3DS/Wii Uのニンテンドーeショップサービス終了前におさえておきたいレトロゲーム・クラシックゲームたち

後悔する前にこの傾向はおさえておけ! OK?

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2022年7月19日、任天堂はニンテンドー3DSシリーズおよびWii Uの「ニンテンドーeショップ」サービス終了日程を発表した。ニンテンドープリペイドカードを使った残高の追加は2022年8月30日13:30に終了(交通系ICカードやクレジットカードでの追加はすでに終了)、ダウンロードソフトや追加DLCの購入は2023年3月28日9:00に終了する。

ニンテンドーeショップにはニンテンドー3DSタイトルやWii Uの専用ソフトをはじめ、ゲームギアやMSX、メガドライブ、ファミリーコンピュータ、スーパーファミコンといったクラシックハードの名作を手頃な価格で遊べるようになった「バーチャルコンソール」というカテゴリがある。現在Nintendo Switchでは「Nintendo Switch Online」で似たようなサービスが展開されているため今後買い切り型のバーチャルコンソールが行われるか難しいところ。過去にはWiiのバーチャルコンソールが終了した際、迷作『たけしの挑戦状』やWiiウェアが販売されなくなったようにバーチャルコンソールの終了はゲーマーにとって生命の危機と言わんばかりの一大事だ。

サービス終了のアナウンスがあってからYouTube等で「販売終了前におさえておきたいタイトル」などの紹介動画があがり、それを動画をチェックした人もいるだろう。紹介されているほとんどは名作ゆえにゲーマーとして遊んでおきたいものや、昨今のレトロゲームコレクションブームからくる高額化からプレミア価格との相違を中心に語られることが多い。

ゲーマー諸君なら分かるようにゲーム業界の黎明期には同じタイトルでも発売されたゲーム機によって内容等が変わってることはざらにある。この時代はアーケードゲーム機がPCや家庭用ゲーム機よりも遥かにスペックが上回っており、名作アーケードゲームをどれだけ家庭用機に忠実に移植できるかが注目ポイントで、家庭用機が進化するたびに名作アーケードタイトルの移植が試みられていた。一言に移植と言ってもハードごとにクオリティや内容が変わっている。これがゲーマーの心をくすぐられるポイントではないだろうか。

今回のコラムではこういった金額にあまり振り回されず、そのバージョンならではのゲーム体験ができるタイトルの購入指針を紹介したい。

他ハードでの完全収録が難しい「やればやるほど ディスクシステム」

画像は公式サイトのキャプチャー。

ディスクシステムとはファミコン誕生から3年後に発売された拡張周辺機器。フロッピーディスクに似たような形式のクイックディスクを採用した。これは当時のロムカートリッジよりも容量が大きいため、『ゼルダの伝説』のような大型タイトルの開発が可能になり、セーブ・ロードの概念も広まった。そのほかにもゲームソフトの価格が抑えられ、ディスクという媒体の特性からゲームソフトの書き換えという新しいビジネスが誕生。現在のダウンロード販売を先駆けたような画期的なサービスだったといえる。書き換えというサービスは後に中古販売対策の一環としてスタートした「ニンテンドウパワー」に引き継がれた。

また、この時代はアーケードゲームでハイスコアを競い合うハイスコアラーの時代。ディスクの特徴である読み書きを活用し、おもちゃ屋の店頭に設置した「ディスクファックス」を通じて自宅で叩き出したハイスコアを全国で競い合うイベントも行われた。『マリオJAPANコース』や『ゴルフUSコース』で成績上位者にはオリジナルコースの収録されたゴールドディスクや有名な『パンチアウト!!』ゴールドカートリッジといった賞品が贈られた。『中山美穂のトキメキハイスクール』はクリア後にディスクファックスに入れると記念品が貰えるなど、ゲーマーのやりこみ心を刺激した。

