【特集】

電源ONの瞬間からアツくなる! 「アストロシティミニ V」開封レポート

メーカーの垣根を越えて往年の名作シューティングを多数収録!

【アストロシティミニ V】

7月28日 発売

価格:19,580円(税込)

 80〜90年代に登場したアーケード用シューティングゲームをメインに、全22タイトルを収録したセガトイズの復刻ビデオゲーム機第2弾「アストロシティミニ V」が、7月28日にいよいよ発売となる。

 「アストロシティミニ V」は、2020年に発売された「アストロシティミニ」に続く、かつてセガが発売していたアーケード用汎用ビデオゲーム筐体「アストロシティ」を6分の1サイズにした復刻ハード。モニターは縦向きに固定され、「ムーンクレスタ」や「TATSUJIN」、「戦国エース」など、セガ以外のシューティング作品も多数遊べるのが特徴だ。レトロゲームの聖地である「ゲーセンミカド」が開発に協力しており、今では入手することが難しくなった基板の提供からタイトル選定などに携わっている。

 本稿では前作「アストロシティミニ」に続き、発売に先駆けて本機の開封レポートおよび各種機能をチェックしたファーストインプレッションをタップリとお伝えしよう。

 なお、収録タイトルについては下記の記事にて紹介している。

□「アストロシティミニ V」タイトルカタログ!! 全収録タイトルとともに当時の背景を振り返る

【【アストロシティミニV】縦シューの熱狂が今この手に!レトロゲームの聖地「ゲーセンミカド」完全協力!|セガトイズ】

開封の儀:本機の構成、パッケージとも前作をそのまま継承。縦置きモニターならではの素晴らしさに注目!

 パッケージのサイズと梱包の仕方は、前作「アストロシティミニ」とまったく同じ。本機のマニュアル、HDMIケーブル、給電用のUSBケーブルが各1点ずつ同梱されているのもこれまた同じで、本機のデザイン、本体サイズ、材質、8方向レバー+6ボタンのコンパネ構成も前作と変わっていない。本機のモニターは4.6インチで、前作の4インチよりもさらに大きくなっている。

 本機の電源をONにすると、超新星の爆発を想起させるビジュアルが表示され、次いでセガのロゴが表示されて「セ〜ガ〜」のおなじみのアイキャッチが。さらにセガゲームミュージックの重鎮、光吉猛修氏による「アストロシティミニ V!」のタイトルコールが流れてからメインメニュー画面へと移行する(※初回起動時のみ、最初に言語設定画面が表示される)。

 まさかゲームを始める前から、これほどまでにアツい演出が用意されているとは……。開封早々いきなり驚かされた。また、せっかくなので新旧2台の「アストロシティミニ」を試しに並べてみたところ、いかにも「卓上ゲーセン」という趣が出て、実に味わい深い絵を撮ることができた。

【「アストロシティミニ V」開封の儀】
今回はオレンジ色を基調としたパッケージに。中央を横切る稲妻の力強いデザインは、アツいシューティングゲームを多数収録した本機のイメージにピッタリだ
前作同様、上部から開封する
マニュアルを取り出し、小箱(カバー)の中央を軽くつまんで外すと本体が姿を現わす
小箱の中にはHDMIとUSBケーブルが入っている
「アストロシティミニ V」ご開帳! デザインは前作と同じで、丁度手のひらに乗るサイズだ
裏面のデザイン、および各種端子の種類と数も前作と同じ。USB端子は別売りのアーケードスティックなどの接続に使用する
【起動した直後からアツさ爆発!】
電源をONにすると、最初に超新星爆発のビジュアルが表示される
続いて「セ〜ガ〜」のアイキャッチに切り替わる
さらに本機のロゴが表示され、光吉氏のシャウトが響き渡ってから……、
メインメニュー画面へと移行する

