気分は伝説の早撃ちガンマン

 1984年(昭和59年)2月18日は、ファミリーコンピュータ用『ワイルドガンマン』が発売された日。本日で発売から40周年という大きな節目を迎えたことになる。

 『ワイルドガンマン』は、任天堂から発売されたガンシューティングゲーム。付属するリボルバー型のコントローラー“ガン”を使用してプレイする“光線銃シリーズ”の第1弾タイトルとなっている。

光線銃シリーズ『ワイルドガンマン』が発売40周年。早撃ちの緊張感に手に汗握る。リボルバー型のコントローラーを画面に向かって撃つのが新感覚だった【今日は何の日?】

 1974年にリリースされた、実写を用いた同名タイトルのアーケード版射撃ゲームが存在するので、すべてドット絵で描かれた本作はファミコン版リメイク的な位置付けと言えなくもない。

 当時すでに西部劇ブームは落ち着いていたとはいえ、実際にガンコントローラーを持って画面を撃つプレイスタイルが画期的でとにかくカッコよく見えたので、子どもたちはすぐに夢中になったはずだ。

光線銃シリーズ『ワイルドガンマン』が発売40周年。早撃ちの緊張感に手に汗握る。リボルバー型のコントローラーを画面に向かって撃つのが新感覚だった【今日は何の日?】
光線銃“ガン”。
光線銃シリーズ『ワイルドガンマン』が発売40周年。早撃ちの緊張感に手に汗握る。リボルバー型のコントローラーを画面に向かって撃つのが新感覚だった【今日は何の日?】
光線銃シリーズのチラシ(表)。
光線銃シリーズ『ワイルドガンマン』が発売40周年。早撃ちの緊張感に手に汗握る。リボルバー型のコントローラーを画面に向かって撃つのが新感覚だった【今日は何の日?】
光線銃シリーズのチラシ(裏)。
資料提供:浅野稔

 ゲーム内容は非常にシンプル。開拓時代のアメリカ西部を舞台に悪漢たちとガンファイト(早撃ちの決闘)をくり広げるというもの。付属のホルスターを腰に装着し、銃をしっかり収めたら準備完了。悪漢どもの「FIRE!!」の声を合図に銃を抜き、相手が撃つ前にプレイヤーが撃てれば勝利となる。

 合図より前に撃ってしまったり、相手から先に撃たれれば当然ながらミス。自分がやられないように大勢の悪漢を倒し、スコア代わりの懸賞金をどんどん稼いでいくというわけだ。

 ゲームモードはひとりずつ相手にする“GAME A”、ふたり同時に相手をする“GAME B”、つぎつぎと現れる敵を倒す“GAME C”が用意されていた模様。

 いま思えば、早撃ち前の独特な緊張感は『ワイルドガンマン』でしか味わえないものだっただろう。ホルスターを装着して、なりきり気分を高めていたことも大いに影響していたんじゃないかな。悪漢どもとの対峙の際に流れる不穏なBGMがいい仕事をしていて、急速にドキドキが高まり手に汗握ってしまった記憶がある。

光線銃シリーズ『ワイルドガンマン』が発売40周年。早撃ちの緊張感に手に汗握る。リボルバー型のコントローラーを画面に向かって撃つのが新感覚だった【今日は何の日?】

 目にも止まらぬ速さで銃を抜き、腰だめで撃つクイック・ドロウを決めれば気分はもはや早撃ちガンマンだった。撃った相手のズボンがずり落ちたり、帽子を飛ばして波平さんのようなヘアスタイルがあらわになったりするなど、コミカルな描写があったところも殺伐とし過ぎずよかったんじゃないかな。

 ふと思い出したが、筆者は最初のうちこそ真剣にホルスターを装着していたのだが、だんだん敵が強くなってきたか面倒になったかして最終的には銃を画面の真ん前で抜いたままにして相手を一瞬で倒すというズルをやってしまっていた……。筆者だけでなく、誰もがやったあるあるだと信じたいところだ。

 1984年4月21日には光線銃シリーズの第2弾としてカモを仕留める『ダックハント』が、さらに1984年6月12日にはシリーズ第3弾として、パネルの中からギャングだけを瞬時に見出して撃っていく『ホーガンズアレイ』が発売された。任天堂から発売された光線銃シリーズ専用タイトルは全3作となっている。

光線銃シリーズ『ワイルドガンマン』が発売40周年。早撃ちの緊張感に手に汗握る。リボルバー型のコントローラーを画面に向かって撃つのが新感覚だった【今日は何の日?】
バーチャルコンソール版『ダックハント』。
光線銃シリーズ『ワイルドガンマン』が発売40周年。早撃ちの緊張感に手に汗握る。リボルバー型のコントローラーを画面に向かって撃つのが新感覚だった【今日は何の日?】
バーチャルコンソール版『ホーガンズアレイ』。
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