?」と思われるかもしれないんですけど、プレイすれば「おもしろいじゃん」と思っていただける内容になっていると思うので、ぜひ遊んでみてください。
[2021年10月1日17時10分修正]
※本記事の初出時、一部キャラクターの名称に誤りがございました。読者ならびに関係者の皆様にお詫びし、訂正させて頂きます。