 プレイするにあたり、まず注目したいのはモニターのサイズだ。本機のモニターは4.6インチで、前作の4インチよりもさらに大きくなった。なおかつ4:3型にしたことで画面がムダなく表示され、ザコ敵や敵弾などの小さなキャラクターもより見やすくなっている。前作に収録された「ソニックブーム」などの縦画面のタイトルは、モニターの両脇に空きが生じて表示サイズが小さくなるデメリットがあったが、モニターを縦に固定した本機はその問題を見事に解消している。

 コンパネは8方向レバーと6ボタンで、サイズも配置も前作と同じだ。どのゲームを遊んでも操作性には特に問題がなかったが、収録タイトルに高難度のシューティングゲームが多いこともあり、本気でハイスコアを狙うのであれば、別売りのアーケードスティックやコントロールパッドを用意するといいだろう。

【前作「アストロシティミニ」と並べてみた】
「アストロシティミニ」(左)と並べたところ。本体のサイズ、コンパネもまったく一緒だ
縦スクロールシューティングゲーム「ソニックブーム」と「達人王」をそれぞれ起動したところ。モニターのサイズ感が大きく異なることがよくわかる

縦画面出力にもバッチリ対応。見ているだけでも楽しくなる機能、演出にも要注目

 メインメニュー画面は、収録タイトルが発売された年代順に並べられ、まるでゲームの歴史を年表にしたかのようなビジュアルになっている。外部モニターにHDMIで接続した際は、横画面で出力した場合は本体設定の「フレーム」メニューでA、Bいずれかのフレームを選ぶと、余白部分にフレームを表示させることができる。縦画面での出力もちろん可能で、90度と270度のどちらの向きにも対応している。

【メインメニュー画面とHDMI出力時の機能】
収録タイトルが年代順にソートされている。最も古いのが「ムーンクレスタ」(1980年)で、新しいのが「バトルバクレイド アンリミテッドバージョン」(1999年)だ
令和の時代に鮮やかによみがえった「ムーンクレスタ」
横画面で外部出力したときは、本体設定で2種類のフレームを表示させることができる
縦画面出力に設定を変更し、「ザクソン」をプレイしたところ。まるで本物のアストロシティでプレイしているかのような迫力でゲームが楽しめる

 本体設定には、ゲーム中の画面表示を「アーケード1」、「アーケード2」、「シャープ」の3種類に変更できる「画面フィルター」機能も用意されている。「アーケード1」または「2」に設定すると、ゲーム画面がブラウン管モニターをほうふつとさせる、ややぼんやりとした表示になり、「シャープ」にするとよりくっきりと見えるようになる。

 またメインメニュー画面では、Fボタンを押すと各タイトルの1面のBGMが流れる機能や、Cボタンを押すと全タイトルのデモ画面が順番に流れる「デモループ機能」も用意されている。仕事や勉強中に、音楽プレイヤーの代わりとしても使える、地味ながらもうれしい演出だ。

【3種類の「画面フィルター」】
「アーケード1」
「アーケード2」
「シャープ」

ハードなシューティングも快適に遊べる、数々の便利ボタンを搭載

 前作「アストロシティミニ」と同様に、プレイ中にクレジットとスタートボタンを2個同時に押しするとポーズメニューに表示を切り替えられ、プレイデータをセーブすることも可能。セーブデータのスロットは、全タイトルに2個ずつ付いている。さらに本機には、プレイ中にFボタンを1回押すだけでプレイデータを瞬時にセーブまたはロードできる、その名も「かんたんセーブ機能」が新たに搭載された。

 本機能のおかげで、敵の攻撃が激しい場面でもワンタッチで楽々セーブできるので実に便利だ。ロード時の操作も、Fボタンを長押しするだけでなのでブラインドタッチで簡単にできる。しかも、本機能によるセーブデータは最大8回分まで保存が可能で、ロードする際にFボタンを押したままにすると、セーブした場面の新しいものから順番に表示され、ボタンを放すと任意のセーブした地点から再開できる優れものだ。ただし「アームドポリス バトライダー」のみ本機能は使用できず、メインメニュー画面に戻ると最後にセーブしたデータ以外はすべて消去されるのでご注意を。