画像は公式サイトのキャプチャー。

万能に見えるディスクシステムも弱点があった。それは発売からしばらくするとロムカートリッジの容量が上回り、半導体の価格も下がり、ディスクシステムである必要性が失われてきた。ファミコン末期はディスクシステムで販売したタイトルをロムカートリッジ向けに出すことも多かった。

しかし、ディスクシステムの利点として、音が1つ増えたことでより豊かなBGMが制作されるようになった。任天堂から許諾のあった一部メーカーはロムカートリッジの内部に特殊チップを入れることで音源を拡張することができるようになったが、ディスクシステムはリリースさえできればどのメーカーも音源を拡張できたので音に拘るメーカーはこれを採択することもあった。

さて、今回バーチャルコンソールの販売終了に際してこれらのディスクシステムタイトルはほとんどおさえておいたほうが安牌なのだが、実は一部のタイトルはファミコン末期に発売されたロムカートリッジ版だったりする。
そのタイトルがこちら。

  • 『ゼルダの伝説1』(3DS)
  • 『もえろツインビー シナモン博士を救え!』(Wii U)

『ゼルダの伝説1』とは何だと思う人もいるかもしれないがこれはディスクシステムの『ゼルダの伝説』にナンバリングを振ったもの。2作目に当たる『リンクの冒険』はタイトル画面に「THE LEGEND OF ZELDA 2」と表記されていることから表記を改めたのだと思う。
これはファミコンラストイヤーの1994年に発売されたもので、数が少ないことからコレクター価格もかなり高い。しかし、拡張音源のチップは入れられることなくディスクシステムにあったオープニングの印象深い鐘の音が削除されている。昨年発売された「ゲーム&ウオッチ ゼルダの伝説」は海外ロム版が入っており、どのような音になっているかはおおよそこちらでも確認できる。

さらにこのバージョンはほかにゲームボーイアドバンスで発売されたファミコンミニのみで、バーチャルコンソールでは3DS版しかない貴重なものだ。音が1つ無いので物足りない感じはあるかもしれないが、タイトルロゴも変化しているためその目で確認するためにはおさえておきたい1つだ。これが買えるのは3DSのみで、Wii Uの方はディスクシステム版の『ゼルダの伝説』なので注意。

『もえろツインビー シナモン博士を救え!』はディスクシステム版とロムカートリッジ版では難易度選択があることに加え、演出も少し変化があるため今後なにかのきっかけでディスクシステム版がメインなったときにおさえておきたい作品だ。
また、ディスクシステムで発売されたゲームタイトルの一部は後年、その時々の現行機に向けて発売されているが、任天堂が持っているディスクシステムのエミュレーションを他機種に流用できないことから国内のロムカートリッジ版、海外版のロムカートリッジ版が採用されていることがある。そのため、おさえておきたいタイトルとして次のものもマストだと思う。

  • 『悪魔城ドラキュラ』(3DS/Wii U)
  • 『ドラキュラⅡ 呪いの封印』(3DS/Wii U)

これらは最近『悪魔城ドラキュラ アニバーサリーコレクション』に収録されたものだが、まず『悪魔城ドラキュラ』の方はロムカートリッジ版である。これは先に紹介した『もえろツインビー シナモン博士を救え!』と同様に難易度選択が追加されているほかにセーブ不可能となっており、BGMも少し変化している。近年ディスクシステム版で遊べるようになったのはゲームボーイアドバンスのファミコンミニと、ニンテンドークラシックミニファミリーコンピュータしかない。今後もリリースされるとするとロムカセット版の可能性は大いにあるのである内におさえておきたい。

『ドラキュラⅡ 呪いの封印』は事情が少し特殊。海外ではロムカートリッジ版が発売されたが日本ではリリースがされず、日本語で遊べるのはディスクシステム版のみに留まっている。先程も書いたように現在のディスクシステムタイトルを3DS、Wii Uで遊べるようにしているのは任天堂独自のもので、他ハードで同じ様に使うことは当然ながらできない。現在実機版のものを買うと1500円位で買えてしまうが、ディスクシステムとファミコンを用意するのはハードルが高い。『ドラキュラⅡ 呪いの封印』は人気シリーズをつなぐ重要な1本であるかつ、日本で唯一ディスクシステム版しか存在しないため、今回買い逃すと日本語でのプレイは永遠に叶わない可能性がある。また、現在人気のジャンルである“メトロイドヴァニア”の記念的な1作品目でもあるのでシリーズファンでなくともゲーマーならおさえておきたい。

