2022年2月15日、東京都内のゲームセンター“高田馬場ゲーセン ミカド”にて、プラチナゲームズからNintendo Switch/プレイステーション4/PCで発売予定のシューティングゲーム『ソルクレスタ』をアーケード筐体で先行体験するコラボ生放送が行われた。

 これは、“高田馬場ゲーセン ミカド”と大阪の“レトロゲーセン ザリガニ”にて期間限定で行われる“ゲーセンでソルクレスタを遊ぼう!”キャンペーンにに先駆けて行われたもの。

【試遊台の設置日程】
ゲーセンミカド 高田馬場
所在地:東京都新宿区高田馬場4丁目5-10(筐体:店舗2階)
爆音筐体試遊台設置期間:2022年2月16日(水)~2022年2月24日(木)

レトロゲーセン ザリガニ
所在地:大阪府大阪市浪速区恵美須東1丁目21-4(筐体:店舗3階)
試遊台設置期間:2022年2月15日(火)~2022年2月24日(木)

※期間中の営業時間は店舗により異なります。十分に感染対策を行ったうえでお越しください。
※試遊いただけるのは“キャラバンモード”と“ドラマティックモード(Stage 1)”となります。
※店頭で遊べる内容は、試遊用の特別バージョンであり、製品版の仕様とは異なります。
※機材トラブルなどによってプレイいただけない場合もございます。あらかじめご了承ください。

“ゲーセンでソルクレスタを遊ぼう!”キャンペーン詳細

 本稿では、生配信イベントで行われた爆音筐体フリープレイの様子をお伝えする。併せて、生放送の出演者であるゲーセンミカド店長・池田稔氏、『ソルクレスタ』総監督・神谷英樹氏、そしてゲームプレゼンター・高橋名人の3名によるコメントもお届け。

『ソルクレスタ』公式サイト

1980年代の雰囲気で最新作を楽しむ! 爆音筐体フリープレイ

 生配信が行われる前に、爆音筐体で『ソルクレスタ』を試遊する機会をいただけたので、さっそくプレイすることにした。誤解のないように念を押しておくが、『ソルクレスタ』は家庭用のゲームタイトルであり、アーケードゲームではない。

 しかし本作は“ネオ-クラシック・アーケードシリーズ第1弾”と銘打っており、クラシックゲームの魂を受け継いで、ゲームの本質的なおもしろさを現代の技術で追求するプロジェクトの一環を担っている。家庭用ゲームとはいえアーケードと名が付く以上、できるだけゲームセンターに近い環境で遊びたいところだ。実際、2021年9月2日~3日の“BitSummit THE 8th BIT (ビットサミット ザ エイト ビット)”ではアーケード筐体での試遊台も展示され、「あの環境で遊びたい!」と思った方も多いのでは? そんな願いを期間限定とはいえ叶えてくれるのは、神谷氏の粋な心意気とも感じられる。

  さっそくその恩恵にあずかり、筐体の前に座ってみた。最初に驚いたのは、その違和感のなさ。縦画面モニターではないものの(※)、1990年代のゲームセンターに置かれていたと言われても不思議ではない感覚だ。

※製品版ではオプションで縦画面モードも設定できます。

 そしてタイトル画面には“INSERT COIN(S)”の表示が! この文は直訳すると「コイン(100円玉)を1個入れてください」、つまり基本的にアーケードゲームでしか見られないものなのだが、“PUSH ANY BUTTON”や“FREE PLAY”にしないあたりに、アーケードライクに見せようとする工夫が垣間見えた。もちろん、ミカドでの試遊は無料なのでご心配なく。

 まずはキャラバンモード1回プレイしてみた。こちらは5分間遊べる仕様で、各フォーメーション攻撃やコマンドショット、チャージショットなど、ひと通りのアクションを試すことができた。一見複雑そうなシステムだが、ステージ1なだけあり難度はマイルドなので、難しいことは考えずにプレイを楽しめた。また、慣れてくると任意のフォーメーション攻撃を手早くくり出せるようになり、爽快感がグッと増してきた。ちなみに記者のお気に入りは斜めの配置で発動する“アラウンドフォーメーション”。全方位の敵を薙ぎ払うのが気持ちいい!

