【東方紅魔郷二十周年記念】大・東方Project展の内覧会レポート!何から何まで東方らしい

ファンなら貴重で思わずニヤけてしまう

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4月2日(土)から5月22日(日)の間、東京・渋谷にある東京アニメセンター in DNP PLAZA SHIBUYA(東京都渋谷区神南1丁目21−3 渋谷モディ 2F)にて「大・東方Project展」が催される。

本イベントはPC用ゲーム『東方紅魔郷』の発売から20年を記念して行われるもので、東方Projectの歴史や博麗神主のZUN氏の設定原画、同作に登場したキャラクターのトリビュートイラスト、アレンジ楽曲を紹介する内容となっている。比重としてはトリビュートイラストを始めとした二次創作物の割合が多く、二次創作に寛容な「東方Project」らしい構成だと感じた。

 

「東方Project」はPCで展開されている縦型弾幕シューティングゲームを基礎に展開しているシリーズ作品で、ストーリーの殆どは博麗神社の巫女、博麗霊夢や魔法使いの少女、霧雨魔理沙が幻想郷で起きた異変を解決すべく、奮闘するという内容。

現在知られている弾幕シューティング作品の前には、製作者のZUNが東京電機大学在籍中にPC-98向けに発表した『東方靈異伝』があった。この作品はブロック崩しであったが、その後シューティングゲームにジャンルを変え、計5作をもって一度シリーズの幕を下ろした。これを「東方旧作」と呼ぶことが多い。

その後、2002年に行われたコミックマーケットにてWindows向けのソフトとして初作『東方紅魔郷』を発表し、人気を博して現在に至る。日本神話や昔話、妖怪をモチーフとしたユニークなキャラクターたちが、霊夢や魔理沙と織りなす押し問答のような会話劇がシニカルな笑いを誘い、テキストも思いつきなどでなく、実在する伝承を下地に作られていることから多くのファンを惹きつけてきた。

冒頭でも触れたようにコンテンツの特徴として、「東方Project」は二次創作の間口を広く開けており、常識、良識の範囲内で利用することが認められている。東方を足がかりにイラストレーターやゲームクリエイター、アニメーターが多くのインディー作品を産み、そこから東方を知って原典であるゲームに触れるという他では見られないムーブメントを作り出した。最近ではYouTube等の動画サイトで検索した際に饅頭のような顔をした「ゆっくり霊夢」「ゆっくり魔理沙」からなんとなく顔から知ったという人も多いことだろう。

4月1日にはメディアやクリエイターに向けたプレスイベントが行われた。エイプリルフールの日に行うのはある意味、東方らしいなと思う一方、『紅魔郷』に苦しめられてからもう20年も経ったのかと、展示物を見ながら時の流れに思いを馳せた。この作品には「時間を操る程度の能力」を有する十六夜咲夜が登場するというのも皮肉なものだ。

会場は全日、日時指定制、数量限定のチケット制となっているため検討中の人は注意して欲しい。指定されているサイトで事前に購入しておこう。

会場の入り口には博麗神社を思わせるような鳥居があり、これをくぐり抜けると東方Projectの歴史をソフトパッケージで振り返るという内容の展示物が見られる。

本イベントにはセクション毎にQRコードが用意されており、ARアプリ HoloModels®をかざすと饅頭こと、「ゆっくり霊夢」と「ゆっくり魔理沙」がスマートフォンの画面上に現れ、そのセクションについて話すガイド機能が楽しめる。

このアイディア自体は面白いのだけど、人が密になることが好ましくないとされる昨今に、立ち止まって「ゆっくりしていってね!」と言わんばかりのAR映像を楽しむコンテンツはいささかどうかと思った。このアプリは残念なことにアプリ内に映像データを留める機能がないため、どうせなら家に持ち帰ってゆっくりと鑑賞できる機能があれば良いのになと思った。