ディスクシステムのゲームはこのようにゲーム機本体の拡張周辺機器という背景から任天堂以外の、サードパーティ製のタイトルはお金に余裕があるうちに多くおさえておきたい。Nintendo Switch Onlineに追加されたとしても無駄な買い物にはならないはずだ。

プレミア価格の高騰化ゆえに手が届きにくくなったソフト

人気ゲーム機のハードサイクルはおおよそ5~6年と言われており、この間に数百~千本以上のタイトルが様々な形で産声をあげる。ハードの末期になると次世代機が投入され、リレーのバトンタッチの瞬間のように数年は市場で併存する形が多い。この末期に投入された旧世代機向けのタイトルはあまり世間的に認知されることが多くなく、ひっそりと発売され、息を潜めて知られることなく数年の時を過ごす。

インターネットが発達した昨今になってこれらのハード末期、もしくはディスクシステムやニンテンドウパワーの書き換えサービス末期に提供されたソフトが公に判明し、その現存数から目が飛び出るほどの高額化も珍しくない。そのソフトが良質であればあるほど更に評価は高騰する。ハード末期ということからハードの限界を越えているのではないかと思うようなタイトルもある。

こうした知られること無く発売された良質なソフトたちもバーチャルコンソールで再び日の目を見ており、実機でのプレイ、ロムカートリッジの所有にこだわらなければ大変な低価格で入手し、遊ぶことができる。こうした高額化の中でもおさえておきたい一例として次のものがある。

  • 『サマーカーニバル'92 烈火』(3DS)
  • 『クルクルランド』(3DS/Wii U)
  • 『メタルスレイダーグローリー』(Wii U)
  • 『ファイアーエムブレム トラキア776』(New 3DS/Wii U)

この手のプレミアタイトルは挙げだすとキリがないので一例として頭に留めていただきたい。

『サマーカーニバル'92 烈火』は言わずもがな名実ともに優秀な高額なタイトルだ。ジャンルは縦型シューティングゲームで、静止画で観ると凡庸な宇宙シューティングゲームに見えてしまうが、驚くのは自機の移動スピードや弾幕シューティングに相当する敵の数と弾。これらを高速で処理する様はファミコン末期のタイトルに相応しい、ハードスペックをギリギリまで引き出した傑作と言ってもいい。


バーチャルコンソール版はフラッシュ表現を抑えめにしているためロムカートリッジ版と差があるのは仕方ないが、ゲームの雰囲気とファミコンの限界をその身で感じてほしい一作
ちなみに、このソフトは一時美品の箱説完備のものが20万ほどで取引されたこともあり、これが中国はじめとした東南アジアで知れ渡ることになり海賊版が出回っている。偽物と新品は重さを計ればなんとなく見分けがつくらしいが、真贋判定はロムカートリッジを割って見るほか無い。

ところがこの方法はロムカートリッジの爪を折ってしまう恐れがあるのでせっかくの本物も価値が下がってしまうこともある。そのため真贋判定は事実上不可能に近く、年々精巧化した偽物の氾濫によって本物のプレミア価格も急激に落ちている。とは言っても高いことに変わりはないが……

ここ数年「海外版」と称したものがオークションサイトやフリマアプリなどで販売されているが、これは根っからの偽物。海外で『サマーカーニバル'92 烈火』は発売されていない。海外からこの偽物を輸入した人が「海外版」とそれっぽく販売する悪質なケースが多いため騙されないように。こうした偽物は見つけ次第、法的にも取り締まっていただきたいものだ。

