ゲームキッズ憧れの大型筐体ゲーム

 1987年(昭和62年)7月18日は、アーケードゲームの『アフターバーナー』が稼動を開始した日。本日で稼動開始から35周年を迎えた。

 『アフターバーナー』は、セガ・エンタープライゼス(当時)から発売された3Dシューティングゲーム。『ハングオン』を元祖とする大型筐体を用いた、いわゆる“体感ゲーム”のうちの1作となる。1986年に公開された映画『トップガン』が大ブームだったことも影響してか爆発的な人気を獲得した。

 じつは本作『アフターバーナー』はプロトタイプであり、3ヵ月後の1987年10月には改修が施されたアップデート版の『アフターバーナーII』が登場している。それなりにコアな話しゆえか、知らない&忘れている人も多く、一般的に『アフターバーナー』と言えば『II』のほうを指すケースが多い。

AC『アフターバーナー』が35周年。ゲーセンでひときわ異彩を放つ“体感ゲーム”として作られた映画『トップガン』インスパイア系名作3Dシューティング【今日は何の日?】 記事編集に戻る
AC『アフターバーナー』が35周年。ゲーセンでひときわ異彩を放つ“体感ゲーム”として作られた映画『トップガン』インスパイア系名作3Dシューティング【今日は何の日?】 記事編集に戻る

 プレイヤーはF-14 トムキャットを操り、敵国上空を高速飛行しながら激しいドッグファイトをくり広げていく、というのが本作の内容でじつにシンプル。攻撃方法はバルカン砲と誘導ミサイルの2種類あったが、とくに後者はカッコよすぎてアドレナリンが大放出してしまうほど。敵の弾幕を掻い潜りながらロックオン・撃破していく際の高揚感はタマラナイものがあった。何やら英語のセリフが飛び交うところもシビれるし、まるで自分が戦闘機パイロットになったような気分が体感できると、当時のアーケードゲーマーたちは夢中になってプレイしたんじゃないだろうか。

 本作は3D視点ではあるのだが、同じ体感ゲームの『スペースハリアー』などと同様に擬似的に3D空間を表現したもの。しかしながら画面奥から手前へと流れていく景色はとてつもないスピード感で、それだけでとにかく感動的だったのを覚えている。

 そして何より本作は筐体が可動する“体感ゲーム”であったところが大きな魅力。さすがに現代映画館の4DXやMX4Dなどのように風や水、香りなんかまで吹き付けてこないが、座席がぐりんぐりんとダイナミックに動くさまは圧巻だった。

AC『アフターバーナー』が35周年。ゲーセンでひときわ異彩を放つ“体感ゲーム”として作られた映画『トップガン』インスパイア系名作3Dシューティング【今日は何の日?】 記事編集に戻る
AC『アフターバーナー』が35周年。ゲーセンでひときわ異彩を放つ“体感ゲーム”として作られた映画『トップガン』インスパイア系名作3Dシューティング【今日は何の日?】 記事編集に戻る

 とくに“ダブルクレイドル”と呼ばれる二重の振り子構造で前後左右に揺れるタイプの筐体は、それこそアトラクション級の楽しさがあった。残念ながら当時キッズだった筆者は1プレイ200円以上というお高い価格設定や、自然とギャラリーが多くなりがちなゲームのために恥ずかしく、あまりプレイできなかったのが悔やまれる。ほかにも左右のみに揺れる“クレイドル”タイプや可動すらしない“アップライト”タイプなどがあった。

 『アフターバーナー』と言えばBGMも名曲揃い。筆者の記憶に残っているのはカセットテープで購入したサントラ版なので厳密にはゲーム版の楽曲とは異なるようだが、カッコイイことには違いない。機会があればぜひ聴いてみてほしいところだ。

 2006年には完全3Dに進化した約20年ぶりの続編『アフターバーナー クライマックス』がアーケードに登場。2010年4月21日にはプレイステーション3とXbox 360にも移植されている。

 なお、いま『アフターバーナー』で遊びたいのであれば、2022年10月27日に発売予定のメガドライブミニ2の購入を検討するのはどうだろうか。移植版の『アフターバーナーII』が収録されているのでおすすめ。

これまでの今日は何の日?

※画面は『3D アフターバーナーII』のものです。