 取材中のプレイではボスとのバトル中に時間切れとなったが、神谷氏の話によるとうまくいけば時間内にステージ2の冒頭まで到達できるそうだ。ハイスコアを狙いたい方は分離の時間を短めに意識したり、ボスを急いで倒したりするなど、いろいろ試してみるといいだろう。そのほかにも条件を満たすとスコアが入るスペシャルボーナスなどもあり、やり込みがいがありそうだ。

『ソルクレスタ』ゲーセン ミカド×プラチナゲームズ特別生放送リポート。「もともとアーケードゲームだったのでは?」と錯覚した
VEWLIX爆音筐体にて、無料で試遊できる『ソルクレスタ』。
『ソルクレスタ』ゲーセン ミカド×プラチナゲームズ特別生放送リポート。「もともとアーケードゲームだったのでは?」と錯覚した
『ソルクレスタ』ゲーセン ミカド×プラチナゲームズ特別生放送リポート。「もともとアーケードゲームだったのでは?」と錯覚した
インストラクションカードは1980年代風のデザイン。凝ってる!
『ソルクレスタ』ゲーセン ミカド×プラチナゲームズ特別生放送リポート。「もともとアーケードゲームだったのでは?」と錯覚した
『ソルクレスタ』ゲーセン ミカド×プラチナゲームズ特別生放送リポート。「もともとアーケードゲームだったのでは?」と錯覚した

 つぎはドラマティックモードに挑戦。こちらはステージ1を遊べるのでゲーム内容は上記のキャラバンモードに近いが、登場人物たちのセリフを聴きながらできる。ミカドでは“爆音筐体”で遊べるだけあって、さまざまな音が飛び交うゲームセンター内でもヘッドホンを装着することなくしっかり聞き取れた。むしろ爆音なので映画館にいるのに近いかも?

 ストーリー自体は人類が滅びかけているくらいの重さだが、セリフのやり取りは軽めで没入しやすいバランスに感じた。また、ひとつひとつのセリフが短めなので、弾避けに没頭しつつもセリフが頭の中に流れてきた。試遊台ではステージ1のみなので物語がこれから盛り上がるというところで終了となったため、続きが気になってしょうがない。製品版でプレイできる日がいまから楽しみだ。

『ソルクレスタ』ゲーセン ミカド×プラチナゲームズ特別生放送リポート。「もともとアーケードゲームだったのでは?」と錯覚した
『ソルクレスタ』ゲーセン ミカド×プラチナゲームズ特別生放送リポート。「もともとアーケードゲームだったのでは?」と錯覚した

 メディア限定での試遊プレイのあと、池田稔氏、神谷英樹氏、高橋名人が登場し、特別生放送が始まった。詳細は、以下のタイムシフト視聴で確認してほしい。

『ソルクレスタ』とコラボ!ミカド公式Youtube特別版をお届け!

『ソルクレスタ』ゲーセン ミカド×プラチナゲームズ特別生放送リポート。「もともとアーケードゲームだったのでは?」と錯覚した
『ソルクレスタ』ゲーセン ミカド×プラチナゲームズ特別生放送リポート。「もともとアーケードゲームだったのでは?」と錯覚した
神谷氏本人が登場するパロディーCMも必見!

 生放送中は、神谷氏による『ソルクレスタ』で遊べるモードや機能の説明のほか、一見2Dに見えるグラフィックは3Dで作成している話や、古代祐三氏が手掛けるサウンドは“ニチブツのネオでクラシックな音作り”からこだわっている話など、興味深い話題が尽きなかった。

 また、高橋名人による実演プレイも行われた。名人は前日に少し触ったきりということだったが、見事に5分完走。いくつかのフォーメーション攻撃も披露し、さすがは名人と思わざるを得ない。

生放送を終えて……出演者のコメントは?

 生放送の直後、出演していたお三方に感想をうかがった。

池田稔氏(いけだみのる)

INH代表取締役。ゲーセン ミカドの経営者兼店長。

神谷英樹氏(かみやひでき)

プラチナゲームズ副社長。『ソルクレスタ』の総監督として制作を指揮。

高橋名人(たかはしめいじん)

ゲームプレゼンター。ゲームは1日1時間!!

――本作はネオ-クラシック・アーケードシリーズ第1弾ということですが、今後はほかのジャンルのタイトルも出るのでしょうか? プロジェクトのコンセプトと併せてお聞かせください。

神谷ネオ-クラシック・アーケードに関しては、構想がすごく膨らんでいます。今回は縦スクロールシューティングを題材にしましたが、1980年代のゲームはそのほかにも横スクロールシューティングや、固定画面アクション、横スクロールアクションなど、さまざまなジャンルのタイトルが存在しますから、あれもやりたい、これもやりたいといった欲望は無数にあります。実際に企画書もたくさん作っています。

 あと、制作側の話になりますが、昨今のゲーム作りはどんどん巨大になってきていまして、ひとつのプロジェクトに2年も3年もかけることはザラです。チームの人数も多くて、一部を手掛けているスタッフもなかなか全体を把握しきれないですし、リリースも長期にわたるためユーザーからのリアクションを受けるサイクルも長くなる……といった新たな問題が生まれてきます。