『クルクルランド』は先にロムカートリッジ版が発売されたが、後年アーケード向けにステージを増やした『VS.クルクルランド』を発売。今回紹介しているのは忠実に移植したディスクシステム版のもの。「VS.」とはゲームセンターに向けて展開したゲーム基板で『スーパーマリオブラザーズ』や『悪魔城ドラキュラ』などがあり、多くはアーケード用にアレンジがされていた。

この『クルクルランド』はファミコン末期のディスクシステム最後のゲームソフトに加えてディスクシステムの書き換えサービスも縮小し、店頭での書き換えも1年ほどしかなかったため知られること無く現存数が少ないことから高騰している。

ディスクシステム版がアーケードを忠実に移植しているため、この機会を逃しても「アーケードアーカイブス」で購入することもできるが一応おさえておきたい。

『メタルスレイダーグローリー』はファミコンで発売されたHAL研究所が開発したコマンド選択式のアドベンチャーゲーム。特色としてこれもスーパーファミコンが発売された後に出たファミコン末期のタイトルで、緻密なグラフィックには驚かされること間違いない。
2000年にはスーパーファミコンのSFメモリに向けて『メタルスレイダーグローリー ディレクターズカット』が発売。これはローソン限定で販売されたプリライト版と、書き換えサービスのニンテンドウパワーでのみ購入できたものだが、ニンテンドウパワー最後のタイトルに加え、翌年にはニンテンドーゲームキューブが控えているといった状況でもあったので当時スルーしてしまった人も多かった。そのためどちらも現存数が少ないためなるべく入手しておきたいソフト。

『ファイアーエムブレム トラキア776』もこの手の高額タイトルの話題で常連となっている。これは『ファイアーエムブレム 聖戦の系譜』のサイドストーリーにあたるゲームで、SFメモリの書き換えソフトとして発売された。その数は11万本弱とスーパーファミコンのソフトの全体数でいうと少ない方なので高額化している。ちなみにファイアーエムブレムシリーズ生みの親である加賀昭三が携わった最後のファイアーエムブレム作品。

これらの高額タイトル、特に任天堂製のものに関してはNintendo Switch Onlineでも展開が予想されるタイトルでもあるので急ぎでない人は様子を見て良いかもしれない。

Wii Uにしか無い光線銃タイトルとMSX、PCエンジン系タイトルはおさえておくべし

バーチャルコンソールはハードスペックの関係からか購入できるタイトルがWii Uと3DSで異なっている。MSXのバーチャルコンソールがそうで、これらはWii Uのみで3DSで遊ぶことができない。逆にゲームボーイ、ゲームボーイカラーのタイトルは3DSで遊べるが、ゲームボーイアドバンスはWii Uのみとなっている(3DSのアンバサダープログラムの影響だろう)。こういったものの中で今後貴重になりそうなのがMSX、PCエンジン系のタイトルになってくると思う。その中でもピックアップするとなればこれらはおさえておきたい。

  • MSX『悪魔城ドラキュラ』(Wii U)
  • MSX『ゴーファーの野望 エピソードII』(Wii U)
  • PCエンジン『うさぎの国のカンガルーレース ワラビー!!』(Wii U)
  • PCエンジン『バトルロードランナー』(Wii U)

あくまで一部の紹介だが、『ゴーファーの野望 エピソードII』を除く3タイトルは現状、Wii Uのバーチャルコンソールでしか遊べないものばかりでかつ、任天堂ではないサードパーティ製のものであるため、この期を逃すと入手しづらいと予想する。

MSX版『悪魔城ドラキュラ』

一応『ゴーファーの野望 エピソードII』に関しては初代プレイステーションとセガサターンで発売された『コナミアンティークスMSXコレクション』(PS版は全部で3種類ある)に収録されており、Wii Uで販売されているMSXタイトルの中にも収録されているものがあったりする。これらのタイトルはPSアーカイブスにもあるため、特に急ぐことも無ければこちらの方でも構わないが、保険としてバーチャルコンソール版をおさえておくのもありだと思う。