この手の歴史を振り返る系の展示はよくあるコンテンツだけど、東方Projectに関して言うと、『東方紅魔郷』より前の作品であるPC-88の「東方旧作」の収録されているフロッピーディスクを見るとクラシックゲーマーの探究心が大きくざわつく。ゲームの歴史を振り返る別のイベントでは実際にプレイすることもできたが、今回は残念なことにプレイすることができない。

その先では東方Projectの公認作品の設定原画と、ZUN氏の描いたパッケージの下描きイラストが見られる。ここは詳細にお伝えすることはできないが、思わず声が出るほど本展示会の中で最も驚かされたので気になる人は足を向けて欲しい。

続いては本展示の目玉となる「紅魔館」を想起させるエリア。

ここでは、『東方紅魔郷』に登場するキャラクターのトリビュートイラストが数点と、キャラクターの紹介文、そしてジオラマ作家の情景師・アラーキーによる紅魔館ジオラマを見ることができる。一番の見所は各キャラクターの紹介文で、霊夢や魔理沙はもちろんのこと、十六夜咲夜やレミリア、フランがどの様にして生み出されたのかというマル秘エピソードが書かれているのでいちファンである僕も大変興味深かった。

ところで、この紅魔館エリアに入ると聞き慣れたテイストの紅魔郷アレンジ楽曲が聞こえてくる。もしやと思ったら自動演奏ピアノの横に「まらしぃ」と書いてあるパネルがある。ニコニコ動画が全盛期の頃、ゲームのプレイ動画はもちろん、有志によるアレンジ楽曲やMAD動画やピアノ演奏が投稿されていた。その中でも自分の中で群を抜いて印象に残っていたのが猿のぬいぐるみと一緒にピアノ演奏をしていた、まらしぃの動画だった。ペダルと鍵盤の叩き方が特徴的で、かつてピアノ奏者でもあった自分も絶対に敵わないと思わされた。

彼の素晴らしい演奏に聞き入りながらやはり「亡き王女の為のセプテット」は名曲であると再認識。

その先には幻想的なメロディーで人気の高い東方Projectのアレンジ楽曲が収録された数多くのCDジャケット絵が大量に展示されていた。その中でも電波ソング「チルノのパーフェクトさんすう教室」のカバーアルバムのジャケットは自然と目が向いてしまい思わず「あぁ、自分はあの時の時代を生きていたんだな」と妙な心地を抱いた。

最後は現在にまで続く『東方ダンマクカグラ』を始めとした東方Projectの関連作品の紹介ブースがあり、出口では『東方紅魔郷』20周年についてのZUNのインタビュー映像が放映されている。内容は大変貴重で思わずニヤけてしまうような、東方らしいどこか引っかかる内容に満足行くことだろう。

出口では東方グッズが多数販売されており、原作ゲームも全て販売されている。個人的な思いとしては『東方緋想天』など黄昏フロンティア制作の格闘ゲームがあれば嬉しかったが…

ざっと見回した僕は今作の目玉である『東方紅魔郷』が友人だと思っていた人に借りパクされていたのを思い出して、再購入して会場を後にした)。

この場を使ってお願いしたい。お願いKくん、他の東方作品も返して!(他に持っている人は僕に返して!)

「大・東方Project展」は東京アニメセンター in DNP PLAZA SHIBUYA(東京都渋谷区神南1丁目21−3 渋谷モディ 2F)にて4月2日(土)から5月22日(日)に開催。

会場は全日、日時指定制、数量限定のチケット制。指定されているサイトで事前に購入しておこう(https://eplus.jp/sf/event/touhouproject-ta/ticket)。

また、ARアプリ HoloModels®も事前ダウンロードするとスムーズに楽しめる。

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©上海アリス幻樂団


ハタフミノブ(@hata_fuminobu)はフリーのライター兼Web生放送ディレクター。『東方龍虹洞』はぶっちゃけ『紅魔郷』より難しかったんじゃないか?と思っている。いや、確かに現代テイストなコンティニューはあるけどさ…それとも僕が年を食っただけ?

好きなキャラクターはパチュリー・ノーレッジ、八雲紫、比那名居天子、依神女苑。

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