【「かんたんセーブ/ロード機能」】
「V・V(ヴイ・ファイヴ)」より。写真だけではわからないが、プレイ中にFボタンを押すとSEが鳴り、セーブされたことを知らせてくれる
もし途中でミスをした場合は……、
Fボタンを長押しするだけで、すぐに直前の場面から再開できる
さらにボタンを押し続けると、過去にセーブした場面に切り替えることも可能だ

 自機や主人公のショットなどにオート連射が付いていないタイトルには、連射ボタンが用意されているので快適に遊べる(※ただし「ムーンクレスタ」には付いていない。また「アームドポリスバトライダー」には、連射速度のアップ・ダウンボタンが付いている)。さらに「雷電」や「戦国エース」など、タイトルによっては15連射、30連射と速度が異なるボタンが複数用意され、装備した武器などの状況に応じて、最適な速度でプレイできるよう配慮している。

 とりわけ筆者が驚かされたのは、「達人王」にだけ搭載された早送りボタンだ。このボタンを押している間は画面のスクロール速度がアップし、場面によっては敵の出現する数が減ったり、攻撃が弱まることで簡単に先へ進めるようになる、本機が生み出した新たな発明だ。本作は難易度が非常に高く、なおかつ各ステージのマップがかなり広い。初心者はおいそれとは遊べないが、本機能のおかげでかなり遊びやすくなったのではないかと思われる。

【ボタン設定にも尋常ならざるこだわりが!】
15、30の2種類の連射ボタンが用意されている「雷電」
ザコ敵の多い所では、ショットが偏らない15連射を使うと便利
耐久力の高いボスには、高速の30連射を使えばあっという間に倒せる
「達人王」のみ搭載された早送りボタン
何度やっても越えられない場所があったら、早送りして先のエリアへと進もう!
3面の対ボス戦で、(ほぼ)安全地帯を利用した時間切れ(※ボスが画面外に消える)を狙うときも、本機能を使えば時間短縮に役立つ

 元祖アーケード版の基板と同様に「DIP(ディップ)スイッチ設定」を変更できる機能も全タイトルに実装されている。難易度の高いタイトルはランクを下げたり、残機を増やしたりして遊べるのはもちろん、ゲームセンターや駄菓子屋などで遊んでいた当時の設定に変えることで、昔懐かしい思い出にひたりながらプレイできるのがうれしい。

 もうひとつ、本機で筆者がうなされたのが「強制2Pプレイ機能」だ。本機能は、本体のコンパネで2P側の自機や主人公を操作したいときに使用するもので、メインメニュー画面でタイトルを選択し、詳細画面(※操作ガイドなどの表示画面)に切り替わったところでAとDボタン、またはスタートとDボタンを同時に押すと「2P START」と画面に表示され、2P側で遊べるようになる。本機能のおかげで、例えば「戦国エース」や「BATSUGUN」などのように、1Pと2Pとでは機体やキャラクターが異なるタイトルもより遊びやすくなっている。まさにかゆいところに手が届く、至れり尽くせりのサービスだ。

 メーカーの垣根を越えて収録された、選りすぐりの22タイトルを快適に遊べる環境が整った「アストロシティミニ V」。もし入手したならば、これらの便利機能をありがたく利用しつつ、全タイトルを骨の髄までしゃぶり尽くさんばかりの勢いで思う存分楽しみたい。

【「DIPスイッチ設定」機能も新たに搭載!】
「ドギューン!!」より。「DIPスイッチ設定」を使って難易度、残機、エクステンドを自由に設定して遊べる
【2P側でも1人で遊べる!】
「ソニックウィングス」より。タイトル選択時に「強制2Pプレイ機能」を使用すると、本体のコンパネでも2P側の機体で遊べるようになる