Wii Uはゲームパッドにセンサーバーを備えていることからWiiリモコンを使ったゲームをプレイすることができる。この機能の恩恵を受けるのがファミコンの光線銃シリーズ3タイトルだ。

  • 『ワイルドガンマン』
  • 『ダックハント』
  • 『ホーガンズアレイ』

これらの3タイトルは任天堂が製作したタイトルで、Wii Uのゲームパッド、もしくはセンサーバーをWii U本体に接続してWiiリモコンを光線銃として見立てて遊ぶことができる。
なお、コナミから出た『マッド・シティ』も同様に遊ぶことができるため(光線銃マストではなかった)、これもおさえておくといいだろう。

『マッドシティ』
『ワイルドガンマン』これを遊ぶと『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2』が観たくなる。
『ダックハント』
『ホーガンズアレイ』

光線銃とはハンドガンの形をしたコントローラーでトリガーを引くと画面が一瞬暗転し、狙撃対象物のところが白く光って、これに銃口が適切に向いて感知したらヒットしたという判定になる。これはブラウン管モニターのみでしかプレイできない。今回のバーチャルコンソール版はWiiリモコンにでも遊べるように移植されているため、この期を逃すと遊ぶことが困難になる(なんとWiiリモコンで操作すると、Wiiリモコンから光線銃のトリガーを引いたような音が出るギミック付きだ)。この光線銃対応作品はゲームソフトとJoy-Conの性質上Nintendo Switchで遊ぶことは難しいと思う。

カードe+対応タイトルは今後Switch Online等で追加データと一緒に復刻される予定もあるかもしれないがおさえておくべし

ゲームボーイアドバンス時代。周辺機器として「カードeリーダー」というものが発売された。これは別売りのカードパックを購入してカードに印字されているバーコード部分をカードeリーダーに読み込ませるとオリジナルゲームができるというものだった。ポケモンカードゲームにも一時期バーコードが印字されていることもあってポケモンの説明やポケモン関連のミニゲームを遊ぶことができた。カードゲームショップで中古カードの束の中を見ると稀に見かけることもあるので、今のうちにおさえておくと良いかもしれない。

このカードeだが、発売から1年半後にアップグレードした「カードe+」が発売され、むしろこちらの方がお世話になったというユーザーは多かったことだろう。発売間隔の短さもあったのか、旧機種を下取りして販売するキャンペーンも行われた。

このカードe+はゲームキューブ、ゲームボーイアドバンスとも通信ができるようになったこともあって、読み取ったバーコード情報を別機器に送り込んでデータのソフトデータの上書きをすることも可能となった。この機能を活かして当時のソフトメーカーは拡張パックとしてカードパックを続々と発売した。今で言う追加DLCの先駆け的なものだったと思えば良い(お金出してランダム入手の追加DLCである!)。代表的なものとしては『ポケットモンスター ルビー/サファイア』、「ロックマンエグゼ」シリーズ(4・5・6)、『スーパーマリオアドバンス4』がある。

ただ、カードe+も商品として致命的な弱点があって、この追加データを受け取るにはゲームボーイアドバンスの場合は本体を2台用意しておかないといけない。そのため、一部のカードパック販売店にはカードパック購入者のためのカードe+を設置するところもあった。

現在バーチャルコンソール版ではこれらのカードを通して得られた追加データは、全てではないが実装することができるようになっている。今回バーチャルコンソールの販売が休止してしまうと、実機からカードe+を全て用意しないといけないためこれらの追加コンテンツを遊ぶには敷居がかなり高くなってしまう。そのためおさえておく必要があるというわけだ。

  • 「ロックマンエグゼ」シリーズ(4・5・6)
  • 『スーパーマリオアドバンス4』

『ロックマンエグゼ』は来年『ロックマンエグゼ アドバンスドコレクション』が発売される。こちらもおそらくカードe+を使った追加データを習得できる要素を残しているかと思うが、一応保険として購入しておくに越したことはない。