 そこで、短いサイクルでのゲーム作りを体験して、現場の人間にも楽しんで作ってほしいという想いもあって、若手のスタッフにもチャンスを与える場になってほしいと考えて生まれたのが本プロジェクトのコンセプトになります。

池田神谷さんの手掛ける横スクロールアクション……今後が楽しみですね。

神谷『ソルクレスタ』ではクレスタサーガを題材にしたこともあり、ネオ-クラシック・アーケードのことを“昔の名作を復刻させるプロジェクト”と思われがちです。「今度は『マグマックス』の続編を作ってください!」とか。もちろんそれも機会があればやぶさかではないのですが、今後はオリジナル作品も手掛けていきたいです。

池田でもここはやはり『高橋名人の冒険島』シリーズを……(笑)。

高橋いやいや、それを言うなら『神谷名人の冒険島』でしょ(笑)。

神谷(笑)。でも、さらに構想を広げてネオ-クラシック・コンシューマーなんてのもやりたいとは思っていますし、今回の『ソルクレスタ』のアーケード版を出したりとか……野望は尽きません。

池田ぜひお願いします!

高橋今回遊んでみて思いましたよ。アーケード筐体でレバー操作だとすごく遊びやすい。

神谷プラチナゲームズがアーケードゲームを出したらニュースになりそうですしね。

池田相当な話題になりますよ(笑)。

――“BitSummit THE 8th BIT”のときも筐体で出展されていましたが、アーケード筐体での試遊出展はやはり、神谷さん流のこだわりなのですか?

神谷そうですね。ゲーセンそのものの環境で遊べる方は少ないと思うのですが、余裕のある方はぜひコントローラーなどを買い揃えて遊んでほしいですから。

 また自分がゲーム業界に入ったのは1994年で、自分が子どものころに遊んだゲームを作ることに憧れていたのですが、ご存じの通り1990年代半ばからはプレイステーションなどの時代に入り、ゲーム作りの環境が大きく変わってきました。

 もちろん、最先端の技術に触れることも楽しかったのですが、振り返ってみると「ああ、自分の想像していたゲーム作りはもう体験できないんだな」ということに気付き、ちょっと寂しい思いもありました。今回のプロジェクトの根底には、そうした思いがあります。

 それと、家庭用とアーケードではゲームの作りかたが大きく異なるじゃないですか。アーケードではお客さんに100円ずつ出していただき、楽しんでもらうことが前提となりますので、制作者の腕の見せどころというか。そのため、先ほどの「アーケード版を出したい」という思いは、野望の終着点になりますね。

池田終着点ですか。神谷さんにそう言っていただけるだけで、ゲーセン側として冥利に尽きます。

――そうですね。名人は生放送でプレイされていかがでしたか?

高橋おもしろかったです。製品版もぜひやり込みたいですね。まずはアーケードコントローラーを作らないと……。

――「作る」んですね(笑)。

高橋小さなレバーのアタッチメントは持っているのですが、やはり大きなモニターに映してダイナミックに操作したいですから。先ほどのキャラバンモードだって、神谷さんに「効率よくプレイすればステージ2までいけますよ」なんて聞かされたらもう、やるしかないでしょ(笑)。ガッツリ遊びますよ。

神谷名人と言えば“連射”ですが、本作のランキングでは連射ボタンを使ったかどうかわかるんですよ。ぜひ連射ボタン未使用でがんばってほしいです。

高橋がんばります。まずは“早打名人高橋くん”(※)を準備して……。

※1986年に発売された、ボタンを連打するためのおもちゃ。高橋名人によると大事に所持しているそうだ

神谷(笑)。当時おもちゃ売り場で見ました、それ。

高橋だって、もうけっこうな歳ですし、いまは12連射くらいしか出ませんから。

池田十分早いじゃないですか(笑)。

『ソルクレスタ』ゲーセン ミカド×プラチナゲームズ特別生放送リポート。「もともとアーケードゲームだったのでは?」と錯覚した

 『ソルクレスタ』のゲームセンターでの試遊は東京・大阪ともに2022年2月24日まで。最高の環境での試遊を体験したい方は、足を運んでみてはいかがだろうか。マスクの着用など、感染対策はお忘れなく。

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ミカドの店内には『ソルクレスタ』関連タイトルの『ムーンクレスタ』、『テラクレスタ』、『UFOロボ ダンガー』、『テラフォース』も稼動中。
『UFOロボ ダンガー』は現在、家庭用ゲーム機に移植されていないのでとても貴重!
『ソルクレスタ』ゲーセン ミカド×プラチナゲームズ特別生放送リポート。「もともとアーケードゲームだったのでは?」と錯覚した