『スーパーマリオアドバンス4』も今後Nintendo Switch Onlineでゲームボーイアドバンスそのものが追加される可能性もあるかもしれないが、現状そういった情報は無いので確実におさえておきたいタイトルの1つ。

そしてカードe+とは関係ないがゲームボーイアドバンス関連でおさえておきたいものが、『ゲームボーイギャラリー4』。

これは海外で発売されたものの、日本では未発売になってしまったタイトルの1つ。日本語化もされていたのに大変惜しい。未来のことはわからないのでおさえておきたい。

移植作品で追加または無くなってしまった要素を体験しておこう

ゲームにはバグが付き物だ。とは言えバグというのは製作者の見落としたミスであって、本来はあってはならない存在。だが、制作するのは人間であるためどうしても全てを取り切るのはほぼ不可能なのは致し方ない。

ゲーム文化が長くなれば新しい世代のユーザーが入って来る。そういった層に向けて往年の名作を体験して貰うために現行機種に向けてリメイクや移植を行うことが度々ある。中にはそのハードでしか追加されなかった要素、もしくは当時は取り切れなかったバグが修正されて無くなってしまうことも珍しくない。そういったものもバーチャルコンソールにライナップされているのでおさえておきたい一部タイトルを紹介するとこちらだ。

  • 『ファイナルファンタジーⅥ』(SFC版)(3DS/Wii U)
  • 『グラディウス』(PCE版)

『ファイナルファンタジーⅥ』はスーパーファミコン版となっており、この当時使えた「機械装備バグ」、「バニデス」といった有名なバグ技を使うことができる。これはVC版と初めて移植されたPS版で使えるが、後年移植されたゲームボーイアドバンス版やピクセルリマスター版では廃止されているため爽快感を味わいたい人は買ってみるといいのではないだろうか。

『ファイナルファンタジーⅡ』では有名な「てったいしなければ ならかった」という誤植もそのままになっているのでこういった点もチェック(実はバーチャルコンソールでは当時では許された言語表現も修正されているものがかなりある)。

このほか、現行ハードに移植されたゲームはほとんどが当時のバグ技、もとい裏技が使えなくなっているので調べてみて気になれば購入すると良い。

PCエンジン版の『グラディウス』はPCエンジン miniにも収録されているが、万が一を考慮して入手しておくのも良いだろう。グラフィック面がかなりアーケード版に忠実に近づけていることが評価されているため、現在提供されているアーケードアーカイブス版と比べたりするのも一興。また追加ステージ「骨」があったりと、同じタイトルでも他のバージョンにはない要素があるのでこうしたMSX版含めてバージョン違いをそれぞれおさえておくと良いだろう(「骨」はMSX版にもあるが内容が異なる)。

今回紹介したのはあくまで海のように広くバーチャルコンソールの一部だ。この話をするならあれを出すべき。なんでこれがあってアレがないんだと言う人もいるだろうが、そのあたりは勘弁してほしい。

レトロゲーム、クラシックゲームは同名タイトルでもこういった差異やその機種でしか体験できないものがある。決して同名タイトルだからいいだろうと思わず、好きになったタイトルでバージョン違いがあれば積極的におさえてみるといいだろう。

任天堂は現在Nintendo Switch Onlineに全力を挙げて取り組んでいるのはわかるが、買い切りでいつでも気兼ねなく遊べるストアを提供してほしいと切に願う(その他サブスクに注力するハードウェアメーカーにも同じことを願う)。

今回このコラムを書くにあたって自分が知っているものから、再確認のためにあれこれ当時のハードを引っ張り出して思ったことだが、レトロゲーム、クラシックゲームは本当に沼だと感じた。


ハタフミノブ(@hata_fuminobu)はフリーのライター兼Web生放送ディレクター。

最近、とある確認のためにディスクシステムのソフトを通販で購入したら郵便受けの中にマグネット広告が入っていて思わず「ふざけんな!」と叫んでしまった。もうあれはテロだよ……

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